請求業務をアウトソーシングすることによるメリットとデメリット

経理お役立ち情報

ご自身の会社での経理業務、どうされていますか?毎日の営業や雑務に追われ、なかなか経理業務まで手が回らない企業も多いです。その中でも特に請求業務はタイムリーな入金のために必要なプロセスです。

今回はこの大切な請求業務をアウトソーシングすることを検討している皆様に3つのメリットと3つのデメリットを紹介します。また、社内に経理部隊を抱え内製化している企業の方もアウトソーシングを検討するための一つのきっかけになればと思います。ぜひ最後までお読みください。

請求業務とは何か、その重要性と手間について

企業は「営業をして契約を決めておしまい」ではありません。お金の回収までして初めて一つの仕事が完結します。回収できないと給与の支払いも新規事業への投資もできず、企業を維持・成長させていくことはできません。

それだけ請求業務は大切な仕事ですが、基本的な業務フローは下記の通りです。

1.請求内容を確定する(営業部門)
2.請求内容を経理部門に伝達する
3.経理部門で請求書を作成する
4.管理職が請求内容を確認し、承認する
5.請求書をお客様に送付する
6.請求書に関する記帳(経理処理)を行う
7.請求書の控えを保管する

それぞれの業務を取引先ごとに行うので煩雑になり、請求金額や請求先を間違えるなどヒューマンエラーのリスクがあります。お金に関わる業務なので、客先に対し信頼を失ってしまうきっかけにもなるでしょう。

また、会社のお金を常に扱っている業務なので、時には横領が起きてしまうこともあります。

請求業務は企業にとって重要でありながら、手間のかかる面倒な業務とも言えます。

インボイス制度導入によって、請求業務の手間はさらに増える

2023年10月にインボイス制度が導入されることによって、下記内容の記載が義務付けられ、「適格請求書」として請求書を発行する必要が出てきます。

・発行者の名称および登録番号(税務署にて登録が必要です)
・取引年月日
・取引した資産またはサービスの内容
・異なる消費税率毎に区分して合計した金額
・請求先の事業者の名称

この「適格請求書」は発行者側にも保存義務があります。インボイス制度が導入されることによってただでさえ煩雑な請求業務がより手間のかかるものになるでしょう。

この手間を解消する対策としてアウトソーシングが有効

インボイス制度によってさらに煩雑になる請求業務ですが、それに対する有効な対策がアウトソーシングです。社外に外注することでこの手間を解消できます。

冒頭のメリット・デメリットについて、ひとつずつ解説します。

請求業務をアウトソーシングするメリット

メインタスクに集中することができる

どのような企業も大きな志をもって起業されています。

しかしある程度企業経営を進めていくと必ず経理業務が必要になります。このような作業を社長や営業担当が行うのは非効率的です。大きな志をもって起業したのに請求業務に手を取られてメインの仕事がおろそかになってしまっては本末転倒です。

請求業務をアウトソーシングすることでメインの仕事に集中できる、というのは大きなメリットになります。

人員を削減することができる

請求業務をアウトソーシングすることで自社独自で請求業務の担当者を持つ必要がなくなり、人員を削減することができます。

採用には多額の費用が掛かります。新卒採用にしても中途採用にしても、エージェントに対し費用を払い、企業の広告もしていかなくてはなりません。また、採用後も経理業務の教育のために時間をかける必要があります。

このような手間暇をかけて育ててようやく請求業務を行える人材を手に入れることができます。しかしアウトソーシングしてしまえば、一定の費用を払うのみで時間や手間をかけることなく請求作業ができます。また、人員削減することで給与やその他社員を維持するための固定費を削減することができます。

人材の入れ替えによる引き継ぎ業務が発生しない

これは上記の人員削減とも多少重複する部分はありますが、重要なポイントです。請求業務を内製化すると、その人材がいなくなった時に補填する必要があります。家庭の都合やライフステージの変化などの退職はよくあります。また人が集まればそれだけ人間関係の問題も多くなり、配置転換が必要なケースも出てきます。

業務引継ぎ時は旧担当と新担当の2名が同業務に携わる必要があります。よって会社全体としての生産性は低下してしまいます。どんなにマニュアル化を徹底していても、人と人との引継ぎが必要です。

このような問題も請求業務をアウトソーシングすることで業務そのものがなくなりますので、引継ぎの必要性もなくなります。

その他にもアウトソーシング先は豊富な経験に基づくノウハウを持っており、自社で独自に行うよりもヒューマンエラーの可能性は低く抑えられ、かつ低コストで実施できます。また、第三者を入れることで、組織外部のチェックが加わり横領などのリスクを減らすことができます。

請求業務をアウトソーシングするデメリット

請求業務のアウトソーシングには色々なメリットがありましたが、反対にデメリットもあります。ひとつひとつ解説します。

社内にノウハウが溜まらない

請求業務をアウトソーシングすると、当然ですが請求業務に関するノウハウが社内には溜まりません。お客様からの売り上げを回収する肝となる作業ですが、これを経験する機会が社員に与えられないためノウハウを培うことができなくなります。

イレギュラーな仕事への対応がしてもらえないことがある

アウトソーシングは企業と企業の契約関係の上に成り立ちます。したがって契約で取り決めた内容以外のイレギュラーな業務が発生した場合、アウトソーシング先の企業に対応してもらえない可能性があります。たとえ、対応してもらえたとしても追加の料金がかかることもあるでしょう。

情報漏洩のリスクがある

請求作業を外注化するということは、客先の情報や売上金額など、経営上とても重要な情報をアウトソーシング先に開示する必要あります。これには情報漏洩のリスクが必ず伴います。

請求業務をアウトソーシングする際の注意点

デメリットに対する対策・注意点は下記です。

業務範囲を限定して、アウトソーシングをする

すべての請求業務をアウトソーシングするのでなく、コア業務を社内に残し、単純な作業部分のみアウトソーシングする、など業務範囲を決めてアウトソーシングすることも有効な対策となります。

アウトソーシングの目的・期間を決める

コスト(人員)削減のためなのか、経営・営業への人員集中のためなのか、一時的な対応なのか、恒常的な対応なのか、などアウトソーシングする目的や期間などを、社内の関係者間できちんと擦り合わせておくことが重要です。

アウトソーシング先の企業を確認する

アウトソーシングすることによる最も危険なリスクは情報漏洩です。アウトソーシング先の企業が問題ない会社かよく確認をしましょう。

アウトソース先の選び方

アウトソーシング先の企業確認ポイントとしては、

・アウトソーシングすることによりコストメリットはあるか?
・納期は自社のニーズに見合っているか?
・アウトソーシング先の請求書作成プロセスが、自社のプロセスに合致するか?
・セキュリティ対策は万全か?
・セキュリティ強化のための社員教育をどのように行っているのか?
・第三者の監査が定期的に入っているか?
・コーポレートガバナンスは徹底されているか?

といった点でしょう。更に、情報漏洩に対する賠償責任なども契約時に契約事項に盛り込むことも検討しておくと万が一の時に役に立ちます。

まとめ

この記事では、請求業務をアウトソーシングすることによるメリットとデメリットを解説してきました。

請求業務は経理業務の中でも重要な業務ですが、手間がかかります。アウトソーシングには様々なメリットがあり、企業経営を進めていくうえで大きな助けになることでしょう。一方で情報漏洩など見過ごすことができないリスクもあります。

信頼のおける企業を見極め、ご自身の企業が大きく羽ばたいていくのに最適なパートナーを選ばれることをお勧めします。

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