法人口座の開設にあたりどの銀行で解説するか悩む方も多いでしょう。
本記事ではメガバンクとネットバンクに焦点を絞り、メリット・デメリットを紹介します。目的別の選び方についてもわかりやすく解説しますので、参考にしてください。
メガバンクについて
合併を繰り返して大きくなった都市型銀行をメガバンクといいます。全国に広く支店を展開しているだけでなく、海外にも支店や提携銀行を持ちグローバルに展開しています。
知名度が高く信頼度も高いのが特徴です。
代表的な銀行はこちらです。
みずほ銀行
三井住友銀行
三菱UFJ銀行
メガバンクを選ぶメリット
メガバンクを選ぶメリットは次のとおりです。
ネームバリューがある
大きなポイントは、ネームバリューがあることです。メガバンクで法人口座を開くためには、多くの必要書類をそろえ、いくつかの審査を通過しなければいけません。
銀行の審査基準は公開されていません。一般的には、銀行の信用問題にかかわるため、信用金庫や地方銀行と比較すると審査が厳しめだといわれています。
その審査を通り法人口座を持つことにより、対外的に会社の信頼度が向上します。とくに、伝統や格式を重んじる取引先に対しては、メガバンクに口座を開設していることが有利に働くこともあるでしょう。
担当者がつく
メガバンクに法人口座を開くと銀行の担当者がつきます。ネットバンクでは専任の担当者がつくことはありません。メガバンクの担当者は、融資を始めとしたさまざまな金融関係の相談をしたい場合、心強い存在となるでしょう。
メガバンクを選ぶデメリット
メガバンクを選ぶデメリットは次のとおりです。
口座維持費が高い
メガバンクのインターネットバンキング機能を利用する場合、月々の利用料金が必要になります。
金額は銀行やプランにより異なりますが、1,760円~22,000円程度必要です。(2021年11月現在)
無料プランを準備している銀行もありますが、使用条件に制限があるため事前に確認しておきましょう。
振込手数料が高い
ネットバンクは振込手数料が無料、もしくは格安に設定されています。
一方で、メガバンクの振込手数料は高めです。コストを抑えたい場合は事前に振込手数料の比較検討が必要です。
法人口座を開くハードルが高い
マネーロンダリングの抑制や犯罪防止のため、メガバンクで法人口座を開設するハードルは高めに設定されていまです。一般的に審査が通りづらいくなるケースといわれている条件は次のとおりです。
・バーチャルオフィス
・事業内容が不明確
・資本金が少ない
実在している住所に会社を置き、確実に事業を行うことで法人としての信用度は高まるでしょう。資本金も一定額以上が必要です。
口座開設までに時間がかかる
メガバンクでは申し込みから開設までに2週間~4週間程度の時間がかかります。すぐに口座を開設したい場合はおすすめできません。
早めの口座開設を希望する場合は、ネットバンクの利用を検討するとよいでしょう。
ネットバンクについて
対面用の店舗がなく、インターネット上での取引をメインとする銀行をネットバンクといいます。リアルな店舗がない分、口座維持費無料・振込手数料が安い・高金利の商品がある、といった利点があります。
なお、ネットバンクで口座を開設する場合、ホームページで会社情報をチェックされることが多いのも特徴です。自社のホームページがない場合、別途、事業内容確認用資料の準備が必要になる点を押さえておきましょう。
ネットバンクを選ぶメリット
ネットバンクを選ぶメリットを紹介します。
口座維持費無料
ネットバンクにおいては、口座維持のための費用は不要です。
メガバンクでインターネットバンキングを利用するためには、一般的に月々数千円の費用がかかります。
低コストでの運用を希望する場合、ネットバンクがおすすめです。
ネット環境があればすぐ開設できる
メガバンクで口座を開設するには、2~4週間かかります。
ネットバンクの場合、最短即日で法人口座開設が可能となるところもあります。
入念な書類の準備は必要ですが、急いで開設したい場合はネットバンクを検討するとよいでしょう。
ただし実店舗がないためネット環境は必要不可欠です。
24時間365日振り込みできる利便性の高さ
メガバンクは営業時間が決まっており、多くの場合深夜や早朝に入金や振り込みができません。ネットバンクは基本的に24時間365日いつでも利用でき、利便性が高いのが特徴です。
ネットバンクを選ぶデメリット
ネットバンクを選ぶデメリットを紹介します。
取引先からの信頼度が低くなることがある
ネットバンクの中には、知名度の低い銀行も少なくありません。
また、メガバンクに口座を開設していることを根拠にで取引先の信用度を測る企業もあります。
開設した銀行がネットバンクしかない場合、取引先からの信頼用度が低くなる可能性があるため注意が必要です。
担当者に金融関係の相談ができない
メガバンクのように、個別の担当者はつきません。
担当者に金融関係の相談をしたいと考えている場合ほかの銀行も視野に入れるとよいでしょう。
印字用の通帳がない
ネットバンクには印字用の通帳は準備されていません。入出金の確認はインターネット上の画面で行うことになります。
融資に対応していない
ネットバンクの中には融資を行っていない銀行があります。行っている場合でも、500万円前後の小口融資メインというところが少なくありません。
大口融資が必要な場合は他の銀行の利用を検討しましょう。
目的別法人口座の選び方
紹介したメリット・デメリットをふまえたうえで、銀行の選び方について解説します。自社の目的に適したものを選びましょう。
取引先への信頼度を高めるなら
メガバンクは知名度が高く、多くの人が信頼を寄せています。また、口座開設のためにしっかりした審査が行われます。その銀行の審査に通ったことが証明できるため、信頼度が高まります。
一方でネットバンクの場合は、広く名前が知られていない銀行も少なくありません。
取引先への信頼度を高めたい場合は、メガバンクを選びましょう。
融資を検討しているなら
メガバンクでは担当者がつくため、金融関係の相談も可能です。
ネットバンクでも融資を行っている銀行はありますが、個別相談ができるところはあまりありません。
ただお金を借りて期間までに返却するだけであれば、ネットバンクでもよいでしょう。
事業内容や返却プランまでトータルに考えた融資相談をしたい場合、担当者の付くメガバンクがおすすめです。
コストを抑えたいなら
メガバンクは、インターネットバンキングを利用するだけで月々の口座維持費が必要になります。
また、振込手数料もネットバンクと比較すると高めの設定です。ネットバンクは口座維持費無料、振込手数料も安価です。
コストを抑えたい場合、ネットバンクを選びましょう。
いつでも入出金したいなら
インターネット環境は必要になりますが、24時間365日、いつでも入出金したい場合ネットバンクがおすすめです。メガバンクは使用時間が制限されています。
まとめ
メガバンクとネットバンクを比較したうえで、目的別の選び方を解説しました。
信頼度を高めたい場合はメガバンク、コストを抑えたい場合はネットバンクの利用がおすすめです。また担当者の有無や、使い勝手のよさも比較時に検討したい項目です。
審査にかかる時間や、月々の利用料金は大きく異なります。
法人口座の開設先に迷っている場合、ぜひ、本記事を参考にしてください。