リファラル営業とは?メリットデメリットや効果を上げるコツについて

経営お役立ち情報

「営業担当は頑張ってくれているが新規契約の伸びが鈍化している」
「リード獲得数は多いが、契約に結びつくものが少ない」
「営業のコストは上げず契約数や契約単価の質を上げる方法はないだろうか」

このような悩みはないでしょうか。どんな業界の会社であっても新規顧客は大事なので営業に力を入れている企業は多いかと思います。ただリード獲得数に対していまいち結果(本契約)がついてこない・・というケースはありますよね。

そこで役に立つのが「リファラル営業」です。リファラルは「紹介」という意味で直訳すると紹介営業となります。「リファラル営業」を活用することで営業の質を大きく上げられる可能性があります。

今回は「リファラル営業」の概要と何がメリットなのか、解説していきます。

リファラル営業とは何か。仕組みについて

「リファラル営業(=紹介営業)」とは自社以外の第三者に自社のサービスに興味を持っている人を紹介いただき、アポや契約につなげる方法を意味します。

ここで従来の営業とリファラル営業時の流れの差について解説すると

・従来の営業→自社の社員がテレアポや飛び込み営業、展示会やWEBなどからリード(見込み客)を獲得し、アポを経由して契約を受注
・リファラル営業→自社以外の第三者が自社営業の代わりにサービスの紹介からアポまでを獲ってくれる。(=自社はアポ取り後の説明からはじめられる)

という差があります。

リファラル営業成功時には紹介者にマージンを払うのが基本です。自社営業は月に1度の給料を払って活動してもらいますが、リファラル営業は成果報酬として紹介やアポが決定した数に応じて支払いをすることが多いです。

また支払う報酬は販売製品の難易度(価格や伝えやすさ)とアポ取りの難易度(相手が一般社員か、決済権持ちかなど)によって変動し、決まった相場がないのが特徴です。

リファラル営業と代理店営業の差について

リファラル営業と似たシステムに代理店営業があります。何が違うのでしょうか。

・代理店営業→アポから契約までの一連の流れを担当。専門性、責任、対価報酬が高い
・リファラル営業→基本はアポまで。「知り合いを紹介」というスタンスなので個人の請負もある→対価報酬は安め

上記の差があります。代理店営業の場合、依頼相手は法人が多く担当もアポから契約までと範囲も広く、その分必要になる費用も高くなる傾向があります。

逆にリファラル営業の場合依頼相手は個人が多く(法人の場合もあります)、範囲はアポ取りまでなので費用が安くなる傾向があります。

営業を全部代行してくれるのが代理店営業、営業の一部を代行してくれるのがリファラル営業といったイメージです。

リファラル営業の効果とメリット

ではリファラル営業は具体的にどのような効果とメリットがあるのでしょうか。

・紹介者と紹介された側(またアポ取り後の自社営業)の間に最初から一定の信用がある
・アポイントにかける時間、労力の削減→自社営業の一部を代行してくれる
・コストの削減→成果報酬なので獲得アポ(リード)数に応じて支払うだけですむ
・アポ取り範囲の広さ→今はSNSなどネットを活用したものも多く、自社の営業だけでは繋がれない人を紹介してもらえる可能性がある。

リファラル営業ではどのような方が紹介されるのでしょうか?それは紹介者自身の知り合いがほとんどです。つまり繋がりを維持できていて一定の信用があるということです。その方から「あなたの役に立てるサービスがありますよ」と言われたら話を聞いてみたいとなります。

逆に自社で営業する場合テレアポや飛び込み営業などが多いと思いますが当然「はじめまして」なので信用は0です。このタイミングでいきなり自社サービスの話をされても「押し売り」となってしまう可能性があります。

リファラル営業ならこの新規の関係構築を紹介者に任せられます。またこの関係構築や自社サービスの案内も自社で対応すると当然コストがかかります。しかしリファラル営業で紹介者に任せられるならそのコストをカットできます。自社のリソースはアポ取り後に集中できるのです。

また、自社営業だとテレアポや飛び込み営業をしてもアポの獲得件数が0、という可能性もあります。この場合、給料の支払いがあるのに、成果は0という状態になってしまいます。

しかし、リファラル営業の場合獲得件数に応じた報酬を支払えば良いので基本無駄は発生しません。営業コストに対して利益を出しやすいということになります。

リファラル営業のさらなるメリットとして自社だけでは繋がれなかったはずの人を紹介してもらえる、というものがあります。

例えば自社の営業活動ではいきなり決裁権者や役員の方とつながることは難しいです。営業時点で誰が決裁権を持っているのかわからないですし、分かってもいきなり繋げてもらえず、まず対応してくれた担当者と仲良くならなければならないこともあります。

リファラル営業なら紹介者は紹介しようとする相手の情報はある程度知っているはずです。例えば、相手の役職やどの部署にいるのか、紹介しようとするサービスの話がわかる人なのか、など。紹介者も成果報酬制なので「話してもアポに繋げられない」無駄な人を紹介することはなく、必然的に自社サービスに興味がある人だけの紹介率が高くなります。

リファラル営業のデメリット

メリットが多いリファラル営業ですがデメリットもあります。

・アポイントの質が均一になりにくい→自社社員なら同じ資料、同じトークで営業相手の前提を作りやすい、が、リファラル営業は紹介者のスタンスに大きく依存する

リファラル営業の紹介者は良くも悪くも中立的な立場にあります。そのため自社サービスをどれくらい理解するか、紹介相手に魅力的に伝えてもらえるは人によって大きく差が出てしまいます。

極端な話、アポ取りまでが成果報酬ならアポさえ取れればよく、成約を前提とした話をしなくてもいいのです。自社の営業であれば当然アポ数でなく「契約数」がノルマとしてあり、意味のないアポ取りはしないはずです。ただリファラル営業だとアポ取りの質を均一化することは難しいです。

また、自社営業であれば社内の営業グループ内で「効果的なクロージングトーク」や「説明資料」をブラッシュアップして共有することができます。しかし、それらを持ち得ない紹介者は自社営業より効果的な営業活動がしにくい、というデメリットがあるのです。

リファラル営業を成功させるために抑えておくべきポイント

以上メリット・デメリットを踏まえてリファラル営業を成功させるポイントを紹介します。

・紹介者用のアポトーク、自社資料を準備する→紹介者、紹介される側、自社の3者間の前提のブレを減らせる
・紹介者とのコミュニケーションを密にとる

つまり、「リファラル営業の紹介者に全て投げるのでなく効率を上げるために自社でフォローを入れる」ということです。

またリファラル営業と自社営業の比率も重要です。

・別の販売チャネルもキープしておく
・自社の営業も残す、強くする→リファラル営業をしてくれる方の人数は変動するので最悪0になってもアポを取れる体制をつくっておく

リファラル営業の最大の強みは成果報酬制でコストを抑えつつリードを獲得できることです。しかし、ノルマがないため獲得数が一定しないというデメリットもあります。また最悪の場合「リファラル営業の紹介者が全く動いてくれない」可能性もあります。

そのため、自社は自社で内部の営業チームを強化する、という動きをして依存はしないことが大事です。

まとめ

「今よりもっと営業の効率を上げたい、質を上げたい、コストを削減したい」

そう考える企業であればリファラル営業は実践する価値があります。今回の解説がリファラル営業検討の参考になれば幸いです。

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