社長の仕事とは何か?社長しか出来ない究極の仕事を解説

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総務省と経済産業省による2016年の調査によると、日本国内の法人企業は約163万社。その会社の数だけ社長が存在することになります。この記事では「社長の仕事とは何か」ということに焦点を当ててお話をしていきたいと思います。

会社の置かれている状況は各社さまざまで、起業したての会社と数十年続いている会社、毎年利益を増やし成長している会社と赤字を続けている会社では、社長のやるべき仕事は異なってきます。どんな会社であっても、社長次第で会社は大きく変わります。この記事が、貴社が変わるために少しでもヒントになれば幸いです。

会社は社長で決まる

「会社は社長で決まる」ということは、よく聞かれることです。

特に中小企業においては、社長によって会社のあり方が全く変わってくるため、その分社長の果たす役割は大きくなります。小さな会社では、社長一人で営業、経理、総務、人事まですべてを切り盛りしなければなりません。数十人規模の会社でも、社内の様々な業務を社長自身が担当者のようにこなしているケースも少なくないようです。実際、社長がやるとすぐに問題が解決する場面も多く、忙しくても社長が手を出したくなるのはわかります。しかし、そうなると社長としての本来の仕事がおろそかになってしまいます。

社長は現場から一歩退き、社長でなければできない仕事を優先する、ということを頭に入れておかなければなりません。

社長の仕事とは何か?

では具体的に社長の仕事とは何か、ということを考えていきましょう。その前に、会社の役割とは何か、ということから考えるとわかりやすいのではないでしょうか。

会社の役割

会社は何のためにあるのでしょうか。

売上を上げるため、従業員に雇用を提供するため、社会に貢献するため、それぞれ間違いではありません。しかし「永続的に価値を提供する」という基本的な考え方を抜きにして会社が存在し続けることはできません。なぜなら、価値を提供できなければ、お金を出して買ってくれる顧客はなく、もし価値を提供できたとしても一時的なものであれば、すぐに淘汰されてしまうからです。社長は、この「永続的に価値を提供する」ということを、どうやって実現するかということを常に考えなければなりません。

その考えをもとにしてこの記事では、社長のやるべき仕事として次の3つのことを取り上げました。

企業の方向付け

企業の「方向付け」とは、この会社では「何をやり、何をやらないか」を決めるということです。ここが決まらないと、会社がどこに向かってどう進めばいいのか、が見えてきません。方向付けをするためには、船長が地図や潮の流れ、風向きを見るように、社長はビジネスの基本を踏まえつつ、社会や時代の流れを読むことが必要になります。

こうした「外部環境」を分析することと併せて、「内部環境」である自社の強みや自社の持つリソースを分析していきます。いくらニーズが見込めるビジネスであっても、自社ができるかどうか、しっかりと見極めなければなければ、その方向には進めないからです。そして自社のミッションやビジョン、理念に照らし合わせて、どの分野を責めていくのか、そのために「何をやり、何をやらないのか」を考えていきます。

企業経営において、管理が最も重要と考える人もいるかもしれません。しかしいくら管理が優れていたとしても、そもそも進む方向が間違っていれば、きびしい戦いを強いられるのは目に見えています。

このように様々なことを勘案し、最終的には社長自身が自社の方向付けをしていくのです。

資源の最適配分

経営の資源といわれるものには「カネ・ヒト・モノ」があります。これらをうまく活用することで、新たな価値を生み出すのが会社という組織です。これらをどのように配分すると自社がより価値を生み出せるのか。この最適な配分を決めていくのも、また社長の役割です。

どこに資金を投入し、誰をどう配置するのか。そしてどのような設備を揃えるのか。こうしたことを決めていくにあたって難しいのは、限られた中で配分しなければならないということです。ここが社長の知恵の出しどころであり、経営の難しさでもあります。

経験がものを言う分野ではありますが、それだけではなく、データや最新の分析手法も必要になります。

ヒトを動かす

会社にとって従業員をいかにうまく動かしていくかによって、業績は大きく左右されます。会社というチームにおいて、従業員は選手、社長は監督です。試合に勝つためには、選手の特性を考えてポジションを定め、うまく能力を発揮させる必要があります。時には選手の意に沿わないプレーをしてもらわなければならないこともあるでしょう。そんな時でも、進んでチームのためにプレーしてくれるかどうかで会社は変わってくるのです。

ヒトを動かすためには、社長と従業員という命令系統や管理だけでは不十分です。「やりがい」「仕事への想い」といったものを社内で共有することが大切になってきます。従業員のモチベーションを上げ、高いパフォーマンスを発揮させることも、社長の大きな役割になってきます。

人を動かすための覚悟

人を動かすためには、社長には2つの「覚悟」が必要になります。ひとつは「先頭に立って行動する覚悟」、そしてもうひとつは「最終責任を取る覚悟」です。

会社の経営において、結果として起きたことの全ての責任は社長にある、ということは常に意識しておかなければなりません。従業員が起こした失敗も、商品の売り上げ不振も、最終的には社長の責任となり、そこから逃げることはできません。

新しい商品を投入する、会社の組織を変更する、大きなプロモーションを実施する、やってみなければうまくいくかどうかは、わかりません。従業員も不安ですが、社長の不安のほうが大きいかもしれません。それでも会社を成長させるために必要だと判断すれば、社長の責任においてやる、ということです。この覚悟がある社長が先頭に立って動けば、従業員も安心してついていくことができるでしょう。

社長の仕事をやるうえで重要なこと

ご紹介してきたように、社長の仕事というのは従業員の仕事とは大きく異なります。ここでは、社長の仕事をやっていくうえで重要なこととは何か、について少し考えてみましょう。

手を動かす前に考える

社長の仕事は大きく言うと、考えることと決断することです。こうした頭を使う仕事は、現場で作業するよりもはるかに疲れる仕事です。どうしてもカラダを動かすほうが頭を使うよりも楽なので、現場の仕事をやろうとする社長がいます。手を動かしていると仕事をした気にもなります。

しかし、社長が社長の仕事をしなければ、誰も会社をよくしてはくれません。社長は手を動かす前に考える仕事をすることが必要です。

考える材料となる情報を集める

考えたり判断したりするのに必要なものは、材料となる情報です。多くの社長は、常に情報収集を怠らず、本、インターネット、勉強会など、多方面から情報を集めようとしています。

ただし、情報をいくら集めても、最終的には社長自身の判断です。その判断のもとなる軸をしっかりと持たなければ、情報収集も意味がないものになります。

社長の仕事と人間力

考えること、判断することが社長の仕事とお話ししましたが、考えや判断のベースとなるのは社長の人間力です。会社の方向性や資源の配分を考えるにも、社長の人間としての考え方が大きく影響します。人間としての考え方が間違っていれば、会社の方向性や資源の配分も間違ったものになるのは当然です。また人間としての力がない社長に従業員はついてきません。人を動かすのもまた社長の人間力だといえます。

そう考えると、社長は社長の仕事をするために、常に人間力を高める正しい努力を続けることが欠かせない条件になってきます。

まとめ

経営に正解はありません。それと同じように、社長の仕事も、これをやれば必ず会社がうまくいくという答えはありません。しかし、どんなときも常に自社をよくしていこうとする姿勢を持ち続けることが、社長の仕事の第一歩というのは間違いないでしょう。

社長が社長としてやるべき仕事に集中するためには、経営管理などの仕事に多くの時間を費やすことはできません。キャシュモは経理・財務・税務・労務のスペシャリストがワンストップで、経営管理の仕事をお手伝いします。バックオフィスの仕事は専門家に任せて、本来の仕事に集中したいと思われたら、是非キャシュモへご相談下さい。

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