【税務Q&A】会社が保険料を負担した際の経済的利益は課税される?

税務Q&A

当社は運送業を営んでいますが、業務の遂行上交通事故にあう可能性が高いことから、5年以上勤務した役員及び使用人を対象に、これらの者を被保険者及び保険金受取人とする掛捨ての定期保険契約を締結し、その保険料を負担することにしています。この保険料を当社が負担することによりこれらの者が受ける経済的利益についてはどのように取り扱われるでしょうか。

課税しなくて差し支えありません。

解説

所得税関係

一定期間内に被保険者が死亡した場合にのみ保険金が支払われるいわゆる定期保険の保険料を使用者が負担したことにより役員又は使用人が受ける経済的利益については、役員又は部課長その他特定の使用人のみを対象としている場合を除き、課税されません。

今回のケースの場合は、保険の付与対象を5年以上勤務した者のみとしていることから、非課税扱いの適用がされないこととされている「役員、部課長その他特定の使用人のみを対象としている場合」に該当するのではないかという考え方がないわけではありません。しかしながら、今回のケースのように5年以上勤務する者に対しては定期保険の保険料を負担することが、例えば、労使間の協定や社内規程等により全ての役員又は使用人に周知されている場合には、5年以上勤務すれば誰でもその保険料を負担してもらえることから、このような場合についてまでも特定の者に対して経済的利益を供与したものとして取り扱う必要はないと考えられます。

法人税関係

貴社が負担する保険料は福利厚生費として取り扱われます。

消費税関係

保険料を対価とする役務の提供は非課税とされていますので、支払った保険料の額は課税仕入れには該当しません。

また、死亡保険金や生存保険金の受取人が役員又は使用人(又はその遺族)である場合も、その保険料の額は役員等に対する給与として所得税の課税の対象とされるので、課税仕入れには該当しません。