振込業務は経費や給料、税金の支払いなど様々な場面で必要になります。そして一つ一つの振込に振込手数料がかかりますが、手数料は振込金額や手続きの方法、また振込先の銀行によっても変わります。
振込手数料は一回当たり数百円と決して大きな額ではありません。しかし振込回数が積み重なった結果、年間で考えると数十万円ほどの金額になることも多くあります。そのため、定期的に振込を行う企業は振込手数料を見直すことで収益改善につながります。今回はこの振込手数料を削減できる方法を紹介します。
振込手数料が高くなる理由
まず、そもそもなぜ振込手数料が高くなるのでしょうか?その理由から説明したいと思います。
振込手数料は、「振込単価 x 振込件数」で計算ができます。よって振込単価を下げるか、振込件数を減らせば、振込手数料は下がります。しかし振込件数を減らすことはあまり現実的ではないため、振込単価を下げることが振込手数料削減につながります。
振込単価が高くなるケースとしては主に3つあります。
・窓口で手続きを行う
実際に店舗をもって窓口業務で対応すると人件費が反映され、振込単価は高くなってしまいます。また、窓口に経理担当者が行かねばならず、時間的コストもかかります。
・3万円以上の振込手続きを行う
銀行によっても異なりますが、3万円以上の金額の振込手続きを行うと振込単価が高くなるケースが多いです。
・他行あてに振込手続きを行う。
異なる銀行間での振込手続きを行うと振込単価は高くなります。
これら3つのケースは振込単価が高くなる主な理由と言えます。この理由を踏まえたうえで、振込手数料を削減する方法を説明していきます。
振込手数料を削減する方法
複数銀行に口座を持ち、異なる銀行間の取引をなくす
取引先によって振込先として指定してくる銀行は異なります。
この時すべての銀行(取引先)に対して、一つの銀行からのみ振込手続きを行うと振込手数料は高くなります。もし自社の口座を様々な銀行に持ち、取引先の指定してきた銀行口座に合わせて、自社の口座も選択できるようにしておけば振込手数料を安くすることができます。
ただし、この方法の注意点としては自社資金を様々な銀行口座に分散させるので、資金管理の手間が増えることになります。インターネットバンキングなどのシステムを使って、データを電子化し把握する、といった対応を取るのが効果的です。
社員の給与口座を同じ銀行の同じ支店に統一する
先ほどは同じ銀行間の取引にすることで手数料を削減する、という内容でしたが、支店まで同じにすることで手数料をさらに削減することが可能です。
銀行によっては、「支店は違っても同じ銀行であれば、振込手数料は変わらない」ということもあります。ご自身の取引銀行ではどうなっているか、よく確認をしてみてください。
しかし、この方法についても、これまで社員がそれぞれ使っていた銀行口座があるので難しいケースがあります。入社時の手続きの一環で、銀行口座を新たに開設する手続きを盛り込むなどの工夫が必要になってきます。企業によっては、新卒の社員に対し内定式の際銀行口座開設手続きを行っているケースもあります。
ネット銀行を使う
窓口での手続きと比較すると、ネット銀行での手続きを行ったほうが間違いなく振込手数料を削減することができます。さらにネット銀行の中でも手数料の競争が激しくなってきているので、よく比較し手数料の安い銀行を選択しましょう。
また、ネット銀行を使用するメリットはコスト面だけでなく、作業負荷を軽減するという意味でも非常に効果的です。ネット銀行を使用することでデータ管理が容易かつタイムリーに行うことができます。これによって経理担当者の業務を簡素化し、リアルタイムで社内のキャッシュフローを把握できるメリットがあります。
振込業務をアウトソーシングする
4つ目の振込手数料を削減する方法として、振込業務をアウトソーシングする方法があります。アウトソーシング先に振込内容を指示するだけで、振込が可能です。どのような銀行あての送金でも振込手数料を一律としているサービスを利用すれば、振込手数料を削減することができます。
また、振込手数料を削減できるだけでなく、振込業務そのものをアウトソーシングするので、自社の経理担当を減らすことも可能です。これによって人件費を削減できるメリットがあります。
振込業務をアウトソーシングすることのメリットはありますが、注意点も確認しておきましょう。
振込業務をアウトソーシングする際の注意点
アウトソーシングすることがコスト削減につながっているのか?
振込業務をアウトソーシングしても、アウトソーシング先に支払う費用が大きすぎて全体で考えた時にコストメリットがないこともあります。人員を減らすことによる人件費削減、振込手数料の削減をあわせた金額が、アウトソーシング先に支払う費用と比較しましょう。
全体としてコスト削減につながっていればアウトソーシングのメリットはあることが確認できます。非常に大切なポイントなのでよく確認をしましょう。
振込業務のノウハウが社内で蓄積できない
振込業務をアウトソーシングすると、当然ですが社内に振込業務はなくなります。そして振込業務を社内で経験する機会がなくなります。よって社内に振込業務のノウハウを蓄積できなくなります。
しかし振込業務はコア業務でなく、ノウハウを蓄積する必要もない、と考えることもできます。振込業務のノウハウが今後の企業経営においてどれだけ重要なのかは各社違いますので、将来のことまで含め検討することが大切です。
情報漏洩のリスクがある
振込業務をアウトソーシングするためには、振込に必要な情報をアウトソーシング先に渡す必要があります。振込先、金額、など内容は秘匿性の高いものです。これらの情報をアウトソーシング先に開示することは情報漏洩のリスクがあります。
情報セキュリティ対策は万全か?第三者の監査が定期的に入っているか?という観点をもってアウトソーシング先の企業は見極めるよう注意しましょう。
まとめ
この記事では、振込手数料を削減するために効果的な方法を紹介しました。
振込は企業活動によって避けることのできない業務です。そして振込手数料は必ずかかるものです。しかし、同じ金額を同じ件数振り込むとした時に少しでも安い手数料で振り込みができたほうが経費を削減することができます。
そして振込手数料だけでなく、人件費削減というメリットまで享受できる可能性のある方法が振込業務のアウトソーシングでした。アウトソーシング先に支払う費用よりも、削減できるコストのほうが大きいと判断できた場合、振込業務のアウトソーシングは有効な対策として機能するでしょう。
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