最低賃金が大幅に上がります ~10月1日から順次~

労務お役立ち情報

全ての都道府県で令和6年度の地域別最低賃金の答申がなされました。答申された改定額は、10月1日から順次発行される予定です。

改定額の全国加重平均額は1,055円(昨年度1,004円)となり、全国加重平均51円の引き上げは現行の制度が始まって以来で最高額の引き上げとなりました。

最低賃金とは

最低賃金は「最低賃金法」に基づいて国が定めた1時間あたりの最低賃金額のことで、使用者は最低賃金額以上の賃金を労働者に支払わなければなりません。最低賃金は、労働者一人ひとりの能力や経験にかかわらない最低限の賃金を保障するための制度であり、労働者の生活を守るために重要な制度です。

最低賃金には「地域別最低賃金」と「特定(産業別)最低賃金」の2種類がありますが、ここでは地域別最低賃金について解説していきます。

最低賃金は毎年改定されており、物価や生活水準など、各地域の実情を考慮して都道府県ごとに定められています。例年7月頃に厚生労働大臣の諮問機関によって全国的な引き上げ額の目安が示され、これに基づいて8月頃に各地方最低賃金審議会が改定額の答申を行い、都道府県労働局での関係労使からの異議申出に関する手続きを経て、都道府県労働局長(又は厚生労働大臣)により決定され、毎年10月から順次新しい最低賃金が適用されます。

仮に最低賃金額より低い賃金を労働者、使用者双方の合意の上で定めても、それは法律によって無効とされ、最低賃金額と同額の定めをしたものとされます。
したがって、最低賃金未満の賃金しか支払わなかった場合には、最低賃金額との差額を支払わなくてはなりません。また、地域別最低賃金額以上の賃金額を支払わない場合には、最低賃金法に罰則(50万円以下の罰金)が定められ、特定(産業別)最低賃金額以上の賃金額を支払わない場合には、労働基準法に罰則(30万円以下の罰金)が定められています。

最低賃金の対象になる賃金

最低賃金の対象となる賃金は、毎月支払われる基本的な賃金です。
具体的には、実際に支払われる賃金から次の賃金を除外したものが最低賃金の対象となります。

  • 臨時に支払われる賃金(結婚手当など)
  • 1か月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与など)
  • 所定労働時間を超える時間の労働に対して支払われる賃金(時間外割増賃金など)
  • 所定労働日以外の日の労働に対して支払われる賃金(休日割増賃金など)
  • 午後10時から午後5時までの労働に対して支払われる割増賃金(深夜割増賃金など)
  • 精皆勤手当、通勤手当及び家族手当

引用:厚生労働省「最低賃金の対象となる賃金

最低賃金を上回っているか確かめる方法

支払われる賃金が最低賃金額以上となっているかどうかを調べるには、最低賃金の対象となる賃金額と適用される最低賃金額を以下の方法で比較します。

時給制の場合

時給≧最低賃金額(時間額)

日給制の場合

日給÷1日の所定労働時間≥最低賃金額(時間額)
ただし、日額が定められている特定(産業別)最低賃金が適用される場合には、
日給≧最低賃金額(日額)

月給制の場合

月給÷1箇月平均所定労働時間≧最低賃金額(時間額)

都道府県別の最低賃金一覧

都道府県の令和6年度地域別最低賃金額及び発効年月日は、以下のとおりです。

※括弧書きは改定前の地域別最低賃金

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10月2日〜4日に幕張メッセで開催される「総務・人事・経理Week」に出展します。

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