【コア業務とノンコア業務】利益に直結する業務に集中する方法とは?

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最近「コア業務」・「ノンコア業務」という言葉が盛んに使われるようになってきました。社内の業務効率化を図りたい場合、コア業務とノンコア業務という“業務の区分”をどのように考えたらよいのでしょう。

この記事では、コア業務とノンコア業務の違いや区別の仕方、業務効率を上げるには区別した業務をどのようにしたらよいのかについて解説します。

コア業務とノンコア業務の違い

まずは、コア業務とノンコア業務の違いを見てみましょう。この2つの業務の違いを理解すれば、社内の業務に対する力の入れ方をどのように配分したらいいのか見えてきます。

コア業務とはなにか

コア業務の“コア”とは、「中核」を意味します。すなわち企業の根幹を成す業務です。
企業にとって本来の業務であり、経営者はこれに集中すべきです。それは次のような特徴を持っています。

利益を生むための直接的な業務

「利益を生み出すにはどのようにすればよいのか」ということを常に考え、実行していく業務のことです。

利益を生み出す方法は、“売り上げを最大に、経費を最小に”することですが、経済の現況と社内の現況を見て判断し、施策を企画し、社内に指示を出さなくてはなりません。直接経営に携わる経営企画・営業企画などの業務がそれにあたるでしょう。

非定型業務

利益を生むための直接的業務というのは、決まった形が定まっていません。定期的なものはなく、常に時代の流れに対応することが求められます。コア業務には“非定型である”という特徴があります。

高度な判断が必要

前段で解説した通り、コア業務は利益に直結した“経営判断”をするために実行する業務なので、高いレベルの情報収集力と分析能力、一定の経験値というものが必要になります。単純に決まったことをするということではありません。

難易度が高い

高度な判断が必要であるということは、難易度が高いということです。訓練次第で誰でもできるという類の業務ではありません。したがって、コア業務に割り当てられる人も限られてくるというわけです。

ノンコア業務とはなにか

ノンコア業務とは、直接利益を生まない業務のことです。円滑に社内の業務がまわるようにするためには必要不可欠な存在なのですが、次のような特徴があります。

コア業務を支援するための業務

ノンコア業務は直接利益を生み出す部門ではありませんが、人、モノ、金、情報という経営資源を調達、配分、調整する重要な業務を担います。総務、人事、経理、購買、在庫管理、情報システム部門などがそうで、これらなくしてはコア業務も機能しないでしょう。

定型化できる業務

ノンコア業務の多くは、定期的に決まった業務を行う必要があります。定型化した業務が途切れることなく継続的に行われることが、社内を円滑に回すのに重要です。

高度の判断が不要

決まった業務を定期的に行うのには規定通り、マニュアル通りに実行していくことが重要です。決まったことをきちんと実行するのに高度な判断力は必要とされません。

難易度が低い

ノンコア業務は、よほど能力に難がない限りは訓練すればだれでもできるようになる業務がほとんどです。情報収集能力や分析能力、経験値はあった方がいいのでしょうが、必要としないでしょう。人も比較的割り当てやすく、難易度は低いと言えます。

利益を上げるにはコア業務に集中するべき

企業が利益を上げたいならコア業務に集中すべきなのは言うまでもありません。

そうは言っても、ノンコア業務が滞ってしまうとコア業務にも支障をきたしますので、どうしても一定量をノンコア業務のために割く必要が出てきます。

こうした悩みは、人の問題にも現れてきます。ノンコア業務に従事する人が、大変に能力のある人で、この人をコア業務に従事させたい場合、異動させるのにも気を遣うことでしょう。特に人的資源に恵まれていない場合、困ってしまいます。

こうした、“コア業務に集中できない”という現象は、「しょうがない」のではなく、「必ず解決させる」という決心で臨めば道は開けます。

コア業務に集中させるためのポイント

社内の業務をコア業務に集中させるためにはまず、自社のコア業務にどんなものがあるのか、ノンコア業務にはどんなものがあるのかを知り、それらを整理するところから始まります。

“業務の棚卸”をする

現在の社内の業務を全部書き出してみましょう。“業務の棚卸”を行うのです。今現在で非常に効果を出している重要な業務もあれば、もうしなくてもよいのではないかという業務もあるでしょう。

あるいは重要であるが、やり方を変えたほうが良い業務も見つかるかもしれません。業務の棚卸は業務改善と効率化には欠かせないプロセスです。

コア業務を抜き出す

業務の棚卸が終わったら、この中から利益と直結した業務を抜き出します。判断のポイントとしては、先に上げた特徴に合致しているかということのほかに、その業務がなくなった場合を予測して判断します。

その業務なしでは、売上が下がる、もしくはこれ以上上がらなくなってしまう、企業として次なる手を打つことができなくなる、というような業務はコア業務です。

もう一つ大切なポイントしては、この段階で、コア業務に対して「会社の方針を定めるための情報を提供する」業務をチェックしておくことです。

これはこの次に述べるノンコア業務の中にあることが多いのですが、コア業務をサポートする“コア業務と直結しているノンコア業務”は社内の人間がするべきか、外部に委託すべきか検討する際に判断基準となります。

ノンコア業務を整理する

次にノンコア業務を整理します。

ノンコア業務は、定型業務であり、マニュアル通りに実施することができるため、必ずしも社内の人員で行う必要がありません。そうした業務があれば、先に上げたノンコア業務の特徴に合致するかチェックすると同時にし、その業務を社内で行うことが本当に必要なのか考えましょう。
その業務を外部に委託しても会社が円滑に稼働するのであれば、その業務は外部委託できるものと考えます。

ここで、前段で述べた“コア業務と直結しているノンコア業務”をチェックしておきます。こうした業務の中には、社外に委託できない業務もあるはずですので、これを認識しておくことが必要です。

また、ノンコア業務を効率化するには外部委託による方法のみならず、業務の統合や分解など、業務の在り方自体を見直す必要も出てきます。

ノンコア業務の外部委託を検討する

ノンコア業務にかかる時間や人的資源を節約して業務効率を上げるには、定型的で高度な判断を伴わず、難易度の低い業務を外部委託するという方法が有効です。

前段で述べてきたようなコア業務とノンコア業務の仕分け方法も、実際に行うとなかなか迷うことも多いと思います。

しかし、中には、完全にマニュアル化された、定型業務もあるはずです。まずは迷わずにそういった業務から外部委託してみることをおすすめします。

最後に

この先、労働人口が減少していくことは確実に訪れる未来です。今後、困難さを増してくるでしょう。国を挙げて働き方改革が進行していますが、企業にとっては、業務効率をあげて生産性を高めることが喫緊の課題になっています。

ノンコア業務のために多くの経営資源を割くということはもうすぐできなくなるかもしれません。これから確実に訪れる人口減少社会に向け、早く準備をしておくべきです。

強くなくても環境の変化に対応できたものは生き残ります。本来の業務に集中するために、ノンコア業務を外部委託することがこれからの経営には必要不可欠なのです。

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