自計化とは?メリット・デメリット・導入する際の見極めポイントを解説

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自計化とは?

自計化とは一般的に、領収書や請求書といった伝票の記帳業務や仕訳入力などの経理処理を税理士に依頼せずに自社で行う運用方針を指します。

近年の傾向として、税理士事務所では記帳代行を行わずに顧客に対して自計化を勧めるところが増加しています。最近では会計ソフトも充実し、価格も安く使いやすく改善されてきたことも自計化の増加要因の1つです。

その為、これまで全て税理士に丸投げしていたような会社でも経理知識を一通り学習すれば、自社である程度経理業務が対応できるようになりました。

自計化のメリット

自計化を行うことによるメリットとして以下の3つが考えられます。

・経営状況を素早く把握できる
・資金繰りに対する理解度が上がる
・外部へのコスト削減につながる

それぞれ解説していきます。

経営状況を素早く把握できる

自計化を行う1つ目のメリットは、経営状況を素早く把握できるようになる点です。

税理士へ経理処理まで依頼していた場合、正しいデータに纏まった資料(試算表など)が届くのに基本的には2〜3ヶ月かかります。そうなると今期の決算内容から来年の予算を立てようとしても時期が遅くなってしまう為、概算数字でしか予算を立てることが出来ませんでした。

一方で、自計化を推し進めた場合は、自社で決算数字などを取りまとめることとなる為、経営状況を素早く把握することが出来ます。経営状況を素早く把握するようになれば、来年の予算計画を素早く精度が高い状態で作成できるようになります。

資金繰りに敏感になる

自計化を行う2つ目のメリットは、資金繰りに敏感になる点です。

上記内容の通り、今まで税理士に依頼していた経理業務を自社で行うようになれば、日々の入出金データや資金調達のタイミング、先々の業績、経営状況を見立てやすくなり、資金繰りの判断や対策が見えやすくなります。

外部へのコスト削減につながる

自計化を行う3つ目のメリットは、外部へのコスト削減につながる点です。

税理士に依頼していた経理業務を自社で行うようになれば、その分顧問料など外部費用を削減することが出来ます。もちろん専門性が高い部分は、これまで通り税理士に依頼するべきですが、日々の単純な会計処理などは自社で行うように棲み分けをするのが良いでしょう。

自計化のデメリット

自計化を行うことによるデメリットとして以下の4つが考えられます。

・専門知識を持つ人材が必要となる
・経理担当者の負担が増える
・初期コストがかかる
・クオリティが下がる可能性がある

それぞれ解説していきます。

専門知識を持つ人材が必要となる

自計化を行う1つ目のデメリットは、専門知識を持つ人材が必要になることです。

本格的に自社で経理処理をやっていこうとした場合、ある程度の会計知識を習得しなければなりません。これまで会計処理や決算関係の業務に携わっていなかった人だけで自計化を行おうとすると、経理処理の負担が一気に増えてしまい、本業に集中できなくなってしまうという可能性が考えられます。その為、今後自計化を推し進めるにあたってある程度専門知識を持った人材が必要となります。

経理担当者の負担が増える

自計化を行う2つ目のデメリットは、経理担当者の負担が増えることです。

これまで外部委託していた業務が自社で行うとなった場合、単純に経理担当者の業務量が増えます。また自計化を行うにあたり会計ソフトなどを利用することになりますが、新しいソフトの操作方法を覚えるにも時間がかかる為、想像以上に経理の負担が増えることがあります。その為、経営者は自計化を行うにあたって経理担当者の業務負担を考慮した上で、推し進めるようにしましょう。

初期コストがかかる

自計化を行う3つ目のデメリットは、初期コストがかかることです。

これまで外部委託していた業務が自社で行うようになれば外部へのコストは削減することが出来ます。しかし、自計化を行うにあたって新しい会計ソフトを導入による物件費の増加、業務量増加による人件費の増加によって初期コストがかかることとなります。人件費に関しては、作業フローに慣れていくことで段々と負担は減っていくと思いますが、会計ソフトや人件費で初期コストがかかることは認識しておきましょう。

サービスのクオリティが下がる可能性がある

自計化を行う4つ目のデメリットは、サービスのクオリティが下がる可能性があることです。

これまで経理処理を全て税理士に丸投げしていた場合は、顧問料を多く支払っていることもあって細かいところまでサポート体制が充実だったかもしれません。しかし、自計化を行い自社で経理処理や仕訳処理を行うようにした場合、税理士とのやり取りは細かい専門的な部分のみとなると税理士側としてもメインの顧客とはならない為、サービスのクオリティが下がってしまう可能性があります。

ただし繰り返しになりますが、経理知識を一通り学習すれば、自社である程度経理業務が対応できるようになるので日々の業務に関してあまり心配することはないでしょう。

自計化を行う際の見極めポイント

ここまで自計化を行う上でのメリット・デメリットを解説しました。では実際に自計化を行うべきかどうかを見極めるポイントを紹介します。ポイントは以下の3つです。

・時間とお金と人手に余裕があるのか
・費用対効果があるのか
・明確な目標があるのか

それぞれ解説します。

時間とお金と人手に余裕があるのか

見極めポイント1つ目は、時間とお金と人手に余裕があるのかということです。

最近の傾向としては、確かに自計化を推し進める税理士も増えており、多くの会社で推進しています。ただし自計化を進める前に社内の現状を把握するべきです。現在の会社の状況として時間・お金・人手に余裕がなければ、無理に自計化を進めるのは止めておきましょう。

費用対効果があるのか

見極めポイント2つ目は、費用対効果あるのかということです。

例えば自計化を行うことで、顧問料を支払うよりも社内処理による人件費や物件費で負担する方がトータルとしてメリットがあったり、経理状況を素早く把握できることによって今まで資金繰りや予算計画などに算出するのにかけていた時間を減らすことができたりといった費用対効果がしっかり見えているのであれば、自計化を推し進めるようにしましょう。

明確な目標があるのか

見極めポイント3つ目は、明確な目標があるのかということです。

一般的に自計化を行う大きな目的は、会計処理したデータを経営に活かすことです。例えば、会計データを活かして今伸びている事業へ先行投資をしてさらに売上〇〇億円を目指すであったり、経費負担が大きい部分を洗い出してなるべく負担を減らして純利益〇〇億円を目指すといったような明確な目標を立てることができれば導入するのに非常にメリットがあります。その為、事業がある程度成果が出た上で事業をさらに伸ばす際に会計データが必要となった時に、自計化を導入するか検討するのが良いでしょう。

まとめ

今回は自計化を行う上でのメリット・デメリット・導入する際の見極めポイントについて詳しく解説しました。

自計化を行い、会計データを活かして経営判断を行うことは非常にメリットがあります。しかし経理処理の負担が増えることも考慮した上で自計化を推し進めるか判断することが大切です。今回紹介したメリット・デメリットを理解した上で、ベストなタイミングで自計化を行うようにしましょう。

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