日本の労働生産性が先進国(G7)の中で最下位であることをご存知でしょうか?最も高いアメリカの1時間当たりの労働生産性が72.0ドルなのに対して、日本は47.5ドルしかなく、約66%しかないという統計データがあります(日本経済新聞、2018年12月20日付けの記事による)。今回は生産性を向上するために取り組んでいただきたい内容を記事にしました。
そもそも「生産性」とは何か
生産性の代表的な定義は「生産性とは、生産諸要素の有効利用の度合いである」というものです。労働力や資本など生産要素の投入量と、それによって得られる産出物との相対的な割合を生産性といいます。
式で表すと、「生産性=産出量(output)÷ 投入量(input)」です。
したがって、生産性を向上させるには
- 産出量を維持しながら、投入量(労働時間など)を減らす
- 同じ投入量(労働時間など)で、より多くの産出量を生み出す
のいずれかを目指さなくてはなりません。
環境整備は生産性向上の第一歩
生産性が高い会社の共通点は、環境整備を徹底していることです。別の言い方をすると、整理整頓や、清掃が行き届いている会社は生産性が高いです。なぜそのような効果があるのでしょうか。
整理整頓ができていない会社では「ものを探す」という行為が頻繁に発生します。この「ものを探す」という行動は価値を生みませんので、発生すればするほど生産性が下がってしまうのです。また、必要なものや書類をなくしてしまって、再発注したり、再度作成したりすることで、労働時間=投入量が多くなってしまい、生産性が下がります。
快適で生産性の高い職場環境を作るためには、以下の3つが必要です。
- 整理:いらないものを捨てる
- 整頓:必要なものを取り出しやすいように収納する
- 清掃:毎日決められた時間に掃除を行い、キレイな状態を保つ
改善意欲を引き出す
従業員数が多くない中小企業では、社員一人一人に「改善しよう」という意欲があるか否かが、生産性に大きな影響を与えます。自発的に改善を行う社員は以下のように仕事をしています。
- 仕事の目的を理解する
- 目的を果たすのは自分であると自覚する(責任感を持つ)
- 自分の頭で考えて、創意工夫をする
経営者や管理職は社員の改善意欲を引き出すために、1この仕事が誰の何の役に立つのか明確に伝え、2「この仕事を担うのは君しかいない」と背中を押し、3サポートをして成果が出たら一緒に喜ぶ、という教育をしていかなくてはなりません。
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IT技術やクラウド技術の進歩が目覚ましい昨今ですが、生産性を高められるかは、今回取り上げたような地味な部分に力を入れられるかにかかっています。生産性の高い会社を目指して、まずは経営者が率先して整理整頓に力を入れてみてはいかがでしょうか。
<良い会社チェックリスト>
□社内の整理整頓は完ぺきにできていますか?
□「社内を清潔に保とう」という意識が社員に定着していますか?
□社員の改善意欲を引き出すことを心がけていますか?