ダイレクトマーケティングの基礎知識
マーケティング手法には、さまざまなものが存在します。
その理由は、顧客に対するアプローチ方法によって、得られる効果に大きな違いがあるからです。
また、時代の変化や世の中の流れ、人々の興味の対象によってもマーケティング手法を変えていく必要があります。
ある局面では通用したものが、別の局面では通用しなくなるということは、マーケティングの世界に限らず、よく起こる現象です。だからこそ、選択肢は一つでも多く手に入れることが重要になってくるのです。
今回紹介するダイレクトマーケティングは、有効性が極めて高いとされるマーケティング手法なので、ぜひ理解していただきたいと思います。
今回の記事を読むことで、ダイレクトマーケティングの基本から実用方法まで理解することができます。ダイレクトマーケティングを理解することは、今後のマーケティング戦略においても重要になってくるはずです。
ダイレクトマーケティングとは?
ダイレクトマーケティングを簡単に説明すると「消費者と直接コミュニケーションをとりながら、宣伝・販売を行っていくマーケティング手法」となります。
この対極に位置するのが、マス・マーケティングです。少し前までは、このマス・マーケティングがマーケティングの主流とされてきました。マス・マーケティングの考え方は、消費者を集団(マス)と捉えて効果的な宣伝や広告を実施していくというものです。
分かりやすい例でいえば、テレビやラジオのCM、新聞や雑誌に掲載されている広告がマス・マーケティングとなり、不特定多数の人に向けて、同じ広告を打つという特徴があります。
しかし、ネットが普及し始めてくると同時に、顧客一人一人に合わせた広告手法が効果を上げるようになり、注目されるようになってきました。その背景には、消費者がさまざまな情報を簡単に入手できるようになり、ニーズが細分化され始めたということが関係しています。
ダイレクトマーケティング4つの手法
ネットの普及により、注目されるようになってきたダイレクトマーケティングですが、実は、ダイレクトマーケティング自体は、ネット普及前から使われていました。
代表的なものでは、消費者に直接コンタクトを取る方法として活用されてきたダイレクトメール、電話やFAXを使用したテレマーケティングなどがあります。
メールを使ったEメールマーケティングもダイレクトマーケティングの一つの手法です。
また、近年では消費者とのやり取りがダイレクトに行えるSNSマーケティングも、有効なダイレクトマーケティングとして注目されるようになってきました。
SNSのユーザー数を考えると、非常に有効な手段だといえるでしょう。実際、SNSを使った情報配信を行っている企業が増えていることからも、その有効性は高く評価されていることが分かります。
ダイレクトマーケティングのメリットとデメリット
消費者に対して一方的に情報を発信するマス・マーケティングと違い、ダイレクトマーケティングは、消費者と双方向のコミュニケーションを大切にします。
個人に対するアプローチにより、具体的に何が変わり、どのような効果があるのかを知るために、ここでは、ダイレクトマーケティングのメリットとデメリットを紹介していきます。
ダイレクトマーケティングのメリット
ダイレクトマーケティングのメリットには次のものがあります。
・費用対効果が高い
・費用を抑えられる
・レスポンスを集計することで改善点が明確になる
・積み上げが大きな武器になる
まず、最も大きなメリットとして、費用対効果の高さがあります。ダイレクトマーケティングはマス・マーケティングと違い、顧客名簿を使用したり、ターゲットの属性に合わせたアプローチをとったりすることで、少ない費用で効果を得やすいという特徴があるのです。
ターゲットを絞り込むことで、広告費や労力を削減することにもつながるので、結果的に人件費を抑えることも可能になります。つまり、二重の費用の削減が可能になるのです。
また、レスポンスを集計しやすいという特徴も見逃せません。顧客からのレスポンスを集計することで、今後の改善点を見つけて対応していくことも簡単に実現できるようになりました。
その他にもダイレクトマーケティングのデータを積み上げていくことで、より精度の高いマーケティングを行うことが可能になるというメリットもあります。積み上げたデータを分析していくことで、より効率的なマーケティングが可能になるのです。
ダイレクトマーケティングのデメリット
ここまで、ダイレクトマーケティングのメリットを紹介してきました。続いて、デメリットを紹介していきます。
ダイレクトマーケティングには次のデメリットが存在します。
・効果が出るまでに、ある程度の時間がかかる
・ターゲットによって手法を変える必要がある
・定期的に広告の見直しが必要になる
一番のデメリットは効果を得るまでに時間がかかることです。
顧客データを積み上げるまでは、我慢の時間が続くことが予想されます。
ダイレクトマーケティングは、効果測定やPDCAサイクルに強いという特徴があるのですが、そのためにはある程度のデータが必要になってくるので、時間がかかるのは仕方がない部分もあります。ダイレクトマーケティングを取り入れる際には、この点を考慮しておく必要があるでしょう。
また、ターゲットによって手法を変えなければいけないというデメリットも存在します。
ダイレクトマーケティングは、個に訴えていくマーケティング手法です。そのため、マス・マーケティングのように、全体に向けて一つの広告を作って終わりというわけにはいかないのです。それぞれのターゲットに合わせた広告を作成していかなければ、本来の目的を果たすことは難しいでしょう。
また、定期的に広告の見直しも必要になってきます。なぜなら、時代の流れにそぐわない広告を打っても意味がないからです。この部分には、範囲を狭めているからこそ、余計に気を配る必要があるでしょう。
効果的なダイレクトマーケティング手法の探し方
ここまで、ダイレクトマーケティングの基礎知識とメリット・デメリットを紹介してきました。
ここからは、具体的な活用方法を紹介してきます。
アプローチすべき顧客を正しくイメージする
ダイレクトマーケティングの特徴は、ターゲットを絞り込む点にあります。
そのため、誰にアプローチするのかは非常に重要なポイントとなるのです。ターゲットを明確にできていなければ、結局誰にも届かない広告となってしまう可能性があるからです。
このような事態を防ぐためにも、ターゲット層を明確にしておく必要があります。ターゲット層を明確にすることで、ターゲット層が抱える問題が、より明確に見えるようになってきます。
結果、効果的なアプローチを導き出すことができるのです。どのようなアプローチをとっていくのかを考える前に、しっかりとターゲット層を絞り込むようにしましょう。
SNSとダイレクトマーケティングの親和性
ダイレクトマーケティングは、双方向のコミュニケーションがとれることが強みです。
そして、現在、消費者と最もコミュニケーションを簡単に取れるツールがSNSになります。
実際、SNSのユーザー数は右肩上がりとなっています。これは、企業としては大きなチャンスです。なぜなら、無料で消費者とコミュニケーションをとることができるからです。
中には、SNSに対して懐疑的な方もいらっしゃるかもしれません。しかし、これだけ多くのユーザーが使用している現実を無視することはできないはずです。
また、リアルタイムで情報を発信できるのも大きな強みとなります。SNSを使えば、消費者のリアルな声を、より早く聞くことができるのです。SNSを利用するのに大きな費用はかかりません。
ダイレクトマーケティングの入り口としては、非常に試しやすいものとなっているので、検討する価値はあるはずです。
まとめ
ネットの普及により、消費者は多くの情報を簡単に入手できるようになりました。
その結果、消費者のニーズは細分化されたのです。細分化されたニーズを満たすためには、これまでのマス・マーケティングでは対応しきれない部分が出てきました。つまり、マーケティングも消費者のニーズの変化に合わせていく必要があるということです。
消費者を一つの集団(マス)として捉えるのではなく、一つ一つのニーズを汲み取っていくことが求められるようになりました。
こんな時代だからこそ、ダイレクトマーケティングが有効となってくるのです。時代の変化に対応していくためにも、ダイレクトマーケティングの導入を検討してみてはいかがでしょうか。