景品表示法の基礎知識 知らないと罰せられてしまうかも!

経営お役立ち情報

他社製品との競争に勝つため、少しでも自社製品のPRをしたい!しかし、その謳い文句が行き過ぎてしまうと「景品表示法」(不当景品類及び不当表示防止法)に違反し、罰せられてしまう可能性があります。

製品につけるキャッチコピーは、商品を魅力的に見せるものですが、そこに嘘があってはいけません。また、過剰な懸賞品は射幸心をあおり、もはや商品のPRではなく宝くじを売るようなものになってしまいます。

今回は景品表示法(以下「景表法」)について具体的な事例を挙げながら平易に解説します。公正な競争・クリーンなルールの中で自社製品のアピールしましょう。景表法におけるNG事項を知らないと、大きなペナルティを課されるリスクがあります。

景品表示法はなぜ必要か?

そもそもなぜ景表法は必要なのでしょうか?

それは、メーカーが商品やサービスを売ろうとするために品質、内容、価格等を偽って表示した情報によって、消費者の合理的な取捨選択を阻害しないように、パッケージの記載内容の虚偽や、過大な景品の提供を規制するためです。

嘘や紛らわしい情報によって本来の品質や内容に沿わないものを購入しても、それは金銭の正当な対価として不適格になります。

優良誤認表示の例

「松坂牛」と聞くとおそらく「超高級牛肉」をイメージされると思います。「松坂牛」(「まつさかうし」と読みます)は「黒毛和種で、三重県伊勢地方の認定業者が手掛けた、未経産雌牛」という定義があり、それに外れるものはただの国産牛です。

しかし、その定義に該当しない「松坂地方の牛」について、パッケージに「松坂牛」と記載があるケースがあります。これが「優良誤認表示」で、実際には優れていない(質が高くない)のに著しく優良なものだ、と誤認、勘違いさせることです。

「消防署の方から来ました」(消防署とは言っていない)と言って、粗悪な消火器を、さも公的お墨付きのものと勘違いさせて買わせるのと同じ構図になります。

有利誤認表示の例

過去に展開していたステーキチェーンでは、年中「50%引き」「40%引き」でステーキを出していました。50%引きで200g1200円くらいだったので、定価だと200g2000円超えます。しかし、硬い外国産牛肉で、正直、2000円を超えるお肉とは言い難く…

実はこのステーキチェーンでは「定価」で販売したことがなく、50%引き、ないし40%引きが適正価格、つまり本当の定価でした。

「今半額で高いお肉が食べられる。自分はラッキーだ!」

このように、商品、サービスの価格、その他の取引条件について、実際よりも著しく有利であると一般消費者に誤認させる、あるいは、他社と比較して著しく有利であると誤解させることを「有利誤認表示」と言います。

今はそのようなお店は減りましたが、かつては、年中「閉店セール」「新装開店セール」を行い、割引価格で売っているお店がありました。その類が有利誤認表示であり、景表法違反になります。

不実証広告

「このサプリを飲めば5㎏痩せる」「太っている部位に貼ると細くなる」「首にかけると周囲のウイルスを除去する」

こうした効果を謳った商品を見たことがあると思います。本当に効果があるならば科学的データに基づき、客観的に証明できなければなりません。

広告で宣伝された商品の効果や性能について、本当にそうなのか、消費者庁から根拠資料の提出を求められ、15日以内に根拠資料を提出できない場合は、実証できない広告「不実証広告」を掲載したとして景表法違反になります。

打消し表示

大きく商品やサービスの効果を示し、その下に小さく「※ただし~」と記載し、上の効果を打ち消すような表示をすることです。

「このダイエット食品を摂取し1か月で10㎏痩せた ※ただし、食事制限と運動を併用しました」(実際は食事制限と運動で痩せた)

「契約で30000円キャッシュバック! ※ただし、〇〇コース 〇年契約 指定の銀行に口座がある場合」

こうした表示がすべて景表法違反になるわけではなく、別のページや広告下に見えないくらい小さなフォントで書かれているなど条件を満たす場合に違法になります。

景品の規制

上記はすべて広告についての規制ですが「景品」表示法なので、景品についても規制があります。

わかりやすいのは新聞の契約です。新聞を契約すると、日用品などをくれますが、これは景表法の「取引価格の8%に相当する金額、または6ヶ月分の購読料の8%に相当する金額のうち、いずれか低い金額」にとどまるのでOKなのです。

これが「東京ドームのVIP席年間パスポート」などにしてしまうと(極端な例ですが)、規定の金額を優に超えるので景表法違反になります。

景品(おまけ)を豪華にしすぎるのは、公正な競争を害してしまうという判断です。景表法とは関係ないですが、ふるさと納税の「返礼品」競争と似ています。ふるさと納税も通達によって「寄附額の30%まで」と返礼品の上限が決められました。

その他のケース

その他にも景表法違反に問われるケースがあります。

例えば無果汁なのに、オレンジのイラストがあるドリンクは景表法違反になります。ただし、果汁が1%でもあれば、フルーツのイラストを入れられます。現在のファンタ(果汁1%)にはフルーツのイラストがあります。

また、実在しない不動産のおとり広告も景表法違反です。「30㎡家賃7万円角部屋!」このような好条件の部屋は存在しない、あるいはすでに住んでいる人がいるなど「存在しない物件」を紹介し、実際にはそこには住めないケースも景表法違反になります。これが「おとり広告」と言われます。

しかし、おとり広告をもとに物件を契約しても、景表法違反で解約はできず、別の法律(消費者契約法など)をもとに解約請求します。クーリングオフも期間内なら可能です。

景品表示法違反になると罰せられる

景表法違反になると当然ペナルティが課される可能性があります。ここで、景表法違反の罰則について確認します。罰則は個人と法人で異なります。

不当景品類及び不当表示防止法
<個人>
第三十六条
第七条第一項の規定による命令に違反した者は、二年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処する。
<法人>
三十八条
法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務又は財産に関して、次の各号に掲げる規定の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、当該各号に定める罰金刑を科する。
一 第三十六条第一項 三億円以下の罰金刑

この条文が適用されると、個人でも罰金(刑事罰)を科される場合があり、法人の罰金は「最大で」3億円という重大な結果になる可能性もあります。

ただし、いきなり警察がやってきて摘発されるということはなく、一定の手続きを経て、それでも改善されない場合、最後の手段として刑事罰を受けることになります。

ペナルティの流れ

ペナルティが課される場合、以下のような流れになります。

1.一般ユーザーや同業他社から消費者庁へ景表法違反の通報がある

2.消費者庁と都道府県は、その通報が確かそうで、景表法違反が疑われる場合、関連資料の収集や分析、必要に応じて、事業者からの聴取などを行います。

3.必要に応じ景品表示法第29条第1項に基づき、立入検査等を行うことがあります。これを拒むと、景表法37条違反となり1年以下の懲役又は300万円以下の罰金が科されます。ですので実質立ち入りを拒むことはできません。

4.調査の結果、違反の事実が認められると法的拘束力のある「措置命令」が下されます。なお、この段階で、消費者庁や都道府県のWebサイトでその内容及び社名が公表されます。

5.同時に優良誤認表示や有利誤認表示を行っている場合、課徴金(売上の3%)の支払い命令が出ます。過大な広告で不当に利益を上げていたのでその分は国庫に返納してもらおうということです。

6.措置命令が出ても改善がない場合、消費者庁ではなく警察、検察の扱いとなり、摘発、裁判、刑事罰という流れになります。

まとめ

景表法違反をしても措置命令を受けた段階で広告を改善すれば、刑事罰を受けることはありません。猶予を設けているので、必ず改善してください。しかし、この段階で公になるので、企業イメージやブランド価値は下がります。

マスコミが報道する可能性もあるため、措置命令を受ける前に景表法違反に気付いて改善することがなにより重要です。他社との競争を勝ち抜くために、つい過大なキャッチコピーをつけたくなりますが、あくまで根拠のある商品やサービスのクオリティで勝負をしましょう。

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