【労務Q&A】年休の「計画的付与」とはどういった制度でしょうか

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年休の計画的付与とはどういった制度でしょうか。

年休の計画的付与とは、年休の5日を超える部分について、労使協定を締結したうえで、①事業場一斉に、②班ごとに、あるいは③個人ごとに、それぞれ有給休暇の付与を行うことができる制度です。

年休の「計画的付与」とは

年休とは、前年度の精勤(出勤率80%以上)に対して労働者に与えられる権利であり、労働者は、本人の好きな時季にその権利を行使することができるものです。

しかし、日本では年休の取得率が極めて低水準であったことから、昭和62年の労基法改正により、その取得率を向上させ労働時間の短縮を図ることを目的として年休の計画的付与制度が設けられました。すなわち、付与年休の内、5日については個人の自由による取得のために保留し、5日を超える部分については労使合意の下で計画的に付与できるというものです。

なお、年休の計画的付与制度には、時間単位の年休を組み込むことはできません。

計画的付与の方法

計画的付与を行うためには、「当該事業所に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者」(労基法39条6項)との労使協定を締結することが要件となります。(その際、労働基準署への届け出は不要です。)

行政解釈では、特別の事情によって年休付与日をあらかじめ決めることが適当ではない労働者については、年休付与の労使協定を締結する際に、計画的付与から除外することも含めて、十分に労使関係者が考慮するように指導する事を、労働基準監督署長に求めています。

まとめ

計画的付与は有給の取得を推進するにあたり有用な制度となりますが、運用方法によっては違法となってしまう場合もあります。その点に留意しつつ、運用することをお勧めいたします。

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