コンテンツマーケティングを知る
コンテンツマーケティングとは、価値あるコンテンツを潜在顧客に発信していくことで、最終的に自社の商品やサービスを購入してもらうことを目的としたマーケティング手法です。企業が運営しているオウンドメディアも、このコンテンツマーケティングの一種で、その数は増え続けています。
敏感な経営者の方は、この流れを受けコンテンツマーケティングの開始を検討しているかもしれません。しかし、始める前にはいくつか知っておいた方がいいことがあります。今回は、コンテンツマーケティングについて紹介します。
ざっくり解説!コンテンツマーケティングとは?
マーケティング手法には多くの種類が存在していて、より大きな効果を手に入れるためには時代に合ったマーケティング手法を実践することが大切になってきます。
今回、ご紹介するコンテンツマーケティングは、まさに現代に合ったあったマーケティング手法となっています。その理由は、現在の環境を考えてみるとご理解いただけるはずです。私たちの日常は、もはやネットと切り離すことはできません。仕事でのちょっとした調べごとから、趣味に関すること、買い物まで、非常に多くのことをネットを通じて行うようになってきたからです。これは、webマーケティングの重要度がますます高まっていることを意味します。
しかし、まだまだ効果的なwebマーケティングを行なえている企業は少数派です。それは、なぜなのでしょうか?この原因の一つと考えられるのが、目的を正確に理解できていない点にあります。効果的な手法であると分かっていても、まだ新しいマーケティング分野であるため、その効果と目的が正確に理解されていないのです。
では、コンテンツマーケティングの目的とはどこにあるのでしょう?それは、潜在顧客の掘り起こしにあります。企業側から情報を発信していくことで、潜在顧客を掘り起こすことができるのです。
始めやすいコンテンツマーケティングとは
見込み客の掘り起こしが目的だと言われても、なかなかイメージするのが難しいかもしれません。そこで、まずはイメージしやすいように実例を用いて紹介します。ここでは、コンテンツマーケティングの中でも比較的簡単に始められる「オウンドメディア」の実例を紹介します。オウンドメディアとは、自社が運営する情報発信サイトのことです。
オリジナルTシャツを販売する企業(A社)がオウンドメディアを運営するケース
A社はネットを通じての販売を増やしたいと考え、オウンドメディアの運営を開始しました。商品であるオリジナルTシャツは、様々な場面で活躍することが期待できます。例えば、町おこしのような商店街のお祭りもその一つですが、商店街の人がオリジナルTシャツを作るという発想を持たない場合もあります。この状況は、隠されたニーズがあることを意味します。そこで、A社は、このような状態にある商店街へ向け情報発信していくことを決めます。
商店街の人たちは、お祭りを盛り上げるために、ネットで情報を検索します。考えられる検索キーワードとしては、「商店街 祭り 手順」「商店街 祭り グッズ」「商店街 祭り 盛り上げる」「商店街 祭り 成功」などが考えられます。これらのキーワードを検索する人に向け情報を発信していくのです。
お祭りは、オリジナルグッズによって盛り上がる。オリジナルTシャツを作成することで、一体感と盛り上がりを演出できる。これらのメリットを紹介しながら、最後に自社商品の宣伝をしていきます。結果、検索した人が、その記事の内容に納得できれば商品購入の可能性が上がり、売上が増加するシステムです。
コンテンツマーケティングを始める前に知っておくべきこと
ここまで、コンテンツマーケティングについて解説してきました。
ここからは、コンテンツマーケティングを行う前に知っておくべき情報を紹介していきます。
メリットとデメリット
まず、最初に知っておくべき情報が、コンテンツマーケティングのメリットとデメリットです。コンテンツマーケティングのメリットには、次のようなものがあります。
・潜在顧客の獲得
・費用を抑えることが可能
・情報の蓄積でサイトが成長していき、大きな発信力を手に入れることができる
では、それぞれのメリットを詳しく紹介していきます。潜在顧客の獲得に関しては、先に説明した通りです。
まず、費用を抑えることができるというメリットについて説明します。コンテンツマーケティングは、小さく始めていくことが可能です。その為、社内の人間で対応していけば、初期費用はサーバー代とドメイン代だけで開始することができます。いきなり、サイト作成や記事の執筆を外注すると、それなりの費用が発生しますが、実験的に小さく始めてみる場合、初期費用はほとんど必要ありません。
もう一つのメリットが、積み重ねていくことでサイトが成長していき、大きな発信力を手に入れることができる点です。オウンドメディアの運営を続けていくことで、検索で上位表示される可能性が高まってきます。また、社内で対応していくことで、社員の知識と経験が蓄積されていき、社内のITスキルが向上します。さらに、継続していくことで環境が整い、試行錯誤を繰り返すことで、上位表示が可能になった結果、大きな発信力を手に入れることができます。
では、続いてデメリットを紹介していきます。
・時間がかかる
・効果測定が難しい
一番のデメリットは、時間がかかるということです。しかし、効果を早く手にしたい場合は、執筆や運営を外注するという方法もあるので、自社の状況に合わせた対応でクリアすることも可能です。しかし、外注したからといって必ずしも即効性があるとは考えない方がいいでしょう。どれだけ見られているサイトも、最初は一人の訪問者から始まったのです。地道な作業を積み重ねていくことで、大きな効果を手に入れることができると考えた方がいいでしょう。
二つ目のデメリットは効果測定の難しさにあります。実際、記事を見て購入されたかどうかを判断するのはそれほど簡単ではありません。この部分に関しては次章で説明します。
小さく始める測定方法
効果を実感するためにも、測定は欠かせません。しかし、この問題はGoogleが無料で提供しているアナリティクスという機能を使うことで、ある程度解決することが可能です。アナリティクスを利用すれば、訪問者数、滞在時間、ページごとの閲覧数といった情報を知ることができます。つまり、読み手の行動をある程度、知ることができ、改善点や効果を数字として確認することができるのです。最初から、詳細まで表示するソフトを使用する必要はありません。まずは、基本的な情報をデータとして蓄積していき、改善点を探すようにしましょう。
成功事例と失敗原因
最後に、コンテンツマーケティングの成功事例と失敗の原因を紹介します。
コンテンツマーケティングの成功事例
オンライン上で使用できる会計ソフトを販売するB社は、オウンドメディアを立ち上げました。コンテンツ内容は次のようなものとなっています。
・個人事業主ができる3つの節税術
・個人事業の経理を簡単にする3つの方法
・個人事業主の確定申告を一番簡単にする方法
上記のように、個人事業主の困りごとを解決するための記事をコンテンツ内に盛り込んだのです。もちろん、最後には自社のソフトを紹介して記事を締めくくっていました。結果、経理知識が少ない個人事業主に読まれ、多くの個人事業主がソフトの導入を決めたのです。
個人事業主というターゲットが抱える悩みを解決して、最後に商品の提案をする。この流れで、売上増加につながった好例となっています。
コンテンツマーケティングの効果が得られない原因
中には、コンテンツマーケティングを行ったが、思うような効果を得られなかった企業もあります。ここでは、コンテンツマーケティングの効果を得られない原因を紹介します。コンテンツマーケティングに失敗しているサイトには次のような特徴があります。
・コンテンツが面白くない
・自社に関係ない記事まで書いている
・コンテンツ内容が自己満足で終わっている
・効果検証と改善が行われていない
このような事態を避けるためには次のことに気を配る必要があります。
・読み手が面白いと感じられる内容となっているか?
・サイトのテーマ(自社商品や自社サービスに結びつく)から外れていないか?
・コンテンツ内容が、読み手に役立つものとなっているか?
・正しい検証と改善を行なっているか?
以上のことを意識しながら情報発信していくことで、効果がでない原因を消していくことが可能です。
まとめ
近年、自社の情報を発信するサイト「オウンドメディア」を持つ企業が増えています。
これまでは、消費者に新たな提案をして、潜在ニーズを掘り起こし、新たな需要を創造することは簡単ではありませんでした。しかし、ネットの普及により、比較的、簡単に誰でも行えるようになりました。
売上増加や新規顧客の獲得を目指すのであれば、トライしてみる価値はあるはずです。