前回「企業の方向づけ」の根幹となる「ミッション」「ビジョン」「バリュー」を取り上げました。今回はその続きとして、戦略立案について説明します。
戦略とは何か
前回も述べたとおり、経営者の仕事である企業の方向づけは、「何をやるのか」「何をやめるのか」を明確にすることです。その判断基準となるのが、ミッション・ビジョン・バリューでした。
ミッション・ビジョン・バリューを前提としながら、外部分析と内部分析を行い、具体的な目標や行動計画を立てることが戦略立案です。戦略が間違えていたら、従業員がどんなに頑張っても成果が出ません。
差別化をする
戦略を立案するうえで最も重要なのは、「他社との違いを明確にする」ことです。表現を変えれば「差別化する」ということになります。差別化をするためには外部分析と内部分析が必要です。
他社との違いを明確にするのですから、当然、他社のことを知らなくてはなりません。しかし、違っていれば良いということではなく、お客様にとって魅力的な「違い」である必要があるので、お客様のことも分析する必要があります。
外部分析の結果を踏まえて、お客様が魅力を感じる差別化を実現させることは大前提ですが、自社の強みを活かせるような差別化でなければ、うまくいかないので、内部分析も重要です。
外部分析のポイント
外部分析では以下のことを分析します。
ライバル : ライバルの商品・サービスの品質、価格、付随サービス
代替品 : 自社が提供している商品・サービスに取って代わるものが生まれてないか
マクロ経済: 日本経済全体の動き、為替相場の動き、など
内部分析のポイント
内部分析とは、ヒト、モノ、カネ、情報、ノウハウ、お客様との関係などについて、自社の強みと弱みを明確にすることです。この際に注意していただきたいのは、強みと弱みはできる限り具体的に、客観的に知ることを意識することです。
自社のこととなると、どうしても「具体的に」「客観的に」考えるのは難しくなります。その場合には外部のコンサルタントなどの力を借りるのも一つの手段となります。
戦略立案実践のポイント
外部分析と内部分析の方法に加えて、戦略立案を行う際のポイントを簡単に挙げておきますので、参考にしていただければと思います。
② 戦略の進捗状況を確認する機会を設ける(最低でも毎月)
③ 何事を行った場合にも、結果が良くても悪くても、必ず「反省する」
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多くの企業に携わらせていただいていますが、成長している会社の共通点は、「経営者が戦略を明確にして、実行して、振り返っている」ことだと思います。キャシュモでは戦略立案、進捗管理のサポートを行っておりますので、興味のある方はお気軽にご連絡いただければ幸いです。
<参考文献>
・小宮一慶(2017)『経営者の教科書』ダイヤモンド社