入社時の手続き①~雇用条件を明確にしましょう~

労務お役立ち情報

従業員を新たに雇用する際には、様々な手続きが必要です。今回は、雇用条件(労働条件)の提示方法として、雇用契約書作成時のポイントと、その他入社時の必要書類についてご説明します。

雇用契約書を作成する目的

従業員を雇用する際には、必ず労働条件を明示する義務があります。また、「労使間トラブルを未然に防ぐ」という側面からも労働条件を明文化し、従業員の雇用条件が法令に則しているか、確認する機会を持つことは重要です。

前回で説明した就業規則作成の目的と重なりますが、就業規則はあくまで「従業員全員に適用するルール」です。基本となる部分が一緒だとしても、賃金や雇用期間、業務内容などは従業員それぞれ異なるため、しっかりと確認しましょう。

労働条件明示の方法

新たに雇用する人に労働条件を明示する方法は2種類あります。

◇雇用契約書(労働契約書):雇用主と従業員それぞれが押印し、1通ずつ保管する形式

◇労働条件通知書:雇用主が作成し、従業員に通知する(渡す)形式

法律上はどちらの形式を採用しても問題ありません。しかし、雇用主と従業員の双方が合意していることを明らかにするためにも、雇用契約書を作成し、お互いに保管しておくことをおすすめします。

必ず記載するポイント

労働条件の絶対的明示事項(労働基準法施行規則第五条による)

・労働契約の期間
・勤務地及び、業務内容
・労働時間(始業・終業時間、休憩時間、休日、休暇など)
・賃金(締日・支給日、計算方法など)
・退職に関する事項(定年制度、継続雇用制度、自己都合による退職の手続き、解雇事由など)
・昇給に関する条件

従業員を雇用する際には、以上の6点を必ず伝えなくてはなりません※。また、就業規則の中で具体的に定めてある場合には、「就業規則第〇〇条に定めるとおり」などと記載し、就業規則を渡すことも「明示義務を果たした」ということになります。
※「昇給に関する条件」のみ、書面ではなく、口頭などでの明示が認められています。

雇用契約書以外に提出していただく書類

雇用契約書や労働条件通知書のように、義務付けられているわけではありませんが、入社前に以下の書類を提出していただくことで、労使間トラブルの予防につながります。

◇誓約書:ルールの厳守を約束してもらう
誓約事項は会社によって様々ですが、「誠実に勤務することの誓約」「履歴書に虚偽がないことの確認」「人事異動についての同意」「秘密保持の誓約」「賠償責任の同意」の5つが盛り込まれていることが一般的です。

◇身元保証書:万が一の際の保証人を立ててもらう
会社に対する損害や、労働契約違反に備えて、身元保証人を立ててもらうのが目的です。「転ばぬ先の杖」として提出を義務付ける会社が多いです。

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前回でも述べたとおり、労働基準監督署の目が厳しくなってきました。これまで労基署が注視していたのは建設現場や工場などの作業員、運送業のドライバーなどいわゆる「ブルーカラー」でしたが、昨年の電通の事件以降、大企業の「ホワイトカラー」への監視が強くなっています。中小企業に目を向けるのも時間の問題ですので、「法律に則した雇用管理」を徹底しましょう。

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