経営に役立つ書籍紹介 ~ジム・C・コリンズ著『ビジョナリーカンパニー』~

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弊社は経営理念である「数字に強い経営者を育てる」を実現するために、この度社名の変更を決断しました。今回ご紹介するのは経営理念に関する書籍である『ビジョナリーカンパニー~時代を超える生存の原則~』です。

<著者の紹介>ジム・C・コリンズ
1958年1月25日生まれのビジネスコンサルタントで、出身はアメリカ合衆国コロラド州。スタンフォード大学で数理科学の学士号と経営学修士号を取得。その後はマッキンゼー・アンド・カンパニー社でコンサルタントを務め、ヒューレット・パッカード社のプロダクトマネージャーとしても働いた。『ビジョナリーカンパニー』はシリーズ化しており、第4弾まで出版されている。

<書籍の概要>
「ビジョナリーカンパニー」とは、業界トップ企業の地位を何十年間も維持している、未来志向の超一流企業のことです。アメリカの企業700社のCEOに対するアンケートで選ばれた18社※について、創業から書籍が出版される1994年までの歴史を調査して得られた基本原則や共通点がまとめられています。6年にも渡る調査の結果、これまで信じられてきた経営に関する「神話」を次々と否定しながら、理念を首尾一貫することの大切さを世界中に発信しています。
※調査対象:3M、 アメリカン・エキス プレス、 ボーイング、 シティコープ、 フォード、 G E、 HP、 IBM、 J& J( ジョンソン・エンド・ジョンソン)、 マリオット、 メルク、 モトローラ、 ノード ストーム、 P& G、 フィリップ・モリス、 ソニー、 ウォルマート、 ウォルト・ディズニー

<成功するには、素晴らしいアイディアが必要?>
「成功している会社は起業家の素晴らしいアイディアを武器に成功した」というのが否定された神話の1つです。ビジョナリーカンパニーの中で、創業期のアイディアがヒット商品になり、そのまま成功した企業はほとんどありません。例えばソニーは企業を立ち上げた後に、創業者の井深大氏が社員と相談しながら電気座布団などを開発して日銭を稼ぐ日々が続きました。

ビジョナリーカンパニーの共通点のひとつは、「すぐれた商品をつくること」よりも「すぐれた組織をつくること」に重きを置いている点です。優秀な人間のアイディアが企業を成功に導くのではなく、優れた組織をつくれた企業が成功するのです。

<成果を出すためには綿密な戦略が必要?>
「世界的に有名な企業のヒット商品は綿密に練られた戦略をもとに作られている」と思われがちですが、ビジョナリーカンパニーのヒット商品の多くは偶然の産物です。J&J社が開発した「ベビーパウダー」は「絆創膏を貼った部分が炎症した」というクレームに対応すべく、スキンパウダーを缶に入れて送ったことがキッカケで誕生しました。

無理に支配しようとしたり、細かい管理をしようしたりとせずに、「間違いはある」と認めて試行錯誤が許される文化をつくることができれば、それがヒット商品を生むための基礎になります。

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著者のコリンズは「超一流になるために欠かせないのは、純真さと勤勉さである。」と語っています。調査対象の18社に共通していたのは「理念を突き通している」ことであり、ビジョナリーカンパニーをつくり上げたのは「単純な方法でビジネスをしているごく普通の人」であるとのこと(ここでの「単純」は「容易」という意味ではなく「一貫している」という意味です)。
「我々は何者で、何のために、何をしているのか?」を具体的に示し、貫き通すことがビジョナリーカンパニーになる唯一無二の方法です。

図:12の崩れた神話
MVC②
出展:永井孝尚著「政界のエリートが学んでいるMBA必読書50冊を1冊にまとめてみた」

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