安否確認サービスとは

労務お役立ち情報

安否確認サービスは、災害発生時に会社が社員の安否を確認するためのシステムで、災害発生時の安否確認メール配信機能や回答状況の確認機能等が搭載されています。

本記事では、安否確認サービスの機能や導入メリット等について詳しく解説していきます。これから導入を検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください。

安否確認サービスとは

安否確認サービスとは、自然災害や人為災害の発生時に、会社が従業員の安否を確認するためのサービスを言います。安否確認サービスの利用によって、従業員の安否を速やかに確認できるため、災害後の事業復帰計画が立てやすくなります。地震や大雨、台風などの自然災害が多い日本では、安否確認サービスの必要性が高まっているといえるでしょう。

安否確認サービスの機能

安否確認サービスの機能には代表的なものが6つあります。ここでは、それぞれの機能について紹介していきます。各機能を正しく理解し、導入時の検討にお役立てください。

メールの一斉送信

災害発生時にメールを一斉送信して従業員の安否を確認します。登録されているメールアドレス宛に一斉にメールを送信するため、被災者だけを選定することはできません。しかし、登録されている従業員については、確実にメールが送信されるため、被災者の迅速な安否確認に役立てることができるでしょう。対象となる従業員のメールアドレスを確実に登録しておくことが重要です。

地震時の自動連動送信

災害発生時には、担当者が安否確認サービスを操作できない場合もあります。そのような場合に備え、安否確認サービスでは災害情報をもとに、自動で従業員へ連絡をする機能を有しています。災害の種類や地域によって対象者を選定しておくことも可能であり、災害時に迅速に安否を確認することができます。

従業員の一括登録

登録対象となる従業員が個別に操作して、メールアドレスを設定することも可能ですが、操作が難しかったり作業が煩雑だったりすることもあります。そのような場合、入社時等に従業員から連絡先の提出を受け、人事部などで一括登録できる機能があります。従業員数が多い会社では、メールアドレスの登録を徹底させることは難しいので、運用上は非常に便利な機能でしょう。

未登録者の確認

安否確認の運用に際しては、全従業員のメールアドレスが漏れなく登録されていることが大前提です。一人でも未登録の従業員がいる場合、災害時の安否確認システムとしての効果を完全に果たすことができません。そのため、安否確認サービスでは、従業員名簿等を照合することにより、未登録の従業員をリアルタイムで確認できる機能が備わっています。

リアルタイムデータ集計

安否確認サービスでは、従業員からの回答をリアルタイムで集計する機能があります。これにより、従業員の安否を速やかに確認するとともに、回答がない従業員を素早く把握することができます。

安否情報の登録ページの生成

災害時にはメール送受信が正常に機能しないことも考えられます。安否確認サービスでは、その様な事態を想定し、個別に従業員から安否報告ができる専用ページを作成することもできます。これにより、メールの受信ができない場合や、登録されている端末が故障している場合などにも対応することができます。

安否確認サービスの導入メリット

安否確認サービスの導入には、大きく3つのメリットがあります。メリットの内容を確認し、自社の状況と照らし合わせて、総合的に導入を判断しましょう。

自動送信メールでの安否確認が可能になる

気象庁から発信される災害情報により自動送信メールによる安否確認ができるため、災害発生時には速やかに従業員の安否を確認できます。災害時には、担当者も安否確認サービスを操作できない可能性があるため、自動送信機能は大きなメリットです。

連絡が取れるまで自動でリトライコールされる

災害時にはインターネット環境の不通などにより、メールの送受信が正常に行えない場合があります。安否確認サービスでは、従業員の安否が確認できるまで、一定間隔ごとに自動リトライコールが可能です。これにより、インターネット環境の復帰後に迅速に安否確認ができます。

複数の通信デバイスでの安否確認が可能に

災害時に連絡する通信デバイスが一つしかない場合、そのデバイスが故障した際に連絡が取れなくなる可能性があります。また、災害時には通信環境の不具合によって、携帯電話で安否確認メールを受信することができない可能性もあります。災害時の通信環境は携帯電話のキャリアによっても異なるため、複数の通信デバイスを登録することで、安否確認メールが届く確率を高めることができます。

安否確認サービスを選ぶポイント

安否確認サービスを選ぶ際には、以下のポイントに着目しましょう。安否確認サービスの導入では、複数の製品を比較して自社の状況にあったものを選びましょう。

利用可能端末の確認

安否確認サービスは、製品ごとに利用可能端末が異なります。利用可能端末には、スマホ・携帯電話・PCなどがありますが、導入しようとする製品がこれらに対応しているか否かを必ず確認しましょう。

組織体制の整備

安否確認サービスは便利な機能ですが、運用は人間の手によって行われます。導入に際しては、管理責任者と組織体制を整備する必要があります。

提供形態の確認

安否確認サービスには、自社のサーバーにソフトウェアをインストールするタイプと、クラウドサービスを利用するタイプがあります。自社の予算やセキュリティポリシーを確認して、最適な製品を選択しましょう。

管理者数の制限の確認

安否確認サービスを運用するのは管理者になりますが、管理者の登録数には制限がある場合もあります。従業員数が多い場合には、管理者を複数任命する必要もあるため、事前に必ず確認しましょう。

安否確認サービス導入時の注意点

安否確認サービスの導入時には、注意すべき点が3つあります。実際に導入する際には、これらの注意点を必ず確認するようにしましょう。

個人情報登録の理解と管理方法の確認

安否確認サービスの導入に際しては、従業員のメールアドレス等の個人情報を収集して登録する必要があります。個人情報の提出を求める際には、必ず社員の理解を得たうえで収集・登録を行いましょう。また、収集した個人情報の取扱い範囲や保管方法についても、あらかじめ説明しておく必要があります。

社内研修と訓練の実施

安否確認サービスは導入するだけでなく、社内研修などを開催して、災害時の安否確認のルールや安否確認システムの操作方法を教育することが重要です。また、安否確認訓練を実施して、実際に安否確認メールを配信して回答までの一連の流れを確認することも有効でしょう。

予備の通信手段も検討

災害時に有用な安否確認サービスですが、実際に災害が起きた際に必ず使えるという保証はありません。そのため、万が一システム利用できなかった場合に備え、予備の通信手段を検討するようにしましょう。予備の通信手段には、緊急時に提供される災害用伝言サービスや災害伝言ダイヤルの活用等が考えられます。

まとめ

本記事では、安否確認サービスの機能や導入メリット等について解説してきました。

災害は発生時期を予測することが困難であり、日本では地震や大雨、台風などの自然災害が多いため特に導入の必要性が高いといえるでしょう。有事に備えるため、安否確認サービスの機能やメリットを確認し、導入を検討しましょう。また、実際に導入する製品を選定する際には、複数の製品を比較して自社に合ったものを導入することが大切です。