昨今、クラウド会計ソフトは世の中に数多くリリースされていますが、その中でも代表的なのが、マネーフォワードクラウド会計(マネーフォワードクラウド会計クラウド会計)とfreee会計です。
マネーフォワードクラウド会計もfreee会計も魅力的であるため、これから導入しようと検討している人にとっては、選択に悩むことでしょう。本記事では、それぞれの特長や主な機能、料金プランについて解説します。合わせて、それ以外のクラウド会計ソフトについてもご紹介します。
マネーフォワードクラウド会計
まずはマネーフォワードクラウド会計について、その特長と主な機能、料金プランについて解説します。
マネーフォワードクラウド会計の特長
マネーフォワードクラウド会計の特長は、経理業務で必要になるすべての帳簿へアクセスしやすく、多方面からの伝票入力を可能にしている点です。この特長は経理経験者にとっては親しみやすい部分であり、マネーフォワードクラウド会計が玄人好みだと言われる所以です。もちろん、経理初心者にとっても扱いやすいレイアウトなので、個人事業主から大企業まで、幅広く活用できるクラウド会計ソフトです。
マネーフォワードクラウド会計の主な機能
マネーフォワードクラウド会計の主な機能をご紹介します。
まずは、帳簿についての機能です。
仕訳帳、現預金出納帳、総勘定元帳、補助元帳、残高試算表など、会計帳簿を管理する上で必要な帳簿にすぐにアクセスでき、各帳簿の数字の整合性を容易に確認できます。
次に、業務効率化に関する機能です。
大量のデータを入力するのは時間がかかるものですが、他のシステムや表計算ソフトなどのデータをインポートする機能が備わっているので、月次処理などの繁忙期に活用することによって、業務効率化を図ることが可能です。
また、クラウド会計ソフトならではの機能である、銀行やクレジットカードとの連携機能はもちろん備わっており、自動仕訳の機能を使えば仕訳入力の時間を大幅に短縮できます。
他にも、マネーフォワードクラウド会計には、給与、勤怠、経費、請求書などのクラウドサービスが提供されているので、それらと連携することによって、さらなる業務効率化をサポートします。
最後に、経営分析における機能です。
マネーフォワードクラウド会計は必要に応じて、キャッシュフローや収益・費用についてのレポートを出力できます。
特に経営資料に役立つのは、ローカルベンチマークの表示機能です。ローカルベンチマークとは、経済産業省が公表する6つの財務指標です。売上持続性、安全性、効率性、収益性、生産性、健全性の6つについて、今現在の状態をグラフに示します。これは、常に最新の経営状態を視覚的に把握できるので便利な機能です。
マネーフォワードクラウド会計の料金プラン
個人であれば月額980円から、法人であれば月額2980円から利用できます。この料金で、会計のほか、給与計算、勤怠管理、経費精算などが利用できます。その他、IPO準備や中~大企業向けのプランもあります。
【初期費用】
不要です。
【料金プラン】
※30日間の無料お試し期間があります。
※価格は変動しますので、最新の情報は公式HPをご参照下さい。
freee会計
freee会計について、その特長と主な機能、料金プランについて解説します。
freee会計の特長
freee会計の大きな特長といえば、直感的な操作で会計処理ができる点です。経理の知識に乏しくても、あるいは全くの経理初心者であっても、画面上で求められた処理を一つずつこなしていけば、必要な帳簿が出来上がっていきます。実際に使ってみると実感できるのですが、経理の帳簿を扱っている感覚がありません。仕訳入力についても、過去の仕訳を簡単にコピーできるので、登録のストレスを感じさせません。経理処理に時間をかけたくない人におすすめのクラウド会計ソフトです。
freee会計の主な機能
freee会計の主な機能をご紹介します。
まずはトップ画面の操作感です。
ログインすると、画面上には連携する・しないに関わらず、登録している銀行やクレジットカードの残高が表示されます。経理業務においてやり残したことがあれば、「やること」という項目にて、該当する作業をアナウンスしてくれるので、作業漏れを防止することができます。また、最近登録した取引もトップ画面に表示されるので、後から入力内容を見直したい時にすぐにアクセスすることができます。
次に、レポート機能についてです。
最新の収益について、freee会計はグラフと表の両方で表示します。タブや部門を活用することで、現状の売上分析が容易になります。これは部門ごとに把握したい方におすすめしたい機能です。
最後にお伝えしたいのが、仕訳登録機能です。
自動仕訳の機能もさることながら、過去の仕訳をコピーして登録することも簡単に行えるので、作業の負担を感じさせません。また、試算表から取引先を選択することで、過去の仕訳を参照し、コピーすることができます。仕訳の登録作業に時間をかけさせないのは、freee会計の優れた点です。
freee会計の料金プラン
freee会計は月額1980円から利用できますが、含まれる機能は会計と経費精算です。マネーフォワードクラウドと同様に給与計算や勤怠管理までを利用するためにはfreee人事労務も必要となります。freee会計と人事労務含めた料金は、月額3960円からとなります。
【初期費用】
不要です。
【料金プラン】
※30日間の無料お試し期間があります。
※価格は変動しますので、最新の情報は公式HPをご参照下さい。
マネーフォワードクラウド会計とfreee会計の大きな違い
それでは、マネーフォワードクラウド会計とfreee会計の大きな違いは何でしょうか。
ここでは、実務レベルで実感する違いを2点挙げておきます。
伝票番号がつくかつかないかの違い
マネーフォワードクラウド会計は伝票を登録すると伝票番号がつきますが、freee会計には伝票番号が存在しません。マネーフォワードクラウド会計は経理経験者寄りの仕様になっているのに比べて、freee会計はシンプルで、経理初心者でも取り組みやすい仕様になっているのです。
この違いは、利用者がいかに経理業務と向き合っていくかによって、その利便性が変わってきます。伝票番号があれば、経理データの見直しの際、その伝票番号を使って検索することができます。一方のfreee会計は、伝票番号がなくても、タブ機能を使って検索できますし、試算表から細かく掘り下げて確認することも可能です。
どちらの会計ソフトと相性が良いのかは、一度無料期間を利用して使ってみることをおすすめします。
経理の帳簿にこだわるのか、直感的な操作を重視するのかの違い
経理の帳簿により重きを置いているのがマネーフォワードクラウド会計であり、直感的な操作が売りなのがfreee会計です。
どちらも捨てがたい特長です。会社としてどんな利便性を求めるのかをはっきりさせることで、選ぶ会計ソフトは決まってくるでしょう。
それ以外のクラウド会計ソフト
マネーフォワードクラウド会計やfreee会計以外にも、各メーカーがクラウド会計ソフトを提供しています。ここではその主なものをご紹介します。
勘定奉行クラウド
勘定奉行クラウドは、クラウド会計ソフトの基本的な機能があるのはもちろんのこと、Excelなどのデータと連携させることが可能です。また、マイクロソフト社の「Microsoft Azure」でセキュリティ管理をしているので、安心して運用できます。導入の際は、現在利用中のシステムから簡単に移行できます。もし移行作業に不安な場合は、導入の設定を依頼することもできます。
弥生会計オンライン
弥生会計オンラインは、クラウド会計ソフトとしての基本的な機能を備えていながら、MACでも使用できるという点が特筆すべき特長です。また、起業家応援キャンペーンとして、2016年1月以降に法人登記した法人は、弥生会計オンラインのベーシックプランについて、初年度無料で利用できます(通常は年額税抜30,000円)。
※最新の情報についてはHPをご確認下さい。
PCA会計DXクラウド
PCA会計DXクラウドの特長は、カスタマイズの自由度が高い点です。自社のニーズに合わせた運用ができるので、より利便性を追求したい方におすすめです。また、無料お試し期間が3ヶ月間ありますので、その間に使用感を十分確認しておけます。
※最新の情報についてはHPをご確認下さい。
大臣DXクラウド
大臣DXクラウドの便利な機能は、定期的に発生する伝票について、毎日登録、毎週登録、毎月登録といった形で予約しておける点です。仕訳しないといけない取引が数多く存在する企業にとっては、新たに人を雇わずして自動で登録してくれる予約機能は、人件費の削減に大いに役立ちます。
まとめ
ここまで、マネーフォワードクラウド会計とfreee会計について、それぞれの特長や主な機能、料金プランについて解説しました。
どちらも優れたクラウド会計ソフトであることに変わりはないのですが、マネーフォワードクラウド会計は玄人好みと言われるように、帳簿により重きを置いているのに対して、freee会計は直感的な操作感に重きを置いており、視覚に訴えやすい表やグラフを用いているので、経営分析のしやすさに優れています。
また、それ以外のクラウド会計ソフトもいくつかご紹介しておきました。
どのクラウド会計ソフトを使うのかは、会社として何を求めているのかにかかってきます。無料のお試し期間を活用し、自社にとって最も有益なソフトを選ぶようにしましょう。