ネットバンキングのセキュリティ対策は?安全に利用するための注意点を解説!

経理お役立ち情報

ネットバンキングは、手元のパソコンやスマホで利用でき大変便利です。振込手数料が安くなる点も魅力です。24時間365日、いつでも利用できるので重宝している人も多いでしょう。法人口座を開設し利用している企業も少なくありません。

しかし、ネットバンキングを安全に利用するためにはさまざまな対策が必要です。

本記事では法人としてネットバンキングを利用する際のセキュリティ対策を紹介します。大切な資金を不正利用されないため、そしてネットバンキングを安全に利用するために、ぜひ、参考にしてください。

ネットバンキングによる不正使用事例

前提として、ネットバンキングの利用者はさまざまな犯罪者から狙われていることを知っておきましょう。具体的な不正使用事例をご紹介します。

フィッシング詐欺

フィッシング詐欺とは、送信者になりすまし電子メールを送りつけ偽のサイトに誘導することにより、個人情報を盗み出す手法です。ネットバンキングの公式サイトを装い、アカウント情報や口座番号、パスワードの入力を強要します。緊急性があると思わせ不安をあおるものも多いため、注意が必要です。
いかにも公式サイトと思われるところから「あなたのアカウント情報が流出しました。今すぐこちらのサイトで口座番号・パスワードを入力してください」という趣旨のメールが送付されてきても、そのメールに貼られたリンクをかんたんにクリックしてはいけません。

クリックする前に必ず公式サイトを検索し、本当にそのような流出事件が起きたのか確認しましょう。このような詐欺があることを知りメールを容易に信じないことが、身を守ることにつながります。

ネットバンキングで情報が盗まれた事例

これは、フィッシング詐欺とは少し異なる事例です。
ネットバンキングを利用している人の元に、ある日金融機関から「お知らせ」というタイトルの電子メールが届きました。そのメールに記載されたリンクをクリックすると、金融機関のホームページと同時にポップアップ画面が立ち上がったのです。その新たな画面では、ユーザー情報の確認のために、ネットバンキングのIDや暗証番号、秘密の質問の答えなどを入力するよう書かれています。
表示画面は暗号化通信を証明するSSLの鍵マークが表示されていたため、信用して入力したところ、後日ネットバンキングの口座からお金が全て引き出されてしまいました。ポップアップ画面に入力した情報を悪用し、不正使用されたのです。

金融機関がポップアップ画面を利用して、情報の入力を求めることはありません。この場合もフィッシング詐欺と同様、メールのリンクを信用しないことが、身を守ることにつながります。

IDやパスワードの不正使用

IDやパスワードを盗み出しそれを使用することによる不正使用も多発しています。IDやパスワードの盗み出す方法は、フィッシング詐欺だけではありません。

ウイルスやスパイウェアなどを利用することで、盗み出すことも可能なので注意が必要です。

最新の不正使用事例を知ることが安全対策となる

ネットバンキングの不正使用に関しては毎年のように手口が新しくなっています。実際の不正使用事例を知っておくことが、安全対策につながります。ぜひ、積極的に情報を手に入れ不正使用から身を守りましょう。

ネットバンキングのセキュリティ対策

このように犯罪者から狙われることが多いため、ネットバンキングもさまざまなセキュリティ対策を準備しています。知っておくことで安心して利用できます。

ネットバンキングによっては独自のセキュリティソフトを用意している

ネットバンキングを狙ったウイルスの検知や駆除に特化した、ウイルス対策ソフトを用意している銀行もあります。ファイルの更新費用なども無料なので、そのようなセキュリティソフトのあるネットバンキングを利用すると安心です。

二要素認証・二段階認証

かんたんにログインできないように、二要素認証や二段階認証を準備しているネットバンキングは少なくありません。どちらも、利用のたびに多くの入力が必要なのでつい面倒だと考えがちです。しかし、このようにしっかりした認証システムを毎回利用することは、不正使用から身を守ることにつながります。
また、このシステムの有効性を生かすためには、利用者の準備も大切です。第三者がかんたんに推察できないパスワードを準備しましょう。

不正送金の被害に対する補償制度

ネットバンキングは不正送金の被害に対して補償制度を準備しています。ただし、ユーザー側も平素よりしっかりしたセキュリティ対策を講じていることが補償の条件になることがあるため、注意が必要です。

ユーザー側が気を付けるべき点については次で解説します。

ネットバンキング利用時に気を付けること

ユーザーとしてネットバンキング利用時に気を付けることを紹介します。ひとつひとつ注意することが、セキュリティ対策につながります。

IDやパスワード管理の徹底や強化

IDやパスワードの管理を徹底しましょう。パソコン内やクラウド内でIDおよびパスワードを保存することは危険が伴います。また、誰でもすぐ使えるようにと、見えるところに書いておくことも危険ですのでやめましょう。
他のサービスで利用するID・パスワードと同一のものを使用しないことも大切です。また、簡単に第三者に推察されないパスワードを設定するようにしましょう。
また、ワンタイムパスワードが準備されているのであれば、積極的に利用するとよいでしょう。

ネットバンキングにアクセスする端末を限定する

ネットバンキングにアクセスする端末を、可能な限り限定することが大切です。できれば、その端末はネットバンキング接続時以外、インターネット接続を切断するとよいでしょう。
また、不特定多数の人が使用するインターネットカフェなどのパソコンからネットバンキングに接続することはおすすめできません。公共の場で利用できるセキュリティのかかっていない無料Wi-Fiを、ネットバンキング接続に利用することもやめましょう。

フィッシング詐欺対策

常に自分がフィッシング詐欺のターゲットになると考え、事前に対策を立てておくことが大切です。
ネットバンキングの公式サイトからのメールであっても、リンクを踏んでアクセスすることはやめましょう。金融機関から通知を受けているURLを直接入力すると安心です。あるいはそのURLをブックマークに入れておいてもよいでしょう。
金融機関がメールにより、IDや暗証番号に関する問い合わせを行うことはありません。もしもそのような問い合わせが来た場合、メールに直接返信することはやめましょう。必ず金融機関の公式サイトで情報を確認します。

端末のセキュリティを強化する

ウイルスやスパイウェアなどによって、ID・パスワードが盗まれることもあります。被害に合わないために有用なのは、端末のセキュリティ強化です。アプリは必ず最新のものにアップデートし、セキュリティ対策ソフトを入れるといった、セキュリティ強化に努めましょう。

退職者のアカウントを削除する

法人口座の場合、ネットバンキングに退職者のアカウントが残っているのは、セキュリティ的に問題があります。また、場合によっては手数料がかかるため注意が必要です。退職時に必ずアカウントを削除するようにしましょう。
もしも、これまでの退職者に関してそのまま放置しているようであれば、今すぐ見直すことをおすすめします。

まとめ

ネットバンキングは利便性が高いため、利用している人も多いでしょう。安全に使用するためには、多くの犯罪者から狙われていることを知っておきましょう。
実際の不正使用事例を知ることが、身を守ることにつながります。
また、セキュリティ対策を強化しているネットバンキングを利用するのはもちろんのこと、ユーザーとしてもさまざまな点で注意を払うことが大切です。