中小企業経営者が知っておくべきAR/VRの基礎知識

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アライドマーケットリサーチによると、2020年に148億4000万ドルであったARおよびVRの市場規模は2030年までに4547億3000万ドルまで到達すると予想されています。

この調査からも分かるように近年AR/VRに注目が集まり、最近ではAR/VR技術が私たちの日常に馴染んできています。しかし、AR/VRについてまだ詳しくは理解できていない中小企業経営者の方も多いと思います。

今回は、AR/VRについての基礎知識から、今後どのようなビジネス分野でAR/VRが活躍するのか分かりやすく解説します。ぜひ最後までご覧ください。

AR/VRについて

初めにARとVRの特徴を踏まえてそれぞれどのような技術であるか、またどのような違いがあるかについても解説します。

ARとは

ARとは、「Augmented Reality」の略で、「拡張現実」と訳されています。スマートフォンやスマートグラスなどのデバイスを通して、画像や3D映像などのデジタルコンテンツで表現された世界のことを表します。

身近な例を出すと、ゲームアプリ「ポケモンGO」やスマートフォンで現実世界の物の寸法を測るアプリにARの技術は使用されています。

VRとは

VRとは、「Virtual Reality」の略で、「仮想現実」と訳されています。専用のゴーグルを着用することで、現実世界とは異なった仮想世界を体験することができます。

VRゴーグルを装着してのゲームを思い浮かべる人も多いでしょう。2016年にSonyが発売した「Play Station VR」によって家庭でもVRを手軽に楽しむことができるようになりました。また、2021年にFacebook社が社名をMetaにするなど、アバターを介して遊びや仕事をできるメタバースが近年注目を集めています。「VRChat」や「Horizon Worlds」など続々と登場しています。

ARとVRの違い

ARは現実の世界とデジタルコンテンツを組み合わせて表現する為、リアルタイムで現実世界と関わりがあり、現実世界を拡張して表現します。しかし、VRはシミュレーション体験など仮想世界に置き換えて表現します。

ARは現実をリアルタイムで拡張できる点、VRは自分の見ている景色とは違う仮想的な世界を体験できる点が異なります。

AR/VRの活用方法

ここからは、AR/VR技術が現在どのように活用されているのか、また今後はどのように活用されるか、事例を挙げて解説します。

AR/VRは間違いなく今後ますます伸びていく分野のため、経営者の方はどのような分野や業界で使用されるのか知っておきましょう。今後AR/VRの事業に参入しやすくなるだけでなく、現在のご自身のビジネスにもAR/VRを取り入れやすくなります。

ARの活用事例

ゲーム業界

「ポケモンGO」をはじめ、「妖怪ウォッチ ワールド」や「ハリー・ポッター:魔法同盟」など様々なARゲームが配信されています。ARを活用したゲームは現実世界とデジタルコンテンツを融合させるため、持ち運びに適しているのが特徴です。

また、様々な場所に移動しながらゲームを楽しむ傾向が強いため、人々に楽しく運動を促進させる効果も期待できます。さらにゲームによってはモンスターを捕まえるだけでなく、育てて対戦させるなどやりこみ要素も多いため、幅広い年代の方が楽しんでいます。

家具・インテリア業界

インテリア・家具業界からは、IKEAから「IKEA Place」、ニトリから「Room Co AR」がスマホアプリとして配信されています。これらのアプリで実際にお店で売っている商品を購入前にARで確認することで、部屋のサイズに合わなかった、部屋に配置してみるとイメージが違ったというミスマッチを防ぎます。さらにアプリ上からそのまま商品を購入することも可能です。

ファッション業界

ファッション業界では、服を購入する前に試着することが可能になりました。このサービスは、高級ブランドやウエディングドレスなど金額が大きい商品を選ぶ際に特に活躍します。

またNIKEの公式アプリ「Nike Fit」では自分の足のサイズを測ることができ、ファッション通販サイトのZOZOTOWNでも2021年にアディダスのシューズをARで試着できるテストサービスを期間限定で配信しました。

オンラインで服やシューズを購入すると着用イメージが付きにくい、サイズ感が分かりにくいといった問題がありました。しかし、ARによってその問題を解決することで、お店側としても返品や返金の手間を省くことが可能です。

音楽業界

音楽業界ではCDやDVDの販売促進の活動として、幅広くARが活用されています。

タワーレコードでは店内に置いてあるフォトパネルに専用のARアプリをかざすとフォトフレームが出現し、アーティストと一緒に写真を撮影することができます。また、ARコードを卓上に置いてスマートフォンをかざすと、画面上に3DCGのアーティストが出現し、その場で歌とダンスを楽しめるコンテンツもあります。

ARの発展により自宅にいながらでもライブを楽しむことができ、アーティストとの距離が以前よりも近くなりました。今後もますます音楽とARの結びつきは深くなるでしょう。

VRの活用事例

不動産業界

不動産業界のVR活用事例として、「VR内見」があります。

内見に行く時間がない、ネットの部屋画像だけだと部屋のイメージが付きにくいという意見もあるでしょう。また、コロナ禍の影響もあり内見がしにくい状況が続いています。しかし、VR内見では移動することなく部屋の広さやイメージを見ることができます。また、内見VRアプリを使用することにより不動産側も部屋の撮影時間を短縮できるなど販売側、購入者両者にとってメリットがあります。

医療業界

医療業界においてもVRが活躍しています。特に医療教育とシミュレーション体験などでVRの効果を発揮しています。

医療教育VRは医療学生や経験の浅い医師に対してVRゴーグルを着用したうえで実際に手術の手元の映像を見せることにより、手術の段取りや感覚をつかむことができます。

シミュレーション体験については老人シミュレーション体験などがあり、VRゴーグルと付属のヘッドホンを着用することによって、老人の目の見え方や音の聞こえ方を体験することができます。医療分野におけるVRは開発途中の技術も多くありますが、今後ますます利用が増えていくでしょう。

教育業界

VRの中でも教育業界は子供の興味関心を高めるとひときわ話題を見せています。VRを使用することで、様々な体験ができます。社会科見学の授業ではVRを使用することにより、遠く離れた国の文化や景色などを味わうことができます。また、津波の恐怖を知るためにVRを使用して、地震と津波が起こるメカニズムを知ることにも利用されています。安全教育の為にVRを使用するのはかなり効果的で、実際に体験しないと分からない恐怖や危険性を感覚的に理解することができます。教育業界におけるVRも今後ますます発展し、小中学校でもVRを活用した授業が増えていくかもしれません。

まとめ

今回は、中小企業経営者が知っておくべきAR/VRの基礎知識について解説しました。

現在は、エンタメやゲームに利用されているイメージが強いAR/VR業界ですが、間違いなく今後は教育、医療、交通、観光、防災などなど幅広い分野で利用されていきます。本格的なAR/VRブームが来る前にしっかりと、AR/VRについての知識をつけておきましょう。

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