ESG経営のメリットとは?中小企業が取り組む方法を事例付きで解説!

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21世紀に環境問題や人権問題が経済成長を妨げると認識され始め、ESG経営が注目されています。中小企業が取り組むべきESG経営とは何なのでしょうか?どのようなメリットがあるのでしょうか。

今回はESG経営について解説します。この記事を読めば、ESGの取り組み方が分かるようになるはずです。ぜひ、中小企業の経営者の方は参考にしてみてください。

ESG経営とは

まずは、ESG経営について簡単に説明します。

ESGの定義

ESGとは、環境(Environment)・社会(Social)・ガバナンス(Governance)の頭文字をとった略語で、企業成長に必要な取り組みを指します。世界共通で認識されているもので、21世紀に環境問題や人種差別が経済成長を妨げると認識され始めた頃から注目を浴びています。

ESGが普及した理由

2006年に国際連合が「責任投資原則(PRI)」を提唱しました。責任投資原則により、財務情報だけでなく企業の環境問題や人権問題への貢献度を指標とした投資が推奨され始めました。この影響を受けて、投資家向けに財務情報と非財務情報をまとめた「統合報告書」を作成する企業も増えています。

環境破壊や人権差別を助長する商品やサービスは、政府の規制で販売ができなくなる恐れがあります。また、納品先の店舗が取り扱いを拒否する可能性もあります。その結果、売上が急激に落ち込むかもしれません。しかし、ESGに取り組む企業を投資先に選べば、このような問題は発生しづらいため投資リスクの防止ができます。

ESGとSDGsの違い

ESGとSDGsは意味が似ていて間違われやすいですが、以下のような違いがあります。

・ESG…民間企業の課題・投資判断の指標
・SDGs…国連や各国の政府が掲げている目標

SDGsについて詳細を知りたい方は、過去記事「SDGsとは?中小企業の取り組み方を具体的に解説」を参考にしてください。

ESG経営のメリット

ESGに取り組む企業には、どのようなメリットがあるのでしょうか?

企業価値の向上

厚生労働省所轄の年金積立金管理運用独立行政法人は、2017年度からESG指数に基づいた株式投資を開始しました。環境問題や人権問題に取り組む企業に投資すれば、社会にプラスの影響力をもたらし経済成長に繋げられるからです。ESG経営に取り組む企業は企業価値が向上し、資金調達が行いやすくなります。

競争力の向上

消費者へのアピールにもESGは効果を発揮します。消費者は企業の取り組みを考慮した上で、商品やサービス購入する動きが出てきています。環境問題や人権問題に配慮された商品やサービスを購入することを「エシカル消費」と呼ぶようになりました。インターネットを活用すれば、各企業の生産工程など情報収集が簡単に行えます。そのため、ESGに取り組み、情報発信をしていけば、消費者から商品やサービスを選んでもらえるようになります。

優秀な人材の確保

ESG経営では人権問題に配慮する必要があり、ESG指標が高い企業は働きやすい職場と認識されます。そのため、優秀な人材が確保しやすくなります。日本は少子高齢化の影響で人材不足問題が深刻化してきているため、優秀な人材を確保するためにもESGに取り組みましょう。

働きやすい職場の実現

ESG経営に取り組む企業であることを従業員に認識してもらえれば、環境問題や人権問題を1人1人が意識するようになります。その結果、働きやすい職場が実現できるのです。働きやすい職場を整えれば、離職率が低下して採用コストが削減できます。

ESG経営のデメリット

ESG経営には、次のようなデメリットもあります。

明確なESG指標がない

ESG経営はブランド向上や資金調達に影響を与えるため取り組みたいと思っても、明確なESG指標は定められていません。ESGに取り組む姿勢だけでも好印象を与えられますが、ESG経営に順調に取り組めている企業であるか判断しづらいのが実情です。したがって、ESG経営が曖昧なものになる恐れがあります。

短期的な指標で判断できない

環境問題や人権問題への貢献度は短期的に行えるものではありません。長期的に取り組むことで貢献度が測定できるようになります。短期的な指標で判断しやすいものには、組織内部の改革があります。ハラスメント対策に注力したり、コーポレートガバナンス強化をしたりすれば短期的な指標が得やすいです。しかし、それ以外は短期的な指標での判断は難しいです。

経営者の行動に注目が集まる

ESGが浸透すると、経営者の行動に注目が集まります。人種差別の表現を含んだ発言をしたり、文章を発表したりすれば撤回に追い込まれるでしょう。経営者は企業の顔なので、ESGに反する原動を行うと評価が落ちる恐れがあるため、ESGに配慮した行動を心掛ける必要があります。

ESG経営の取り組み方

ESG経営の必要性を理解した上で、取り組み方について理解を深めていきましょう。

サステナビリティ

サステナビリティを意識した取り組みを行えば、ESG経営の基礎を築けます。代表的な例として、「環境保全を考慮して再生資源を利用する」「過剰な資源の利用を控える」などの取り組み方があります。

ダイバーシティ

人権問題に貢献する方法としてダイバーシティがあります。「性別」「国」「人種」「考え方」を尊重するダイバーシティを推進すれば、人権問題に貢献している企業であると認識してもらえます。

雇用の創出

雇用の創出により、人権問題に貢献できます。例えば、発展途上国の人々を雇用すれば社会貢献ができます。また、性差別の問題を解決するために、女性管理職や女性取締役の就任なども注目を浴びてきました。

情報開示

ESG指標で投資してもらうためには、情報開示が必要です。ブランド力の向上や資金調達にも大きな影響を与えるため、ESG経営に関する情報は適時開示をしてください。投資家向けに財務情報と非財務情報をまとめた「統合報告書」を作成する企業も増えています。

ESG経営に取り組む際のポイント

ESG経営に取り組む際のポイントを押さえておきましょう。

・経営陣がESGに関する知識を学び指揮をとる
・事業戦略とESG戦略を統合してブランドにする
・従業員にESGを意識づけ、行動を見直してもらう

ESG経営に取り組む企業事例

最後にESG経営に取り組む企業事例をご紹介します。

環境(Environment)

社会(Social)

ガバナンス(Governance)

まとめ

今回はESG経営について解説しました。ESG経営に取り組めば、金融機関や投資家、消費者から注目を浴びることができます。企業ブランド力の向上が見込めるため、これを機会にESGに取り組んでみてはいかがでしょうか。

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