「自社の商品に対する消費者の生の声を集めたいが、どうやって収集すればいいのだろうか…」と悩んでいませんか?
その答えが、イベントを利用したマーケティング手法です。この記事では、イベントマーケティングの手法やメリット・デメリットについて解説していきます。イベントはいくつかの種類がありますが、本記事ではオフライン形式のイベントに絞って紹介します。
昨今オンライン上でのイベント開催が主流になりつつありますが、対面方式で行うメリットはたくさんあります。直接サービスや商品の魅力を伝えられるだけではない、イベントを実施する利点について紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
イベントマーケティングのメリット
商品やサービスの魅力を直接伝えられる
ひとつ目のメリットは、やはり相手と直接コミュニケーションが取れる点です。実際に商品を手に取ってもらいながらリアルな体験を提供することができるのは、オフライン形式の大きな強みといえます。
ソフトウェアやオンラインサービスについても、たとえば課題提起から解決までの流れを直接紹介することで、顧客の購買意欲の促進につながります。実際にサービスを使用したときのイメージを掴んでもらえるのが、オフラインイベントのメリットです。
自社に対する関心度の高い人々が集まる
対面形式で実施するイベントは、オンライン上での開催と比べ参加のハードルが高くなります。ある程度明確な目的がなければ、わざわざ足を運んで参加しません。そのためイベントに集まった人々は、潜在的に会社への関心度が高いといえます。
参加者が求めている情報をその場で提示できれば、そのまま商談に結びつけられる可能性もあります。
さまざまな層のデータを収集できる
イベントマーケティングのメリット3つ目は、さまざまなデータを集められる点です。相手先に伺う訪問型の営業では、1日に接触できる人数は限られています。その点イベントは一度にたくさんの見込み客へアプローチでき、多様な顧客データを集めることができます。年代や性別などの情報を収集できれば、マーケティング戦略を練る際に役立つと考えられます。
PR効果が高い
面白いイベントを開催できれば、SNSやメディアに取り上げられる可能性があります。ここでは過去に開催された個性的なイベントを2つ紹介します。
西武鉄道が開催した、電車内を会場としてDJやダンサーを招待した音楽イベント。エンターテイメントスペースを手掛ける「ageHa」とコラボしたことで、希少性の高いイベントとして成功し、鉄道ファンとクラブ常連客の双方へアプローチすることに成功。
佐賀県で開催された、地元名産品の「イカ」と大人気ゲーム「スプラトゥーン」がコラボした体験型イベント。 イカを含め佐賀県の魅力を伝える目的のもと、のべ1万人以上を動員し地域活性化にも貢献。
このように個性的なイベントを開催することで、結果的に商品やサービスの効果的なPRにつなげられます。
イベントマーケティングのデメリット
イベントマーケティングにはメリットが多い一方、デメリットも存在します。
開催に時間と費用がかかる
イベントの規模や種類にもよりますが、開催に時間とコストがかかることは避けられません。
イベント会場の手配
スタッフの確保
イベントスペースのデザイン
以上の準備が必要になります。
事前の告知が必要
イベントを開催する前に、必ず告知をしなければいけません。イベントは集客率が命です。SNSやメディアなどを活用し、入念な告知活動が求められます。
投資収益率が集客に左右される
投資収益率とは、費用対効果とも呼ばれる、投資額に対してどれほど利益を生み出しているのかを計る尺度です。イベントマーケティングでは、この数値がイベント参加者の人数によって左右されます。つまり、来場者数が想定より少なかった場合、赤字になる可能性があるということです。イベントを開催する際は、先ほど紹介した事前の告知を徹底的に行う必要があります。
アフターフォローが求められる
イベントは開催して終わり、ではありません。参加者に対するアフターフォローも重要です。顧客は商品に興味を持ってくれたとしても、その場で購入とまでは至らないケースが少なくありません。イベント中に伝えきれなかった説明の補足や、詳細な情報を記載した資料を送付するなど、購入を検討してもらうための行動が必要になります。
イベントマーケティングの手法
ここまで、イベントマーケティングのメリットとデメリットについて解説してきました。次に、その手法に関してお話ししていきたいと思います。代表的な5つの形式に絞って紹介します。
セミナー
ひとつ目がセミナー形式のイベントです。一般的にセミナーは主催者と参加者の情報・意見交換を目的とした「情報提供型セミナー」、商品やサービスのP Rを目的として行われる「顧客獲得型セミナー」の2つに分けられます。具体的なニーズや悩みを抱えた参加者が集める傾向があります。
展示会
展示会とは、商品やサービスの認知度を向上させるために行われます。自社のみで実施する場合と、展示を運営する会社のもと数社が集まって行われる場合があります。認知度を上げるためだけでなく、既存顧客を招待して自社への満足度を高める目的で開催されるケースもあります。
体験型イベント
参加者に商品やサービスを体験してもらう体験型イベントは、その魅力を強く印象付けられる有効な手段です。内覧会や試飲会、試乗会などが該当します。
実際にサービスを体験することができる体験型イベントは、満足度やリピート率が高い傾向にあります。
ミートアップ
ミートアップとは、特定のテーマについて参加者が話し合うというもので、セミナーよりカジュアルな交流会という位置付けです。講義形式のものから雑談形式のものまで存在します。目的は商品の評価や採用活動の一環であり、前述した体験型イベントのように購買意欲を高めるためのものではありません。
ユーザー交流会
ユーザー交流会とは、既存顧客とのコミュニケーションを目的としたイベントです。すでに自社の商品やサービスを利用している顧客を集め率直な評価をいただく他、ユーザー同士の交流を図る狙いもあります。ユーザー同士のコミュニティ形成を促進することで、解約防止や利用頻度の減少を防ぐ効果が期待できます。
まとめ
以上、イベントマーケティングの手法とそのメリット・デメリットについて解説しました。
最後に、イベントマーケティングが効果的な企業の特徴についてお話しします。具体的なポイントとしては、
オンライン上では商品の魅力が伝わりきれていないように感じる
見込み客に絞ったアプローチができる場がほしい
面白い・個性的なイベントを開催できる自信がある
以上のポイントに当てはまる企業は、イベントマーケティングを行うことで売上や認知度のアップにつながる可能性が高いです。
昨今オンライン上でのやり取りが普及していますが、対面でのマーケティング活動もまだまだ必要です。PR効果が高いイベントとして紹介した事例のように、工夫次第で大きな集客が見込める可能性を秘めています。
マーケティング担当者は、自社にとってイベントマーケティングが効果的か判断したうえで、目標設定とそれに適したイベント手法を選択しましょう。事前の準備やアフターフォローまで入念に行うことで、イベント成功の確率は大きく高まります。
商品の魅力を最大限伝えられるイベントマーケティング、ぜひ一度検討してみてはいかがでしょうか。