経営者のリーダーシップ ~人を動かすために必要な力~

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前回は経営者の「人を動かす」という役割に着目しました。今月号は「人を動かす」ために必要なリーダーシップについて取り上げます。

◇リーダーシップがある経営者の共通点
リーダーシップを発揮している経営者にはいくつかの共通点があります。今月号では「メッセージを発信する」「成功者に学ぶ」「素直である」の3つをご紹介します。

◇メッセージを発信する
リーダーは「人を導く」役割です。黙っていても自然とついてくれば良いのですが、なかなか難しいので、リーダーはメッセージを発信しなくてはなりません。リーダーとして発信しなくてはならないのは「理念」「現場」「」の3つです。

まずは「理念」です。「我々はこうあるべきだ」という存在意義や行動規範を伝えなくてはなりません。これがブレてしまうと会社全体がおかしくなってしまいます。

次に「現場」についても語る必要があります。製造、販売、営業などの現場で何が起きているのか、良い点は何か、改善点は何か、という情報を把握して、指摘しなくてはなりません。

最後に「」です。「理念」や「現場」について語ることは重要ですが、それだけだと固くなってしまいます。社員もそれぞれ夢を持っているはずです。会社の夢と個人の夢が重なるように語ることが、つらい時を乗り越えたり、前向きに進んだりする活力になります。

◇成功者に学ぶ
成功するためには、成功例から学ぶ方が良いです。会社が失敗する要素は、経営戦略を見誤る、社長の公私混同、借金のし過ぎなど様々あります。一方で成功している会社は、お客様と従業員を大切にして、社会貢献しようとしているという点が共通しています。

松下幸之助さんや、稲盛和夫さんなど、目標とする経営者を見つけて、その人が書いた本を徹底して読み込むなど、先人に学ぶ姿勢が重要です。

◇素直である
「成功者に学ぶ」という項目にもかかわってきますが、リーダーは素直であることが大切です。素直さを身に着けるためには、3つのステップがあります。

① 人の話を聞くこと
相手が言っていることを受け入れる姿勢を持つことです。聞いたことを実行するか、納得するかは別として、まずは受け入れて、そのあとで良い悪い、やるやらないを判断します。

② 良いと思ったことは積極的に取り入れること
何でもかんでもやる必要はありません。ダメだと思ったらやる必要はありませんし、リスクが大きいことはじっくり検討してから取り組んだ方が良いです。しかし、すぐに実行できて、かつリスクのないようなことについては、積極的に取り入れていかなくてはなりません。

③ やり続けること
一度「やる」と決めたことはやり続けることが大切です。結果がでるまで、時間がかかるものもありますが、根気強く続けることで得られるものがあります。
松下幸之助さんは毎朝神棚に「今日も素直でいられますように」と祈って、寝る前に「今日は素直でいられたか」を反省するという習慣を亡くなるまで、何十年も続けたそうです。

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「従業員が思うように動いてくれない」「成長しない」とお悩みの経営者の方は少なくないと思います。まずは自分自身がリーダーとして成長することが、その悩みを解決する第一歩かもしれません。

<参考文献>
・小宮一慶(2017)『経営者の教科書』ダイヤモンド社

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