【税務Q&A】中小企業倒産防止共済の前払掛金は払込時の損金に計上できる?

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当社は、この度、中小企業倒産防止共済法に基づく共済契約を締結し、その掛金として1年分60万円を一度に払い込みましたが、前納分についても、払込時の損金としてよいでしょうか。

前納期間が1年以内のものは、支払時の損金とすることが認められています。

解説

法人が、長期にわたって使用され、又は運用される基金に係る負担金又は掛金を支出した場合で、租税特別措置法第66条の11第1項各号に掲げるものに該当するときは、その支出した金額は支出時の事業年度の損金の額に算入されることとなっており、ご質問の中小企業倒産防止共済事業に係る基金に充てるための共済契約に係る掛金ものこの中に含まれています。

すなわち、これらの負担金等は、本来その基金の使用状況に応じて損金の額に算入されるべきものですが、その負担金等が、法令に基づき拠出されるものであり、かつ、公益性、緊急性の高い特定の業務の費用に充てられるものであることなどから、その基金の使用状況にかかわらず、その支出の都度損金とすることが認められているものです。

更に、中小企業倒産防止共済法の規定による共済契約を締結した法人が中小企業総合事業団に前納した共済契約に係る掛金のうち、その前納の期間が1年以内であるものについてはその支出時の損金として処理することを認めることとし、その他のものについては前払金として処理することとして取り扱われています。

ところで、この共済契約に係る掛金は5年間60回払いが原則であり、これを一括して前納した場合においても、その前納された掛金は払い込むべき月の初日が到来しないと納付の効果が生じないこととされていることから、本来的にはその支払うべき日の到来するまでは損金とすることができないものと考えられます。しかし、前納の期間が1年以内の掛金についてその支出時の損金として処理することを認めるという取扱いは前納の期間が1年以内のものに限り掛金の割引制度が設けられていること、更には、前払費用の額で1年以内に役務の提供を受けるものについては、その支出時の損金とすることができるものとされていることなどを考慮して認められているものです。

したがって、ご質問の場合、貴社が一括払込みをした1年分の掛金額60万円分の全額について、その払込み時において損金として差し支えありません。

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