コロナ禍では外食も旅行もできない上に、仕事ではリモートワークが増え、「これでは都会で高い家賃を払い続ける意味がない!」と感じている方も多いのではないでしょうか?
内閣府が2021年9月10月に実施した「第4回新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査」によると、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、東京23区内に住む20代の人の約半数が地方移住に関心を高めているということが明らかになりました。
そこで今回は、コロナ禍の今だからこそ、地方移住による起業をおすすめする5つの理由を東京都と大分県を比較しながらご紹介します。移住先の地方で「就職」という働き方に加え、「起業」という選択肢を増やすことができるでしょう。
都会よりも固定費が安いため事業を継続しやすいから
地方移住による起業をおすすする1つ目の理由は、都会よりも固定費が安く、事業を継続しやすいことです。
1か月当たりの家賃を東京都と大分県で比較すると、東京都は81,001円で大分県が41,447円と2倍近くも差があると、総務省が平成30年に実施した「平成30年住宅・土地統計調査」で明らかになっています。
このことから、東京都内で起業してオフィスを借りるよりも、移住をして地方で起業した方が家賃を半分に抑えられる可能性が高いと考えられます。つまり同じ起業準備資金でも、地方の方が2倍の期間、長く挑戦し続けられることになります。
また、地方では空き家バンクを活用することで、戸建ての家を家賃1〜3万円くらいで借りられることも珍しくありません。移住先で自分が住む家として空き家バンクで戸建てを借りて、その家の一室を事務所代わりに使うことで、さらに固定費を抑えることもできます。
どの地方でも空き家、空き店舗、空き物件は年々増えているので、どの業態で起業するにしても、地方の方が少ない資金でより長く挑戦しやすい環境が整っていると言えます。
都会並みの賃金で働き、地方の安い生活費で暮らせるから
地方移住による起業をおすすめする2つ目の理由は、リモートワークの活用により、都会並みの賃金で働きつつも、地方の安い生活費で暮らせることです。
令和3年12月現在の東京都の最低賃金が1,041円なのに対し、大分県は822円となっています。つまり東京都よりも大分県の方は生活費が2割近く安いとも言えます。先程の項目での東京都と大分県の家賃の違いからもわかるように、都会よりも地方の方が生活費をかなり抑えることができます。さらに地方では一次産業に従事している方々の割合が多いこともあり、直売所などでは都会に比べるとかなり安く野菜や魚を買うことも可能です。
最低賃金も生活費も安い地方でアルバイトや就職をしてしまうと、生活費は安いが給料も低く、手元に残るお金が少なくなるということになりかねません。しかし、生活費が安い地方にいながら都会並みの賃金を得られたら、手元に残るお金は増えると思いませんか?
コロナ禍になってからは地方や都会に限らず、どの企業でもリモートワークが導入されたこともあり、地方にいながら都会の企業から仕事を受注して業務を行うという働き方も増えてきました。都会の企業からすると、受託者が都会の企業であれ、地方の企業であれ、遂行される業務の品質が同じであれば、支払う料金は同じはずです。
特にデジタルやマーケティング、クリエイティブの分野での起業は、都会並みの賃金で働き、地方の安い生活費で暮らしている方々が増えてきています。
タイムマシーン経営がまだまだ通用するから
地方移住による起業をおすすめする3つ目の理由は、タイムマシーン経営がまだまだ通用することです。
タイムマシーン経営とは、海外で成功したビジネスモデルや商品・サービスを取り入れて展開する経営手法のことです。ソフトバンクの創業者の孫正義氏が命名したと言われています。
インターネットが普及した現代において情報の格差は無くなったように思われますが、現状として海外で成功したビジネスが少し遅れて東京に入ってきて、その後に地方に展開されていることも多くあります。
一般的なタイムマシーン経営だと、主には英語で海外の最新情報を収集する必要がありますが、地方でのタイムマシーン経営であれば、東京でうまく行っているビジネスの情報を日本語で収集することになります。東京で働いている方々との繋がりを持ち、定期的にコミュニケーションを取りつつ、地方でビジネスを展開していくと自然とタイムマシーン経営に近い動きになり、起業を成功に導く近道になり得ます。
都会から地方に移住をして起業を検討している方にとっては大きなチャンスと言えるのではないでしょうか?
地方企業でもリモートワークが普及して業務効率化が図りやすくなったから
地方移住による起業をおすすめする4つ目の理由は、地方企業でもリモートワークが普及して業務効率化が図りやすくなったことです。
コロナ禍以前の地方企業でリモート会議を取り入れていた企業はかなり少なかったと思います。多拠点にビジネス展開をしている企業でも、会議は本社に集まって行うことも珍しくありませんでした。しかし、コロナ禍になってからは、多くの地方企業でもリモートワークが導入され、リモートでの会議も増えてきました。
コロナ禍以前に打ち合わせをする場合は、車に乗って顧客を訪問することが当たり前でしたが、今では同じ都道府県内でも、さらには同じ市町村内にいたとしてもリモートで打ち合わせをすることも普通になりました。
地方でビジネスをする上で車移動の多さが業務効率化を阻んでいましたが、今では地方でもリモートワークを活用することで、かなり業務効率化を図りやすくなったと言えます。
メディアに取り上げられやすく、移住先の地方での知名度を上げやすいから
地方移住による起業をおすすめする5つ目の理由は、メディアに取り上げられやすく、移住先の地方での知名度を上げやすいことです。
どの地方にも地元の新聞社やテレビ局、ラジオ局があります。地方からは人が減る一方で、メディアは取材するネタを常に探しています。特に地方メディアでは、「若者」「社会性」「地方活性化」の3つのキーワードに当てはまると取材依頼が来やすい傾向があります。
さらに「移住者」というだけでも「なぜこの地域に移住してきたのか?」「移住先でどんな活動をしているのか?」「今後どんな展開を予定しているのか?」など、様々な切り口でメディアに取り上げられる可能性が高くなりやすいです。
また、人口の少ない地方では、新しいビジネスが立ち上がることも都会に比べると少ないです。そのため、他の都道府県からの移住者が新しいビジネスを起業した場合、うまく繋がると地元メディアには1年以内で出演するということも珍しくありません。地方ではテレビや新聞の影響力がまだまだ強く、「テレビで見ました!」と声をかけられることもしばしば出てくると思います。
知名度が上がっていくとビジネスの展開もしやすくなるので、地方に移住をして起業する場合は、地元の記者クラブにプレスリリースを持参するなど、積極的な地元メディアへのアプローチもおすすめです。
まとめ
今回は、地方移住による起業を、コロナ禍の今だからこそおすすめしたい理由を5つ紹介しました。
コロナ禍での都会生活では、電車移動や人混みを避けるなどストレスが多いかもしれませんが、地方では車移動をすることが多く、人混みや移動のストレスは少なくなります。また、自然が近くにあるので、綺麗な空気の中で散歩やランニングをしてリフレッシュすることもでき、都会の部屋に籠って働くよりも集中して働けるかもしれません。
都会での生活が窮屈だと感じている方は、ぜひ地方移住による起業を検討してみてはいかがでしょうか?