ふるさと納税の確定申告、もっと簡単に!~押さえておくべき手続きのポイント~

税務お役立ち情報

ふるさと納税は、自分が応援したい自治体に寄附(ふるさと納税)をすることで、所得税や住民税の控除が受けられ、さらに地域の特産品などの返礼品も受け取ることができるお得な制度です。

所得によって上限金額は異なりますが、上限金額の範囲内であれば、原則として、寄附金額のうち2,000円を除いた金額が税金の控除の対象となります。
税金の控除を受けるためには、確定申告やワンストップ特例制度の手続きが必要です。しかし、複雑な手続きに不安を感じている方も多いのではないでしょうか。

面倒な手続きが少しでも簡便になるように、今回は、現在利用可能なふるさと納税の税金控除の手続きについて、改めてご紹介したいと思います。

税金控除の手続き

税金控除の手続きには、確定申告とワンストップ特例制度の2つの方法があります。

確定申告による手続きは誰でも行うことができますが、ワンストップ特例制度は、1年間のふるさと納税先の自治体数が5団体以内で、各ふるさと納税先の自治体にふるさと納税ワンストップ特例の申請を行った給与所得者のみが適用できます。

ワンストップ特例制度を適用した場合には、確定申告は不要となります。

確定申告の場合は「寄附金受領書」の収集が大変!

確定申告に比べるとワンストップ特例制度は簡便な手続きですが、ふるさと納税先が6自治体以上になる場合や、医療費控除のために確定申告が必要な場合などは、確定申告が必要となります。

確定申告でふるさと納税の寄附金控除の適用を受ける場合には、ふるさと納税先の自治体から寄附ごとに送られてくる「寄附金受領書」が必要です。
この「寄附金受領書」がかなり厄介で、自治体によって封筒だったりハガキだったりと形が異なり、忘れた頃に届いたり、広告物が同封されていて誤って捨ててしまったりと、いざ確定申告をしようとした際に「寄附金受領書」が足りない、という事態になったりします。
いざ、再発行をしようとしても、再発行には時間がかかりますし、そもそも再発行に対応していない自治体もあります。

せっかくふるさと納税をしたのに、「寄附金受領書」を紛失したために税金控除ができないことになってしまったら、元も子もありません。

確定申告でも「寄附金受領書」が不要になる方法がある!!

実は、2021年分以降の確定申告では、国税庁長官が指定した特定事業者のふるさと納税サイトを利用して、「寄附金控除に関する証明書」を取得すれば、「寄附金受領書」を集めることなく、この証明書1枚で簡単に確定申告の手続きができるようになっています。
「寄附金控除に関する証明書」は、そのふるさと納税サイトを利用して行った寄附の一覧になっており、寄附ごとの「寄附金受領書」の代わりになります。

<寄附金控除証明書の例>

出典:国税庁HP

2024年9月6日現在では、以下のふるさと納税サイトが特定事業者に指定されています。
確定申告で寄附金控除をする場合には、特定事業者のサイトでふるさと納税を行うと、手続きを簡便にすることができます。


出典:国税庁HP

「寄附金控除に関する証明書」を活用した確定申告方法

「寄附金控除に関する証明書」は、特定事業者のふるさと納税サイトからダウンロードができます。
また、特定事業者がマイナポータル連携に対応している場合には、マイナポータル連携により取得することもできます。
e-Taxで確定申告を行う場合には、ダウンロードした証明書データを自動反映させて税金控除の計算を行うことができます(個々のデータの入力は必要ありません。)。
紙で確定申告を行う場合も、個々の「寄附金受領書」の代わりに「寄附金控除に関する証明書」を1枚添付するだけでよいので、非常に簡便です。

おわりに

ふるさと納税は、地域を応援しながら節税できる魅力的な制度です。

しかし、手続きが漏れると税金控除が受けられなくなります。特に、確定申告が必要な方は、期限内に『寄附金控除に関する証明書』を準備し、正確に申告しましょう。

事前準備をしっかり行うことで、ふるさと納税の恩恵を最大限に活用してください!

ワンストップ特例が無効となる場合の注意点
ワンストップ特例を申請していても、以下のような場合はワンストップ特例が無効となるので注意が必要です。
・ふるさと納税先が6自治体以上になった場合
・医療費控除のために確定申告を行った場合