技術者出身でない中小企業経営者が知っておくべきシステム開発の基礎知識

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近年世界的にITへの需要が高まっており、驚くべきことに世界時価総額ランキングのトップ10のうち8社がIT企業です。

ITに関わる用語で「システム開発」という言葉がありますが、ご存じでしょうか。情報系ではない人にとっては、言葉は知っているけど具体的な意味は知らない、イメージが付かない方も多いと思います。

本記事では、IT初心者の方でも理解できるように分かりやすく「システム開発」について解説をしていきます。また、記事の最後にシステム開発を経営に活かす方法について解説しています。ぜひ最後までご覧ください。

システム開発とは?

システム開発とは、簡単に言うと「サービスや仕組みを作ること」です。似たような意味合いの言葉で、プログラミングがあります。プログラミングとは、システム開発を行う際に使用する機械に命令を出す言語のことです。プログラミングによって、システム開発を行うイメージ持ちましょう。

システム開発の目的

システム開発の目的は、企業の課題や問題をシステムによって解決することです。システムを使用することにより、機械が人に代わって作業してくれます。その結果、人件費の削減や社員の業務負担を軽減などたくさんのメリットがあります。

しかし、機械は得意なことと苦手なことがはっきりしており、全ての問題を解決するシステムを開発することは不可能です。

機械が得意なこと
・計算
・単純な作業
・データ解析

機械が苦手なこと
・クリエイティブな作業
・常識的な判断
・人の気持ちを読み取ること

機械は人の表情から気持ちを理解することや、病気の人に適切な優しい言葉をかけてあげることは苦手です。そのため、けが人を機械が全て自動で看病するシステムを開発することは不可能です。機械が得意なことと苦手なことを理解したうえで、システム開発を行いましょう。

システム開発の流れ

本記事では、システム開発手法の中で最もメジャーなウォーターフォールモデルのシステム開発の流れを解説していきます。

ウォーターフォールモデルとは、上から順番に工程を一つずつ進めていく開発手法になります。基本的に完了した工程には戻ることはなく、水が上から下へ流れていく様子にちなんで名づけられました。

要件定義

ウォーターフォールモデルでは、必ず要件定義からシステム開発を開始します。

要件定義では、システムを開発する側とシステムの開発を依頼する側が話し合い、どのような機能のシステムにするか決めます。開発する側と依頼する側で開発するシステムの機能や性能の認識にズレがあると希望とは違うシステムが完成してしまします。そのため、要件定義の段階で、開発側と依頼側の認識を合わせることが非常に大切です。

設計

要件定義が固まったら設計へと移ります。

設計は、大きく外部設計と内部設計に分かれます。外部設計では、システムを利用するユーザーの目線から必要な機能を吟味し、システムの大まかな処理の流れを作成します。外部設計書は、必用に応じて依頼者にもシステム説明の為に、見てもらうことがあります。

一方、内部設計では、外部設計の段階よりも細かく処理の流れを作成していきます。内部設計書は、プログラマーが実際にプログラミングをする際に使用するため、開発者の目線で作成されます。

製造(プログラミング)

内部設計書を元に、プログラマーがプログラミングによって、システムを作成します。

テスト

製造したシステムが設計書通りに、動作するかテストします。テストには、単体テスト、結合テスト、システムテストなど様々なテストがあります。

まず単体テストで、開発したシステムの機能をモジュールと呼ばれる機能単位でテストします。単体テストで問題がなければ、次に結合テストと言ってモジュールを結合した状態のシステムをテストします。結合テストでも、問題がなければ開発したシステムが正常に動くか、クライアントの要件を満たしているかをシステムテストによってテストします。システムテストでは、実際にクライアントが使用する本番環境で、テストを行います。

リリース

テスト全項目で問題がなければ、開発したシステムをユーザーが使用できるようにリリースします。

保守・運用

システム開発が完了したからと言って、終了ではありません。リリースしたシステムが、正しく動作し続けるように保守・運用を行います。実際にシステムを利用していると、不具合やバグが発生する為、プログラムを修正することにより、バグやエラーを解決していきます。

スムーズなシステム開発を行うために意識すること

システム開発には、トラブルがつきものです。そこで、スムーズに開発をするうえで、抑えておくべきポイントを3点ほど紹介します。

要件定義をしっかりと固める

システム開発の流れのところでも触れましたが、要件定義をしっかりと固めておかないと開発する側とシステム開発を依頼する側にズレが生じます。その結果、希望とは異なるシステムがつくられてしまいます。そうすると開発期間やシステム開発にかかる金額も増え、開発する側、依頼する側両社にとって無駄が発生します。そのため、要件定義の段階でしっかりと話し合いを重ね、お互いのズレをなくすように心がけましょう。

プロジェクトメンバー内のコミュニケーション

エンジニアやプログラマーは1日のほとんどをパソコンに向かって作業をしている為、コミュニケーション能力はあまり必要ないと思われがちです。しかし、システム開発は複数人で行う為、コミュニケーション能力は非常に重要です。特にプロジェクトチーム内で上手くコミュニケーションが取れないと、スケジュールに遅れてしまいます。そのため、プロジェクトメンバー内での情報共有や確認はしっかりと行うようにしましょう。

メンバーのスキル・進捗の確認

プロジェクトメンバーのスキルと進捗確認を正しく行うことで、進捗が遅れることを防ぎます。システム開発では、進捗が遅れることも想定し、どうやって遅れを取り戻すかリカバリー案を考えておくことも重要です。毎日の進捗確認をしっかりしておけば、一人の作業に遅れが生じた際に、進んで作業していた人が手助けすることが可能です。

システム開発を経営へと活かす方法

システム開発を経営に活かす方法は、システムによって現状の作業負担を減らす方法とシステム開発の考えを経営に活かす方法の2つがあります。順番に解説していきます。

システムによって、今までの作業を楽にする方法

冒頭の方でもお話ししましたが、システム開発の目的は、企業の課題や問題をシステムによって解決することです。そのため、現状抱えてる問題を洗い出し、それがシステムによって解決できるのかを検討しましょう。しかし、機械は得意なことと苦手なことがはっきりしている為、機械の得意不得意をしっかりと理解したうえで、システム開発を行いましょう。

システム開発の考え方を経営に活かす方法

スムーズなシステム開発を行うために意識することでもお話ししましたが、システム開発では要件定義が非常に重要となります。しかし、これはシステム開発に限った話だけでなく、様々なビジネスにおいてクライアントとは事前に話し合い認識を合わせておくことは重要です。また、システム開発では、プロジェクトメンバー同士のコミュニケーションが非常に重要になりますが、これもシステム開発に限らずあらゆるビジネスで重要となります。そのため、システム開発を理解したうえで、他のビジネスにノウハウを活かせないか検討することは大いに価値があるでしょう。

まとめ

本記事では、技術者出身でない中小企業経営者が知っておくべきシステム開発の基礎知識というテーマでシステム開発について解説しました。日々IT技術が進んでいく現代では、全ての人がITに関する知識を身に付ける必要があります。その中で、システム開発について理解を深めることは私たちが日々利用している便利なサービスやシステムがどのように作られているのか理解するために非常重要になってくるでしょう。

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