年が明けるとまもなく2020年分の所得税の確定申告の提出時期がやってきます。2020年(令和2年)の確定申告の提出期間は2021年(令和3年)2月16日(火)~3月15日(月)です。
確定申告とは、1年間の所得に対する税金を計算し、納付することです。確定申告というと個人事業主が対象と思われがちですが、給与所得の方でも確定申告が必要となる場合や、確定申告をすることによって税金の還付を受けることができる場合もあります。今回は、「確定申告が必要な人」と「確定申告をすると税金が戻る場合」についてご説明します。
確定申告が必要な人
一般的に、以下のような人は確定申告が必要となります。なお、「所得」とは、収入金額から必要経費を控除した金額です。
※公的年金等の収入金額が400万円以下で、源泉徴収が行われている場合には、確定申告は不要です。
給与所得者で確定申告が必要な場合
給与所得者の大部分は、年末調整によって所得税が精算されるため、確定申告をする必要はありません。しかし、以下のような場合は確定申告が必要となるため、注意が必要です。
確定申告をすると税金が戻る場合
確定申告のみで受けられる控除
※年末調整では以下は受けられません。
①雑損控除
●本人や生計を一にする親族が、災害や盗難、横領によって住宅や家財などに損害を受けた場合
●災害等に関連してやむを得ない支出をした場合
②医療費控除
●本人や生活を一にする親族のために支払った医療費が一定の金額以上ある場合
●一定の金額…10万円または所得の合計額が200万円までの方は所得の合計額の5%
●病状などに応じて一般的に支出される水準を著しく超えない部分の金額が対象
③セルフメディケーション税制による医療費控除
※②医療費控除との選択適用です。
●本人が健康の保持増進及び疾病の予防として一定の取組を行い、あなたや生計を一にする親族のために支払った特定の医薬品の購入費が12,000円を超える場合
④寄附金控除
●特定の寄附金を支出した場合(ふるさと納税等)
④住宅ローン控除(初年度)
●住宅借入金等を利用して家屋の新築、購入または増改築等をして平成19年1月1日以後に居住の用に供し、一定の要件を満たす場合
配偶者控除等の精算
平成30年分の年末調整から、「給与所得者の配偶者控除等申告書」の提出がスタートしました。同申告書では、給与所得者及びその配偶者の合計所得金額の見積額をもって、配偶者控除や配偶者特別控除の適用、控除額を判定しました。ただし、この合計所得金額の見積額は、申告書提出日時点の現況によるため、年末調整後、12月31日までの間に異動が生じ、配偶者控除や配偶者特別控除の額が適正額と異なることになる場合も考えられます。源泉徴収票の交付前であれば、「再年末調整」により精算することも可能ですが、交付後であっても、確定申告により精算することが可能です。
年末調整で調整税額が不足であった場合において、確定申告で精算されなかった場合、後々、税務署から給与等の支払者に対してその旨が通知され、給与等の支払者が従業員から徴収して納付することになります。再年末調整を行っていない場合には、自ら確定申告を行うよう従業員に指導しておく必要があります。
おわりに
2020年(令和2年)の確定申告の提出期間は2021年(令和3年)2月16日(火)~3月15日(月)までとなっています。ご自身の提出の要否を確認のうえ、早めに準備をしておきましょう。確定申告についてのご質問やご依頼は、税理士法人キャシュモ担当者までご連絡ください。