取引先と交換した名刺の管理は、各担当者に属人化しており管理方法もバラバラであるケースが多いです。名刺情報は適切に管理することによって、社内の情報共有やマーケティングへの活用など様々な効果が期待できます。
本記事では、名刺管理の方法について、アナログ式とデジタル式に分けて詳しく解説していきます。名刺管理の方法について検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください。
名刺管理の現状と課題
社会人として長く会社に勤めると、取引先と交換した名刺の数は膨大なものとなってきます。交換した名刺の整理に時間を割くことができず、必要な名刺を探すことに多くの時間を費やしている現状があります。
また、営業担当者が各自で名刺を管理している場合、名刺管理が属人化している点が課題です。営業担当者以外は顧客情報を把握していない場合、担当者の不在時に適切な顧客対応ができません。
名刺管理が属人化しているということは。顧客情報を組織で共有できていないということです。そのような状況では、名刺を基に顧客リストを作成するなど、営業資源として活用することは困難です。
アナログ式の名刺管理方法
アナログ式の名刺管理方法は、名刺をそのままの状態で管理する方法です。コストがあまりかからず、枚数が少ない方にはおすすめの方法です。アナログ式の名刺管理には複数の方法があるため、それぞれの特徴について紹介していきます。
名刺ホルダー
名刺ホルダーは、ホルダーに名刺を差し込んで管理します。自分が使いやすいように並び順を変えることができるため、定期的に名刺を整理する習慣がある方におすすめです。名刺ホルダーの主な種類には、「回転式」「ファイル式」「バインダー式」などがあります。
ボックスタイプの名刺ケース
ボックスタイプの名刺ケースは、専用のボックスを用いるため、大量の名刺管理に向いています。インデックスを使用して、五十音順や企業別など、カテゴリーに分けて名刺を保管できます。しかし、カテゴリーを詳細にし過ぎると、管理が繁雑になってしまうため注意が必要です。
アナログ式の名刺管理のメリット
アナログ式の名刺管理の方法には、どのようなメリットがあるのでしょうか。それぞれについて紹介していきます。
低コストで管理できる
アナログ式の名刺管理では、名刺ホルダーや名刺ボックス程度の費用しか発生しません。そのため、管理にかかる費用は非常に低コストです。
管理する枚数が少なければ効率的
新規顧客とのやりとりが少なく、既存の取引先担当者や外注業者の名刺を管理するだけであれば、簡易的にファイリングするだけで問題ありません。必要な名刺をすぐに一覧で見ることができますから、簡単かつ効率的といえます。
アナログ式の名刺管理のデメリット
アナログ式の名刺管理の方法には、どのようなデメリットがあるのでしょうか。それぞれについて紹介していきます。
紛失など情報漏洩リスクが高い
アナログ式の管理では、紛失等による情報漏洩リスクが高いです。郵便を送る為に事務スタッフに名刺を預ける、出張先に名刺を持っていくなどにより、紛失するケースがあります。また、名刺ファイルそのものの紛失リスクもゼロではありません。
俗人化しがちで社内共有が難しい
情報の社内共有が難しい点は、アナログ式の名刺管理の最大のデメリットです。個人事業主やフリーランスであれば問題ありませんが、会社という組織では、顧客情報を社内で共有できていないことは好ましくないです。アナログ式の名刺管理では、名刺交換をした担当者のみがファイリングや管理をするケースがほとんどです。
持ち歩きが難しい
アナログの名刺管理で使用する名刺ホルダーや名刺ボックスは、数が多くなってくると持ち歩きが難しいです。また、バインダー式の名刺ホルダーから一部だけを抜き出すと、抜き出した名刺を紛失してしまうリスクがあります。
デジタル式の名刺管理方法
デジタル式の名刺管理では、名刺をデータ化し管理を行います。「検索性の向上」「保管スペースが不要」などさまざまなメリットがあります。デジタル式の名刺管理には複数の方法があるので、それぞれの特徴について紹介していきます。
名刺スキャナ
名刺スキャナで名刺をデータ化します。専用の名刺管理ソフトが付帯されているのが一般的です。紙での保管に比べ、保管可能となる名刺枚数が大幅に増加します。しかし、スキャナの文字認識機能の精度によっては、目視によるチェックや手直しが必要になります。
エクセル
エクセルに名刺データを入力する方法です。日常業務でエクセルを使用しているのであれば追加コストが発生しませんが、手入力による登録のため手間がかかります。
スマホアプリ
スマホアプリを活用して名刺管理を行う方法です。スマートフォンで名刺を撮影して情報をデータ化し、クラウドでデータの保管・管理を行います。外出先でも名刺の登録・閲覧が可能という大きなメリットがあります。しかし、名刺の読み取りは１枚ずつしか行えないので、大量の名刺交換が発生する場合は、読み取りの手間を考慮する必要があります。
デジタル式の名刺管理のメリット
デジタル式の名刺管理の方法には、どのようなメリットがあるのでしょうか。それぞれについて紹介していきます。
社内の情報共有が容易
営業担当者が受け取った名刺を名刺管理ツールやアプリに入力することで、顧客情報の社内共有を容易に行うことができます。作成した名刺データベースは、社内の誰もが閲覧・共有が可能となるためです。これらを活用して、最新の顧客情報の確認等に役立てることもできます。
かさばらず、どこでも閲覧できる
デジタル式の名刺管理では、名刺原本の持ち歩きや、保管の必要がなくなります。デジタル式のため、出先であってもすぐに顧客情報を確認することができます。
整理や検索が簡単
デジタル式の名刺管理では、所属企業や氏名で検索したり、名刺データにフラグをつけたりすることが可能です。企業ごとの抽出や必要な名刺情報を即座に検索できるため、業務効率の向上が期待できるでしょう。
セキュリティ対策がしっかりしている
デジタル式の名刺管理で使用するツールやアプリは、セキュリティ対策をしっかりと行っています。また、実際に名刺を持ち歩くことがないため、物理的な情報流出や紛失の恐れがありません。セキュリティ体制の整ったツールやアプリを選択することで、アナログ式の管理に比べて情報漏洩リスクを低減できるでしょう。
デジタル式の名刺管理のデメリット
デジタル式の名刺管理の方法には、どのようなデメリットがあるのでしょうか。それぞれについて紹介していきます。
コストがかかる
デジタル式の名刺管理では、名刺管理ツールやアプリを導入にコストがかかります。無料で利用できるツールもありますが、セキュリティ対策の観点から有料のツールを選ぶことをおすすめします。料金体系は、月額制や、取り込む名刺の枚数によって変動するプランなどさまざまなプランが設けられています。
時間がかかる
名刺管理ツールやアプリで名刺を取り込む際には、スマートフォンのカメラやスキャナを使用します。多くのツールでは、OCR機能を利用して画像データから文字の読み取りを行います。しかし、読み取り精度は100％ではないため、読み取った情報に間違いがないか目視でチェックする必要があります。名刺の枚数によっては、想定以上に時間がかかってしまう場合もあります。
まとめ
名刺管理の方法について、アナログ式とデジタル式に分けて解説してきました。名刺管理をデジタル化することで、顧客情報を社内で共有することが可能となり業務の効率化に繋がります。また、顧客情報をデータベース化することにより、マーケティングへの活用も可能となります。名刺管理の方法について課題を感じている方は、これを機会にデジタル化について検討してみましょう。
