ペーパーレス化の導入失敗例と成功する為に押さえておくべきポイントを解説

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ペーパーレス化とは、紙の利用を減らし、書類を電子ファイルで管理することを指します。主な目的は業務効率化とコスト削減に繋げることです。

ネットワークのつながる環境であれば、ぺーパーレス化を目指してシステムを導入することにより、場所や時間を問わず、資料にアクセスできるようになります。その為、新型コロナウイルス感染対策として様々な企業でテレワークが実施されており、すでに多くの企業がペーパーレス化の取り組みが進めています。

しかし、ペーパーレス化を進めるにあたっていくつか注意が必要です。無計画でペーパーレス化を進めてしまうと、逆に作業効率は低下してしまい、なおかつ導入コストだけかかってしまう場合があります。

そこで今回は、ペーパーレス化の導入失敗例と成功する為に押さえておくべきポイントを解説します。今回の内容を理解した上で慎重にペーパーレス化に取り組むようにしましょう。

ペーパーレス化の失敗例

ペーパーレス化の失敗例として5つ主な原因を紹介します。

主な原因は以下の5つです。

・目的が不明確のまま導入する
・非現実的なスケジュールで導入する
・運用ルールが定まっていない
・利用者のIT知識が乏しい
・電子化できない資料がある

それでは1つずつ解説します。

目的が不明確のまま導入する

「目的が不明確」と言うのがペーパーレス化で最も失敗に繋がるパターンです。

冒頭でもお伝えした通りペーパーレス化の主な目的は、業務効率化とコスト削減に繋げることです。そして企業が継続的に活動する為には、利益を出すことが一番の目的です。その為には、ペーパーレス化を導入したことでどのくらいの業務効率化が向上したか、どのくらいのコスト削減につながるかをしっかり考える必要があります。

ペーパーレス化にかかる予算として物件費や人件費などをしっかり精査した上で、導入するようにしましょう。また、従業員全員がペーパーレス化における目的の共有を図るようにしましょう。

非現実的なスケジュールで導入する

経営者側は、早いうちにペーパーレス化を進めて業務効率化やコスト削減をしたいと考えます。一方で従業員側は、ペーパーレス化を進めようとした場合、通常業務に加え新たな作業が追加されて非常に多忙になります。

もちろんシステム導入をすれば、いずれは作業効率を高めることが出来ますが、移行期間はどうしても作業が増えます。作業が膨大になれば、ヒューマンエラーも増えたり、システム導入したにも関わらず、うまくシステムを利用出来ずに放置され、コストだけかかっている、なんてことも考えられます。

ペーパーレス化を進めるにあたり、実務者である従業員の負担になりすぎないように、現実的なスケジュールで導入を進めるようにしましょう。

運用ルールが定まっていない

運用ルールが定まってない場合にペーパーレス化で問題となるのが、情報漏洩やデータ紛失です。

基本的には、データ化することで、アクセス権限をコントロールできると同時に、アクセスログを残すことができるため、紙の書類よりもセキュリティを高められます。またデータ化した書類は複製や復元も容易なため、バックアップを残すことで万が一に備えられます。

しかし利用しやすい分、バックアップの定期的な保存ルールや書類の持ち出しルールをきちんと定めていない場合、大きな問題に繋がるリスクがあります。運用する前に、会社全体できちんとしたルールを定めておくようにしましょう。

利用者のIT知識が乏しい

従業員によってIT知識の差があるのは当然のことです。

しかし、最低限の知識を会社側で教育しておかないと情報漏洩やデータ紛失に繋がるリスクが高まります。会社側は基礎知識を備える為の勉強会や社内研修を設けるようにしましょう。

電子化できない資料がある

近年ではペーパーレス化を意識した法改正も進み、ほとんどの書類が電子化による保管を認められています。しかし一部の契約書や申請書類は、電材も電子化が認められていません。

その為、従業員によっては書類によって紙の書類と電子データに分けて管理するのが面倒だと感じてシステム導入したにも関わらず、全て紙のまま利用している場合があります。

取り扱っている書類の種類によって電子化が出来るものと出来ないものをきちんと棲みわけし、ペーパーレス化の目的である業務効率化とコスト削減に繋げるようにしましょう。

ペーパーレス化を成功する為に押さえておくべきポイント

それでは次にペーパーレス化を成功するために押さえておくべきポイントを3つ解説します。

主なポイントは、以下の3つです。

・段階的に導入する
・教育や定期的な研修を行う
・利用前に運用ルールを決めておく

それでは1つずつ解説します。

段階的に導入する

ペーパーレス化を進めるにあたり、社内で取り扱う書類は全てが対象ではありますが、いきなりすべてを切り替えることはできません。重要な書類であるほど、データ漏洩や紛失が起こらないように慎重に進める必要があります。

まず第一にペーパーレス化に取り組むべき書類は、重要性が低い上で利用頻度が高いものです。例えば、打ち合わせ資料や社内回覧資料などが対象となるでしょう。こういった書類は、普段利用頻度が高いことからペーパーレス化を導入することで大きなコスト削減につながりやすいです。

定期的な教育研修を行う

ペーパーレス化を成功させる為には、従業員全員で共通認識を持つことが大切です。まずは導入する際は時間とコストをかけて教育研修を行うようにしましょう。教育研修を行うことで利用者の意識を高めてもらい、なおかつITリテラシーを身に付けてもらうことが出来ます。

ペーパーレス化への移行で気を付けるべき主なリスクは、情報流出とデータ紛失の2つです。教育研修を行っていれば情報流出のリスクや大きなトラブルを避けることが出来ます。

新入社員や中途社員が入ってきた際、誤った認識を持ってトラブルにならないように定期的な研修を行って共通認識を持てるようにしましょう。

利用前に運用ルールを決めておく

ペーパーレス化を導入することで会社によって大きな業務改善、コスト削減に繋げることが出来ます。しかし、事前の運用ルールが曖昧であった場合に大きなトラブルに発展することがあります。

企業は利用前に社内の規定を作り直すなどしてしっかりとした運用ルールを取り決めするようにしましょう。

まとめ

今回は、ペーパーレス化の導入失敗例と成功する為に押さえておくべきポイントを解説しました。

今回紹介した原因は一例ですが、会社によってはペーパーレス化を導入したにも関わらず、うまくいってないケースも存在します。そうならない為には、具体的な目標や計画が必須となります。長期視点を持って少しずつペーパーレス化を行い業務改善を行えば、必ず良い方向へ進むことが出来ます。

従業員一丸となって取り組めるように、まずはペーパーレス化に関する共通認識を持つことから始めてみるのが良いでしょう。

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