【労務Q&A】有給休暇の基準日を統一することはできる?

労務Q&A
有給休暇の基準日を統一することはできますか?
法定の付与条件を下回らなければ、基準日を統一することができます。

解説

入社日が人ごとに異なる会社などでは、有給休暇の基準日が人ごとに異なり、誰が、いつ有給休暇が付与されるのか、細やかな管理が必要となります。そこで、基準日を月初などに統一することで、より多くの方を統一的に管理することが可能です。

基準日を統一する方法は様々ですが、まずは有給休暇の基本的なルールを確認していきます。

有給休暇の発生要件

労働基準法において、労働者は以下の2点を満たしていれば、有給休暇を取得することができます。

1.雇い入れの日から6カ月継続して雇われている
2.全労働日の8割以上出勤している

原則となる付与日数

使用者は、労働者が雇い入れの日から6か月間継続勤務し、その6カ月間の全労働日の8割以上を出勤した場合には、原則として10日の有給休暇を与えなければなりません。

パートタイム労働者など、所定労働日数が少ない労働者については、有給休暇の日数は所定労働日数に応じて比例付与されます。比例付与の対象となるのは、所定労働時間が週30時間未満で、かつ、週所定労働日数が4日以下または年間の所定労働日数が216日以下の労働者です。

参考:厚生労働省「年次有給休暇取得推進特設サイト

基準日を統一する方法

基準日を4/1に統一し、入社時に付与する方法

4/1に入社した者は入社時に10日間の有給休暇が付与されます。本来であれば、入社日から6カ月後の10/1が基準日となりますが、法定の付与条件を上回る有利な取り扱いとなるため問題ありません。

また、入社日から1年後の翌年4/1には11日間の有給休暇が付与され、以降も1年ごとに付与されることになります。

基準日を年2回にする方法

基準日を年2回にすることで、入社日による有給休暇付与のタイミングの不公平感を軽減することができます。

基準日を4/1と10/1の年2回とした場合。
4/1~9/30に入社した者は、基準日を10/1とする。
10/1~3/31に入社した者は、基準日を4/1とする。

このように年2回の基準日を設定することにより、上記でご紹介した基準日を4/1に統一する方法のように入社日に10日間の有給休暇を付与する必要はなく、入社日に対応した基準日に有給休暇を付与すれば法定の付与条件を満たすことができます。

まとめ

基準日を統一する方法は様々で、使用者、労働者それぞれにメリットが感じられるような制度を導入し、運用していくことが重要です。基準日を統一する場合には、「入社6カ月後に10日、その1年後に11日」という法定の付与条件を下回ることが無いように注意が必要です。

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