確定申告の時期となりましたが、国内でのキャッシュレス決済の普及・浸透に伴い、税金もキャッシュレスで納付する方が増えています。
キャッシュレス納付の中でもクレジットカードやスマホアプリによる納付は、ポイント還元の対象となるものもあるため、税金の納付をうまく利用して、ポイントを貯めている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
2025年からはこの「クレジットカード納付」と「スマホアプリ納付」に改正が入っているため、納付の前に改めて納付方法の確認が必要です。
今回は、国税のキャッシュレス納付について、改正点を踏まえた最新情報をご紹介します。
なお、この情報は、2025年2月1日時点の情報に基づいています。
キャッシュレス納付の種類
国税のキャッシュレス納付には、次の5つの種類があります。
このうち、クレジットカード納付とスマホアプリ納付については、キャッシュレスでの納付に加えて、クレジットカードや電子マネーの種類によっては「納税でポイントがもらえる」という点で、お得さを求める納税者から人気が高まっています。
また、クレジットカード納付は、納付税額に応じて決済手数料がかかりますが、それ以外の方法の場合は、手数料はかかりません。
クレジットカード納付の手続き
クレジットカード納付とは、「国税クレジットカードお支払サイト」からクレジットカードを利用して納付する方法です。
(出典:国税庁HP)
納付可能な税目
すべての国税が納付可能ですが、「源泉所得税及復興特別所得税」については、税務署から納税告知書が届いていない方は、「e-Tax」から手続きを行う必要があります。
利用可能額
一度の手続につき、1,000万円未満、かつ、利用するクレジットカードの決済可能額以下の金額(決済手数料含む)
利用可能時間
24時間(メンテナンス作業等で利用できない時間が生じる場合あり)
e-Taxからアクセスする場合は、e-Taxの利用可能時間内
決済手数料
★2025年改正点★
納付税額に応じて以下の決済手数料が発生します。
手数料率は、2024年までは約0.83%でしたが、2025年からは約0.99%に増額されています。
(出典:国税クレジットカードお支払いサイト)
国税クレジットカードお支払いサイトでは、納付税額を入力することにより、決済手数料を試算することができます。
(出典:国税クレジットカードお支払いサイト)
準備するもの
- クレジットカード納付を行う国税の申告書や税務署から送付される各種通知書など納付する税目や金額等がわかるもの
- 以下のブランドロゴが表示されたクレジットカード
納付手続き
インターネットの利用が可能なパソコン・スマートフォン・タブレット端末から、「国税クレジットカードお支払サイト」へアクセスします。
アクセス方法は、以下の3つの方法があります。
①e-Taxから
e-Taxを利用して電子申告等をした後に、メッセージボックスに格納される受信通知からアクセスする
②国税庁ホームページから納付
国税庁ホームページから「国税クレジットカードお支払サイト」へアクセス
③(確定申告の場合)確定申告書等作成コーナーから
確定申告書等作成コーナーで、納税額のある所得税または個人消費税の申告書を書面提出した場合に表示される納付方法の案内画面からアクセス
※「国税クレジットカードお支払サイト」での手続はクレジットカード納付手続の流れをご確認ください。
注意点
- 領収書が発行されないため、領収書が必要な方は、金融機関や所轄の税務署の窓口で納付する必要があります。
- 「国税クレジットカードお支払サイト」での納付手続が完了すると、その納付手続の取消しはできません。
- 国税のクレジットカード納付はインターネット上のみの手続であり、金融機関やコンビニエンスストア、税務署の窓口では、クレジットカードによる納付はできません。
- クレジットカード納付をした後に納税証明書を請求した場合、最大3週間程度の間は、納税証明書にクレジットカード納付が行われている旨が記載されます。
スマホアプリ納付の手続き
スマホアプリ納付とは、「国税スマートフォン決済専用サイト」からPay払いを利用して納付する方法です。
納付可能な税目
すべての国税が納付可能ですが、「源泉所得税及復興特別所得税」については、税務署から納税告知書が届いていない方は、「e-Tax」から手続きを行う必要があります。
利用可能額
★2025年改正点★
納付税額が30万円以下の場合に利用することができます。
2025年1月31日までは、納付税額が30万円を超える場合でも、30万円ずつ複数回に分けて納付することが可能でしたが、2025年2月1日以降は、30万円を超える場合はスマホアプリ納付の利用は控えるよう、国税庁のHPで注意喚起されています。
なお、納付税額が30万円以下であっても、利用するPay払いで設定されている上限金額によっては、利用可能な金額が制限される場合があるため確認が必要です。
利用可能時間
24時間(メンテナンス作業等で利用できない時間が生じる場合あり)
e-Taxからアクセスする場合は、e-Taxの利用可能時間内
利用可能なPay払い
準備するもの
- 納付する税目や金額の分かるもの(確定申告書等)
- 利用可能なPay払いがインストールされているスマートフォン
納付手続き
★2025年改正点★
これまでは「国税スマートフォン決済専用サイト」へのアクセス方法が複数ありましたが、2025年2月1日から、e-Taxを経由するアクセス方法に一本化されました。
2025年2月1日以降にスマホアプリ納付を行う場合には、スマートフォンまたはパソコンからe-Taxにより申告等の手続を行った後、e-Taxのメッセージボックスに格納される受信通知から「国税スマートフォン決済専用サイト」にアクセスします。
パソコンを利用する場合は、「e-Tax(Web版)の受信通知からアクセスする場合」をご確認ください。
スマートフォンを利用する場合は、「e-Tax(SP版)の受信通知からアクセスする場合」をご確認ください。
注意点
- アカウント残高を利用した支払方法のみ利用可能なため、事前に利用するPay払いへのアカウント登録および残高へのチャージが必要です。
- 領収書が発行されないため、領収書が必要な方は、金融機関や所轄の税務署の窓口で納付する必要があります。
- 「国税スマートフォン決済専用サイト」での納付手続が完了すると、その納付手続の取消しはできません。
- 国税のスマホアプリ納付はインターネット上のみの手続であり、金融機関やコンビニエンスストア、税務署の窓口では、スマホアプリによる納付はできません。
まとめ
ポイント還元という観点では、クレジットカード納付やスマホアプリ納付がお勧めの納付方法ですが、2025年の改正により、お得さに制限がかかった形になっています。
特に、クレジットカード納付は、決済手数料が約0.99%かかるため、納税でも1%以上のポイントが付与されるクレジットカードを使用しないと、ポイント還元より決済手数料が多くなってしまうことになります。
その点、スマホアプリ納付は決済手数料がかかりませんが、30万円という納付税額制限ができてしまったため、納付税額が30万円を超える場合には使用できません。
したがって、ポイント還元という観点からは、納付税額が30万円以下の場合はスマホアプリ納付、30万円を超える場合はクレジットカード納付がお得な支払方法といえるでしょう。
各種クレジットカードやPay払いの納税対応については、随時変更が行われているため、納付の前にお持ちのクレジットカード等のHPで対応を確認しておくとよいでしょう。