クレジットカード利用でも領収書保存が必須!~経費管理を効率化する2つの選択肢とは?~

税務お役立ち情報

法人の経費の支払いに法人クレジットカードを利用するケースは多いですが、クレジットカード払いは、便利な反面、適切な管理を行わないと税務調査で否認されるリスクもあるため、注意が必要です。
さらに、インボイス制度や電子帳簿保存法の観点からも、以前より厳格な経費管理が求められています。

今回は、税務リスクの低減・経費管理の効率化という観点からおすすめの「クラウド経費精算システム」と「法人カードの活用」という2つの方法についてご紹介します。

クレジットカードで支払っても領収書の保存は必要です

経費を法人クレジットカードで支払った場合、カード明細が残るから安心、と思っていませんか?

実は、法人クレジットカードで支払った場合でも、クレジットカード利用明細だけでは経費証拠には不十分であり、必ず領収書やレシートの保存が必要です。
特にインボイス制度が始まってからは、インボイスの保存のない経費の消費税の仕入税額控除は認められないこととされたため、税務調査でも領収書の保存のないクレジットカード払いの経費について指摘を受ける確率が高くなっています。

【クレジットカード利用時の注意点】
・支払い時に必ず領収書やレシートを受領・保存する
・クレジットカード利用控えは領収書の代わりにならない
・領収書やレシートには、取引先名・金額・取引日・取引内容・登録番号(インボイス登録事業者の場合)が明記されている必要あり
※少額特例や、公共交通機関特例、出張旅費等特例など、インボイス不要で仕入税額控除が可能な場合も一部あり

つまり、クレジットカードを使っても「領収書回収&保管」という手間は避けられないのです。

領収書管理の手間を減らすために考えるべき2つの方法

「せっかくキャッシュレス化したのに、紙の領収書管理が大変…」 そんなお悩みを解決する方法として、2つの運用スタイルが注目されています。

クラウド経費精算システムを導入する

立替払いをした社員が、領収書をスマホで撮影し、そのままクラウド上にアップロード・申請できる仕組みです。

【メリット】
• 領収書をスキャンするだけでOK、ペーパーレス化が進む
• 経費申請~承認~支払までの流れがクラウド上で完結
• 電子帳簿保存法にも対応できる(検索機能・タイムスタンプ対応)
• インボイス制度にも対応

代表例:マネーフォワードクラウド経費、freee経費精算、楽楽精算 など

法人カードを活用して支払いを一本化する

特定の社員に法人カード(代表例:マネーフォワード Pay for Business、UPSIDERなど)を持たせ、出張・接待費などは原則カード払いに統一する運用です。
前述のとおり、クレジットカード支払いでも領収書の保存が必要なため、法人カードを利用する場合には、領収書をスマホ撮影し、利用明細に紐づけるフローを徹底することがお勧めです。

【メリット】
• 立替経費がほぼゼロに
• カード明細データを自動で取得でき、経理処理が簡単
• 法人カード利用明細と領収書データを紐づければ、効率的に領収書管理ができる(電子帳簿保存法・インボイス制度対応可)

<クラウド経費精算 vs 法人カード利用 比較まとめ>

どちらを選ぶべきか?

現金払いなどの小口経費が多く、申請承認フローを重視したい会社は、クラウド経費精算システムの導入がおすすめです。
出張や高額支払いが多く、社員の立替負担を減らしたい会社は、法人カード運用(+領収書管理徹底)が向いています。
また、両方を上手に併用する運用も可能です。(例:小口経費はクラウド経費精算、大口決済は法人カード)

どちらを選ぶ場合でも、社内の経費精算ルール・法人カード利用規定を整備し、適切な運用体制を構築することが重要です。

まとめ

クレジットカード利用でも領収書保存は不可欠です。 そのうえで、
• 経費精算ソフトを使うか?
• 法人カードを活用するか?
• あるいは併用するか?
を選択することで、経理業務の効率化と税務リスク回避の両立が実現できます。
自社の規模や経費の特徴に合わせた最適な方法を選びましょう!

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