経営計画の概要、意味合い

経営お役立ち情報

経営計画とは

経営計画とは、一言でいうと「会社のビジョン(未来像)や目標を掲げ、達成するための経営戦略や具体的な行動戦略を定めたもの」です。

例えば、現在の売上高を2倍にしたいという目標があった場合、「どうすれば目標を達成できるのか」「どんなことをやっていくのか」を明確にするのが経営計画の役割となります。

経営計画はすべての企業で必要なもの

経営計画は、大企業や上場企業が作るものと考えている人も少なくありませんが、それは間違いです。

経営計画を作らないということは、地図も羅針盤も持たず航海にでるようなものです。

自社がどんな状況にあり、どう進めば目的地に到達できるのかを明確にしなければ、会社の発展は望めません。

特に近年の変化が激しい時代に、行き当りばったりの経営では生き残れないことははっきりしています。

経営計画は、会社を正しい方向に導くために、すべての企業で必要なものです。

経営計画は3種類に分類される

経営計画は一般的に、計画の対象となる期間により以下の3種類に分類されます。

・長期経営計画
・中期経営計画
・短期経営計画

長期経営計画

長期経営計画は、5~10年を対象期間とした経営計画です。

5年先、10年先の長い期間を見据えて会社のビジョンや戦略を検討していきます。

中期経営計画

中期経営計画は、3~5年を対象期間とします。

長期計画で描いた会社の未来像を実現するために、長期経営計画よりも短い期間を対象に具体的な戦略を検討するのが、中期経営計画です。

短期経営計画

短期経営計画は、1年を対象期間とした経営計画です。

長期・中期経営計画を年単位、月単位まで落とし込み、より具体的な行動計画を策定するのが短期経営計画です。

経営計画を作成するメリット

経営計画の策定には、以下のようにさまざまなメリットがあります。

・経営の方向性を明確にできる
・自社の現在の状況が把握できる
・経営で求められる判断や評価の指針になる
・会社全体で目標や戦略を共有できる
・社会的な信用を得られる

以下で、詳しく解説していきます。

経営の方向性を明確にできる

1つめのメリットは、経営計画を策定することで、自社がどんな目標・将来像に向かって活動していくのかが明確になることです。

どんなにいい船でも目的地を決めず地図も無ければ迷ってしまいます。

経営計画を作ることで目指す目的地が明確となり、例え想定外の事態が起きても軌道修正が可能となり、着実に目標に向かって進むことができるでしょう。

自社の現在の状況が把握できる

次のメリットは、自社の現在の状況が把握できることです。

経営計画を策定する際には、あらゆる角度から自社の現状を分析する必要があります。

自社にどんな強みがあり、どんな部分が弱いのか。どんな市場にチャンスがあり、どんな脅威があるのかを知れば、自社の今後の戦略の明確な指針になります。

経営で求められる判断や評価の指針になる

3つめのメリットは、経営計画が経営で求められる判断や評価の指針になってくれることです。

経営計画では、自社を取り巻く環境がどう変化し、どう攻めれば成功するのかについて仮説を立てます。

この仮説は、事業経営において求められる判断や評価のモノサシとなってくれますから、根拠と自信をもった判断ができるようになります。

また、仮に失敗したとしても、仮説と現実を比較し検証することで、今後の経営ノウハウのデータとして蓄積できる点もメリットと言えるでしょう。

会社全体で目標や戦略を共有できる

経営計画は、会社が今後進むべき方向や行動を明文化します。

全社がこれを共有することで、社員一人ひとりが何をすべきかを考え、迷いなく行動に移すことができるでしょう。

社会的な信用を得られる

経営計画は、社内への共有だけでなく、外部の利害関係者へ成長の道筋を示す役割も担ってくれます。

例えば、経営計画があることで金融機関からの信用は大きくなり、融資を受けられる可能性も高まるでしょう。

国や自治体が実施している補助金や融資制度には、経営計画の作成が条件となっているものもありますので、これらの制度を利用できる点もメリットと言えるでしょう。

経営計画の作成方法

経営計画を策定する際は、以下のような手順で作成します。

・STEP1 経営ビジョンの策定で方向性を明確にする
・STEP2 外部環境・内部環境の分析で自社の現在地を見える化する
・STEP3 経営戦略を策定する
・STEP4 数値計画を策定する

それぞれ、詳しく解説します。

STEP1 経営ビジョンの策定で方向性を明確にする

経営計画を策定する上で重要なのは、まずは目標やビジョンを明確にすることです。

経営計画の策定期間に合わせて、10年後、5年後、1年後などにどんな会社になりたいかを明確にしましょう。

策定の際には、長期→中期→短期の整合性を意識することが重要です。ここで明確にした経営ビジョンや目標は、以降のステップを策定するすべての基本となる重要なものです。

STEP2 現状分析で現在地を見える化する

進むべき方向を明確化したら、目標に対して自社が現在、どの位置にあるのかを確認するため、現状分析を行います。

現状分析は一般的に「内部環境分析」と「外部環境分析」の2種類に分類されます。

内部環境分析は自社の内部、つまり会社がもつ経営資源について分析し、強み・弱みを洗い出します。

外部環境分析は市場の動向や規模、世の中のトレンド、競合他社の動向などについて、分析し脅威・機会を明確化します。

STEP3 経営戦略を策定する

STEP2で自社の現在地が明確になったら、次に行うのは経営戦略の策定です。

経営戦略とは、経営ビジョンを達成するために自社の現在地からどのように経営ビジョンに近づいていくか、その具体的な方法・行動を策定することを指します。

経営戦略を検討する際には、先程分析した内部・外部環境分析で抽出した、強み・弱み・脅威・機会を元に検討しましょう。

これらをきっかけに、自社事業や製品・サービスをどのように展開するのか、どんな市場にアプローチするのかを具体的に検討します。

STEP4 数値計画を策定する

経営戦略を明確にしたら、それを具体的な数値計画に反映します。

数値計画は最終的に「損益計算書(PL)」「貸借対照表(BS)」「キャシュフロー計算書(CF)」にまとめます。

ただし、これらをいきなり作るわけではありません。

その前に以下のようなものを作成します。
・売上計画
・経費計画
・人員/人件費計画
・生産/仕入計画
・在庫
・研究/開発計画
・設備投資計画
・資金計画

作成した経営計画を活かすために重要なこと

経営計画は策定したら終わりではありません。

冒頭でご説明した通り、経営計画の役割は将来の目標を達成するための指針を作ることです。

経営計画が、目標達成に向けた有効なものとなるかは、「策定した後」が重要です。

経営計画の進捗状況を常に監視できれば、月次単位でPDCAを回すことをおすすめします。

市場環境の変化や想定外の事態が起これば、柔軟に変更することも重要です。

まとめ

いかがだったでしょうか?今回は経営計画の目的やメリット、策定方法などについて解説しました。

経営計画の策定は、企業の成長に欠かせない重要な指針となるものです。

経営計画を作成することで、経営の安定性は高まり、会社の成長に向けて着実に進んでいくことが可能になります。

また、経営計画を策定したら、定期的に進捗状況をチェックし、必要に応じ改善していく必要があります。

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