顧客満足についてもう一度考え直してみよう

経営お役立ち情報

年が明けたと思っているうちに早いものでもう2月です。来月が年度末の会社も多いと思います。そろそろ来年度の事業計画作りと実行準備の検討に入るべき時期となっています。今年は、安倍政権の成長戦略の結果がある程度見える年になると思いますが、景気が良くなる可能性も視野に入れ、逆に景気が良くなくても売上が立ち利益がでるような体制を作っておくことをお勧めします。そうすることで、景気が良くなった時に成長の可能性を高めることができます。

企業が勝ち残りを決める一番の要因は、お客様に提供する商品・サービスに対しての顧客満足度です。顧客満足度は、お客様がお支払いになる価格と比較して、提供商品・サービスに対してお客様が「感じる価値」によって決まります。価格以下の価値しか与えていない場合は論外ですが、同程度では他社に乗り換える可能性も否定できません。価格以上の価値を提供することが重要で、狙うべきはお客様の「感動」です。ここで重要なのは、提供すべきものが、お客様が「感じる価値」で実際の価値とは少し異なることです

顧客満足とは何かを理解するための7つの質問をジョンソンアンドジョンソンの社長を務めた新将命氏がまとめていますのでご紹介します。

以下の質問に対して社内会議などで「イエス/ノー」の答えとその理由を考えてみてください。

①顧客とは、我が社の商品やサービスを買ってくれる人か?
②お客様は神様か?神様の要求はつねに満たさねばならないか?
③顧客満足は営業部の責任か?
④マニュアルどおりにやれば顧客満足を果たせるか?
⑤顧客満足はある程度のところでよいか?
⑥顧客には100パーセント最高の品質を提供すべきか?
⑦真の顧客満足とはお客様の期待にきちんと応えることか?

如何でしょうか?新氏の答えは、全てノーです。

①については、外部の顧客のみならず内部の顧客、つまり、製造部にとっての営業部、資材部にとっての製造部なども顧客として認識を持つべき点を指摘しています。③にも関係しますが、最終ユーザーが商品・サービスに対して高い満足度を感じていただくためには、各部門の協力が不可欠です。その意味で、製造プロセスの中の内部顧客の満足度も重要な要素なのです。

②の質問は、自社の理念や戦略・法律から外れることや利益が出ないことなど自社にできないことや仮に自社の儲けになるとしてもお客様のためにならないことをお客様が要求しても従うべきでないことを確認する質問です。プロとして守るべき一線は超えないことだと思います。

③は、顧客に提供する商品・サービスの満足度は、企画、製造、サポート部門などの全ての部門も関わっているので、当然のことと思います。重要なことは、そのことを営業部門以外の部門にもその理解を浸透させることができているかどうかと思います。

④については、マニュアルは最低限のルールであり、これに加えてお客様に商品・サービスを提供する人の心が付加価値を生み出すことを新氏は指摘しています。マニュアルそのものではなく、それを如何に運用しお客様に感動していただくかを常に考えることが求められます。

⑤はいかがでしょうか?お客様に感動を与えることができたとしても、次回はそこがスタートとなりさらに高いレベルの水準が求められます。常に競合他社を上回る感動を与えることが出来なければ勝つことはできません。終わりのないマラソンレースのようなものです。

⑥は⑤と合わせて議論があるかと思います。新氏は、求められているのはお客様の感動なので、期待を上回ることが重要であり、仮に提供できるとしても顧客が求めていない高い水準の商品・サービスを提供しても意味がないと述べています。経営では、顧客満足と利益(コスト)の両方の要件を満たす必要があります。その意味で新氏の指摘は妥当と思います。

⑦は、顧客満足度の意味についての質問と思います。お客様に価格と同程度の満足を感じていただくことではなく、その上に付加価値を加えた感動を与えることこそが狙うべきところである点を再認識すべきと思います。

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少なくとも経営幹部については、結論が腑に落ちまるでディスカッションを重ねた上で顧客満足度の視点から現在の商品・サービスを見直し、来年度の計画に反映させてはいかがでしょうか。経営計画でご不明な点がある場合は、北青山の担当者に是非ご相談ください。

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