様々な書類の保存方法・保存期間について

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会社では、様々な書類を取り扱っており大量の書類を保存する為に、倉庫を借りて長期間保存している会社が多いかと思います。

今回は帳簿書類に焦点をあてて、書類の種類や保存期間、具体的な保存方法について解説します。

帳簿書類の保存に関する法律

帳簿書類の保存期間は2つの法律が定められています。
1つ目は『会社法』で、2つ目は『法人税法』です。

会社法に該当する書類は保存期間が10年間、法人税法では保存期間が7年間に定められています。
ただし、欠損金が生じた場合の帳簿保存期間は10年間となります。欠損金が生じた場合、10年間繰り越して黒字となったときに控除することができます。その際に欠損金額を正確に把握することができるよう、欠損が生じた事業年度については、帳簿書類の保存期間が10年となっています。

帳簿書類は会計上、税務上以外にも経営管理をしていく上でも重要な書類です。
その為、保存書類や保存期間をきちんと把握しておくことが必要になります。

会計監査や税務調査に対応する際に重要書類を紛失していた場合、大きな問題に発展する可能性があります。

書類ごとの保存期間をきちんと把握した上で、保存するようにしましょう。

10年間保存が必要な書類一覧(会社法)

下記書類が会社法に該当する一般的な会社で利用する書類の一覧になります。

決算書関係
・貸借対照表(会社の財政状態を確認するための書類)
・損益計算書(会社のある一定期間の経営成績をまとめた書類)
・株主資本等変動計算書(貸借対照表の「純資産の部」のある一定期間における変動額を表す書類)
・個別注記表(会社個別の注記事項を記載した書類)

帳簿関係書類

主要簿
・総勘定元帳(全ての取引を勘定科目ごとに記録していく帳簿)
・仕訳帳(日付順に全ての取引を記述した帳簿)

補助簿(補助記入帳)
・売上帳(売上勘定の取引の明細を記帳した帳簿)
・仕入帳(仕入勘定の取引の明細を記帳した帳簿)
・売掛金元帳(得意先別に売掛金の状況を把握するために記録する帳簿)
・買掛金元帳(仕入先別に買掛金の状況を把握するために記録する帳簿)
・現金預金出納帳(現金勘定の取引の明細を記帳した帳簿)
・当座預金出納帳(当座預金勘定の取引の明細を記帳した帳簿)
・受取手形記入帳(受取手形勘定における取引の増減明細を記帳した帳簿)
・支払手形記入帳(支払手形勘定における取引の増減明細を記帳した帳簿)
など

補助元帳
・仕入先元帳(買掛金勘定を、仕入先ごとに分類して記帳したもの)
・得意先元帳(売掛金勘定を、得意先ごとに分類して記帳したもの)
・商品有高帳(繰越商品勘定・仕入勘定を、商品ごとに分類して記帳したもの)
など

7年間保存が必要な書類一覧(法人税法)

下記書類が法人税法に該当する一般的な会社で利用する書類の一覧になります。

◇証憑類
・領収書(金銭を受領/支払いしたことを証する書類)
・預金通帳(金融機関が預金者に対して、預金者であることを示す証憑)
・請求書(取引先に金銭を請求する書類)
・契約書(契約を締結する際に作成される契約内容を表示する書類)
・見積書(報酬・費用の見込額を書面に記載した書類)
・納品書(サービス・商品を相手方に納品したことを証する書類)
・棚卸在庫表(棚卸の際に数量や金額などの一覧表)
・入出金伝票(お金の出入りを1件ずつ記録した書類)
など

書類の管理方法

会社で様々な書類を取り扱う中で効率的に業務を行う為には、整理が必要です。

普段から書類整理をしない状態だとどんどん書類が溜まって重要書類を紛失したり、日々の業務に手間ばかりかかって業務効率が落ちてしまいます。

そのため普段の業務の中で管理方法や運用ルールなどを整備しておくことが大切です。

書類のサイクルとして【作成⇒活用⇒保管⇒廃棄】が一連の流れです。

この中の【作成⇒活用】部分で、書類を分類しておくのがオススメです。

必要書類、不要書類を分けていつでも必要書類がすぐ見つけられるように管理しておくことが業務改善にも繋がります。

書類管理に関して無駄を省き効率的に作業する為の具体的に紹介します。

・期間ごとに分類する
一般的に会社の決算は1年毎に行われます。
そして年間区切りで会計監査や税務調査の時に書類提出を求めれられます。

その為、書類の管理方法としては「月間」ベースと「年間」ベースで書類を管理しておくようにするのが良いでしょう。

・カテゴリーごとに分類する
日々の業務を行う中で様々な書類が発生します。

過去の書類を確認する際に一目で「どこに」「何の」書類があるのかわかるように
カテゴリーごとに分類して管理するようにしましょう。

書類の保存方法

保存方法は、原則的に紙で保存になります。しかし、初めから一貫して電子計算ソフトを利用して作成した帳簿書類などは一定の要件を満たせば電子データで保存することができます。

以下で具体的な保存方法を解説します。

紙のままで保存する場合

今回紹介した帳簿書類などの保存に関しては、原則として紙のまま保存します。
その年に作成した場合、受領した場合どちらも定められた保存期間預かっておく必要があります。

マイクロフィルムにより保存する場合

保存期間の最後の2年間(書類によって最後の4年間)一定の要件を満たせばマイクロフィルム(COM)による保存が可能となっています。

電磁気記録により保存する場合

現在は、多くの会社で会計ソフトを導入して帳簿書類などを作成しています。
電子帳簿保存法の適用により、パソコンを用いて一貫したルールで帳簿書類を作成している場合などは、紙での保存は不要となります。
保存方法としては、サーバーやDVDなどに記録して保存することが出来ます。

スキャナー読取りによる電子的記録による保存する場合

スキャナー保存は、相手から受領した紙の書類などをスキャナーで読み取って保存する方法です。電子帳簿保存法の適用により、一点の要件を満たせばスキャナー保存が可能となります。

eメール等で受け取った帳票

2022年1月より電子帳簿保存法の改正により電子商取引に関する書類は紙での保存では保存要件を満たさない為、必ず電子データで保存することが義務化されます。

ちなみに、改正電子帳簿保存法での保存の要件は以下となります。
書類をスキャナーで読み取った場合、2ヶ月以内にタイムスタンプを付与することで電子データとして保存することが可能。

電子的に作成した帳票は電子データのまま保存することが可能。

電子取引により受け取った請求書等は、電子データを保存しなければならない。

電子帳簿保存法に対応するためには、必須要件を満たす必要があります。

またシステム導入や運用ルールの取り決めなど最初の導入までには手間とコストがかかります。

しかし、紙で書類を保管するのに比べて、たくさんのメリットがあります。

例えば
・業務効率が上がる
・場所を取らない
・オフィスを省スペース化できる
・検索性が上がる(見つけやすくなる)
・劣化や破損のリスクが少ない
・共有しやすい
・コストを削減できる
・セキュリティ対策につながる
など、多くのメリットが挙げられます。

その為、業務時間の中で書類探しに多くの手間をかけてる場合などは、書類の電子化を進めることがオススメです。

以前の記事「【2022年1月施行予定】電子帳簿保存法とは?改正ポイント5つとメリット・デメリットを解説」で電子帳簿保存法に関する具体的な内容を紹介しているので気になる方はチェックしてみてください。

キャシュモは、デジタルツールを駆使した効率的な経理代行サービスを提供します。書類の保存や電子帳簿保存法対応についてもご相談ください。

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