パソコンを購入する際にはOS、スペック、バージョン、エディション等選ばなければならない項目が多数あります。その中でもOSやスペックは気にするけどエディションは気にしたことがないという方もいるかと思います。
今回はそのような見落としがちなエディションについて解説していきます。
Windowsのバージョンとエディション
エディションを解説する前にWindowsのバージョンによって、エディションも異なってくるため、簡単にバージョンを紹介していきます。
バージョン
Windows XP
Windows Vista
Windows 7
Windows 8
Windows 8.1
Windows 10
Windows 11
現在使用されているバージョンがなにか確認してみてください。
2021年現在Windows11が実装されてはいますが、実装されて間もなくWindows10のシェアが9割を超えるため、今回はWindows10のエディションを解説していきます。
エディション
エディションとは、Windowsのバージョン毎に用意されている機能セットのことを指し、その機能も対象を分けることで、【Home】【Pro】【Enterprise】【Education】の4種に分類されています。
さらに細かい分類をすると以下の10種となります。
Windows10 Home
Windows10 Pro
Windows10 Pro S
Windows10 Enterprise
Windows10 Enterprise LTSB
Windows10 Pro Education
Windows10 Education
Windows10 Mobile
Windows10 Mobile Enterprise
Windows10 IoT Core
※最新版のWindows11
Windows11 Home
Windows11 Home N
Windows11 Home (単一言語)
Windows11 Education
Windows11 Education N
Windows11 Pro
Windows11 Pro N
Windows11 Pro Education
Windows11 Pro Education N
Windows11 Pro for Workstations
Windows 11 Pro N for Workstations
聞き馴染みのないものもあると思いますが、Homeが個人向け、Proが個人又は企業向け、Enterpriseは大企業向け、Education教育機関向けとなり、それぞれの対象が使いやすいように設定されています。
主な違いと用途
今回は事業用PCとして最も多く使用されるHomeとProの2つを紹介していきます。
Home
元々個人向けとして開発されていることから、必要な機能に絞られています。そのため、メイン事業としてパソコンの使用頻度が低い場合にはhomeで十分といわれています。
Pro
企業向けソフトとしても開発がされており、PCを複数台管理する機能や追加のセキュリティ機能を搭載しています。Proのみに備わっている機能は以下の通りになります。
・Bitlockerドライブの暗号化
・Windows情報保護
・VHDブート
・リモートデスクトップのホスト権限
・Hyper-V
・Windowsドメイン参加
・グループポリシー管理
・Windowsアップデートの自動更新変更・無効化
・ビジネス向けMicrosoft Store
・Azure Active Directory
・割り当てられたアクセス
・動的プロビジョニング
ここでは今挙げた中でも特に事業に適した機能を解説していきます。
リモートデスクトップ
他の端末からデスクトップにアクセスできる権限を持つことです。イメージしやすいのはシステム部にパソコンを遠隔で操作してもらう等です。
具体的な活用方法の一例としては、もしパソコンを紛失してしまった場合に、すぐにリモートデスクトップにログインし、セキュリティロックをかけることで被害を小さくすることができます。
それに加えて、現代ではリモートワークやワーケーションの流れがあるため、外出先でも職場のパソコンと同じリモートデスクトップを使用してデータ共有をするなど、より有用性が高まってきていると言えます。
Hyper-V
特徴として1つのPCで仮想デスクトップが構築できることにあります。仮想デスクトップを導入する用途として、個人情報の保護や業務効率化があります。個人情報の流出に敏感になっている現代では、社内からのデータ流出リスクを少しでも軽減しなければなりません。その中で、仮想デスクトップがあれば、1つは外部との連絡手段、2つ目は個人情報を集積する環境に設定しておくことで、内部からのミスによる個人情報流出を防止することができます。
また、使用者によっては事業ごとに仮想デスクトップを構築しておくことで、事業間でのデータの混同を防ぐことができ、個人情報の流出だけではなく、作業の効率化も望めます。
グループポリシー管理
規模感が大きくなってきた企業に有用な機能で、ユーザーやパソコンの設定を一元的に管理する機能が備わっています。そのため、社員に対して元々の設定ではインストールできないソフトのセキュリティを緩めることで、全員がインストールできるようになり、社内共有を円滑に進めることが出来ます。一方、重役のみアクセスできるサイトの権限を付与、管理することで社内の指揮系統を適切に管理できるようになります。
価格
上記のような違いがある中で、公式ページから購入する場合Windows10 homeのライセンス価格は19,360円、Proが28,380円(2021年12月現在)となっており、差額が9,020円となっています。差額だけ見てみるとProを複数台購入する場合には負担に感じるかもしれませんが、量販店やネットで購入する場合、この差は小さくなり個々の機能を1つでも使うのであれば、十分導入する価値はあると言えるでしょう。
その理由は、通常上記の機能をWindows homeに追加する場合、年間コストが発生するからです。例に挙げたリモートデスクトップを構築する機能では、安価でも管理コストが年間15,000円となり、他社製の仮想デスクトップの導入を検討した場合には、1台当たり年間100,000円が相場になっております。
このように考えてみると、Windows10 Proは1つだけでも使う機能があれば破格の値段だと言えるでしょう。
しかし、個人でこのような機能が必要かと言われれば、想定されるケースは多くはないかと思われます。
そのため、Windows Prはあくまでも企業向け、それもパソコンの管理を社内の人間が行うケースとなると思われます。規模感にもよりますが、1~5名程度の少人数経営の場合には不要であるケースが多いので、無理に導入する必要はありません。しかし、今後事業の拡大や、円滑化をするためにパソコンの管理や権限を使用するのであれば、導入コストが多少あったとしてもPro版を導入しておいた方が無難でしょう。
まとめ
今回はWindowsのエディションについて解説しました。
エディションについては、気にしなくともパソコンとしては機能しますので、気にしたことがないという方も多いかと思いますが、折角ローコストで利便性が高い機能を使用できるので試しに触ってみるのはいかがでしょうか。
別途他のサービスを使われている方は、ご自身のパソコンのエディションの確認をしてみることをお勧めします。求めている機能がWindows10 Proに備わっている場合はコストカットが見込めるかもしれません。特に、現代におけるパソコンの有用性は非常に高いので、少しずつでも機能を使いこなすことにより効率的に事業を展開できるかと思います。逆に小規模での事業経営を考えている方にとっては、大きなメリットになり得ず、無駄にコストがかかってしまうという可能性も考えられます。導入される際にはご自身の企業規模にあったエディションを選択することで、スムーズなパソコン導入をしていくのが肝要です。
起業においては事業以外にも気を配らなければならない事項が多いため、このような起業や事業のことについてもぜひキャシュモにご相談ください。