クラウド会計ソフトを導入しても効率的にならない理由

経理お役立ち情報

 最近タクシー広告やテレビコマーシャルでよく目にするようになったMoneyForwardクラウドですが、気にはなるけど導入がスムーズに行くのか不安な方が多いと感じています。
確かに正しく使いこなす事が出来れば、今よりも格段に便利で楽になるシステムです。
しかし、弊社がよく目にするのは、「導入したのは良いものの使いこなせず放置」や「取り敢えず使っているけど、効率化出来ている実感が無い」といった失敗に終わっている現状です。今回はその理由を、実際のお客様の事例と共にあげていきます。

経理のやり方を変えるのが難しい

 マネーフォワードは金融機関の口座や他のクラウドサービスと連携して業務を効率的に行えるように設計されているので、導入すると経理のやり方そのものが大きく変わります。例えば、これまで手作業で行っていた会計システムへの入力が自動化される・金融機関のデータが会計システムへ自動連携される等です。そのため、これまでの経理のやり方で使いこなそうと考えても上手くいきません。考え方が大きく異なるため、経理業務プロセス全体の見直しと再構築をする事が必要となります。

最適な業務プロセスを構築するためには、①現状の業務の見直しを行い②理想の業務フローを整理して③業務改革に向けた体制作りをする事が大切です。ここでは時間も手間もかかりますが、その後の生産性向上を考えるとこの最初のステップがとても肝心になります。

 社長がマネーフォワード導入を決めたとき、導入の旗振り役として抜擢される事が多いのは圧倒的に「経理担当者」です。しかし、バックオフィス業務(経理・給与計算)を担当される方の多くの方は、日々の業務で手一杯で業務改革に着手する時間を作れず、「切り替えるための時間が取れない」「入り口の業務プロセス構築の時間が取れない」等の理由で最初の段階でつまずいてしまうのです。また、経理担当者の性格上、まじめで心配性な方も多くいらっしゃるため、「やり方を変えて失敗するのが怖い」等の理由で、今までのやり方を変える事自体に抵抗感を覚えてしまうケースもあるのです。
 このような理由で、中小企業がこれまでの経理のやり方から、新しい経理体制へ自力で切り替えるのは難しいのです。

システムを使いこなすのが難しい

 続いての効率的にならない理由がシステムを使いこなすのが難しいです。

これまでの経理に使用するシステムは、会計ソフトはA社、給与計算ソフトはB社、請求書発行はまた別の会社のソフトを使用…のようにそれぞれ異なる会社で購入して使用するのが通常でした。しかし、マネーフォワードでは会計・請求書・経費精算・勤怠・給与計算全てがパッケージ化したERP(Enterprise Resource Planning)の発想となり、一気通貫で業務を行えるという大きなメリットがあります。以下が一例となります。

  • 受注データを取り込むと、請求書が発行され、データが会計ソフトに流れて、自動で仕訳が生成される。
  • 勤怠システムから給与計算システムに連携し、給与計算が完了したら自動で仕訳が生成される。給与明細発行、年末調整の発行まで一気通貫になる。
  • 経費精算システムから給与計算システムに連携し、給与計算システムから1クリックで振込まで完了する。
  •  上記のようなメリットを享受するには、まずマネーフォワードシステムを使いこなす必要がありますが、今までとは考え方も仕様も全く異なるのでよく勉強する事が必要です。それぞれのシステムの特性を理解して業務に落とし込むというスキルが求められるのです。
    まとめると、マネーフォワードを使いこなすには経理経験×業務構築スキル×システムのノウハウが必要になるのです。

    初期設定を失敗してしまう

     経理処理が圧倒的に楽になるマネーフォワードですが、初期設定が出来ている事が前提です。よく聞くお悩みは「自動仕訳が上手く機能していない」「前の会計ソフトからのデータ移行が出来ていない」等です。このような事態に陥ってしまう理由は初期設定で失敗しているからです。
     初期設定を始める前に前述のようなステップを踏む事が必須にも関わらず、あまり意識せずに使い始めてしまうと、結局よく分からないので放置という事態に陥ってしまい「マネーフォワードを導入しても効率的にならない」という結論に至ってしまうのです。

    おわりに

     キャシュモでは、事業者の“リソース不足”と“ノウハウ不足”を解消するために、業務フローの見直し、制度設計からシステムのセッティングまで、クラウドに強い経理のプロが対応します。自社でやるよりも数段早く、ベストな形で運用する事が可能です。お困りの際は一度お気軽にご相談下さい。