経理を派遣に任せることのメリット・デメリット

経理お役立ち情報

バックオフィス業務の中でも、経理業務は専門性の高いスキルを要するものが多いです。自社で正社員を雇うか、人材派遣を利用するかで迷われる経営者の方も多いのではないでしょうか。

本記事では、経理の人材派遣の費用相場や、人材派遣を利用するメリット・デメリットについて説明します。また、人材派遣の他にアウトソーシングという選択肢についても併せてご紹介します。自社の経理業務をどのようにするかの検討材料としてお役立てください。

経理の派遣社員はいくらかかるのか

経理業務を派遣会社へ依頼する際に、一番気になるポイントは費用がいくらかかるのかではないでしょうか。「正社員やパート社員を雇う場合と比較してどれくらい違うのか」など、人材派遣のコストについて疑問が浮かぶのは当然といえます。

経理の派遣社員の費用相場

派遣社員の人件費は時給により計算されます。派遣社員の時給×労働時間に、派遣会社へ支払う手数料を加えたものが人材派遣にかかる費用になります。
経理の派遣社員の時給相場は、東京23区を例に挙げると時給1,500円前後が平均といわれています。未経験でも可能な単純作業が中心の業務である場合は時給1,200円前後、経験を必要とし広範囲に及ぶ業務である場合は時給1,800円前後が相場です。
また、簿記等の資格や高度な専門スキルを要する場合は、時給3,000円以上と高額な時給となることもあります。

経理の派遣社員のスキルレベル

経理の派遣社員のスキルレベルは、依頼する業務範囲によって異なります。これは、派遣会社が依頼された業務内容によって派遣社員を選定するためです。一般的に、依頼する業務レベルに比例して派遣料金は高くなります。同じ経理業務であっても、単純な入力作業や請求書の管理なのか、予実管理などの財務面も担当するのかで、求められるスキルとコストは大きく異なります。

経理を派遣社員に任せるメリット

経理を派遣社員に任せる際の時給相場については、概ね把握することができました。
ここでは、経理を派遣社員に任せるメリットについて紹介します。

雇用期間を調整することができる

経理を派遣社員に任せることのメリットに、発生する業務量にあわせて雇用期間を調整できるという点があります。決算業務などの繁忙期や、突発的な業務の発生に合わせて人材派遣を利用することが可能です。一般的に人材派遣を利用する場合は、3ヶ月~6か月の期間で契約を結びます。契約期間満了時には、双方が合意すれば契約の延長更新をすることも可能です。正社員やパート社員を雇う場合、このように柔軟な雇用期間を設定することはできません。

採用・教育のコストを削減することができる

正社員やパート社員を雇う場合、募集・選考・採用・教育と多くのプロセスとコストがかかります。これに対して、人材派遣を利用する場合は、派遣会社の採用プロセスにより選定された経験を有する社員が派遣されるため、採用・教育のコストを削減することが可能です。

社内の業務効率化につながる

経理業務には会計ソフトへの入力や伝票作成など、定型化できる業務が多くあります。経理業務は、パターン化できる単純作業であっても正確な処理が求められるため、自社の社員で対応しようとすると多くの時間と労力がかかります。これらの定型業務を派遣社員に任せることにより、正社員は定型業務に追われることなくコア業務に集中することが可能となります。

経理を派遣社員に任せるデメリット

経理を派遣社員に任せることはメリットばかりではありません。
ここでは、デメリットについてそれぞれ紹介していきます。

情報管理面に対して不安がある

経理業務は、決算情報や顧客情報など会社にとって重要な情報を扱う業務です。情報漏洩があった場合、単なる経済的損失だけではなく企業に対する信頼を失うなど多くの影響を及ぼします。派遣社員は派遣元で守秘義務に関する教育を受けていますが、自社で社員を採用する場合と異なり人柄を熟知して採用しているわけではありません。そのため、守秘義務をどこまで遵守してくれるかなど、情報管理面に対しては不安があるかもしれません。

勤務時間や業務内容に制限がある

経理業務を人材派遣会社へ依頼する際には、あらかじめ勤務時間や業務内容について契約を締結します。そのため、派遣社員に対して勤務時間や業務内容の変更を依頼する際には、全て派遣会社を通じてやりとりをする必要があります。突発的な業務が発生した場合や、業務内容に流動性がある場合は、その都度派遣会社へ連絡して契約変更の手続きを行う必要があるため、繁雑に感じることもあるでしょう。

派遣社員の入れ替わりが発生しやすい

経理業務を人材派遣会社へ依頼する場合、前述したとおり一般的に3ヶ月から6か月程度の期間を定めて契約を締結します。当初定めた契約期間が満了した際には、双方の合意により契約を更新することは可能ですが、長期的な雇用を前提とする正社員と比べてどうしても入れ替わりが発生しやすくなります。派遣社員の入れ替わりが頻繁に発生する場合、新たな派遣社員に一から仕事を覚えてもらわなくてはいけないため、企業にとっては負担となります。

経理代行サービスを利用するという選択肢もある

経理業務を人材派遣会社へ依頼する場合、自社のニーズに合わせた期間で派遣社員を雇用できる一方で、人の入れ替わりが多く継続的に高いレベルの人材を確保することは困難です。自社で求めるレベルの人材を確保できない場合、経理業務が不安定になり、経理業務が不安定になると会社全体が不安定になります。

安定した経理業務体制を構築するには、経理代行サービスを利用するという選択肢もあります。
経理代行サービスとは、自社の経理業務を外部企業が代行することをいいます。
経理の代行サービスを提供している会社の多くでは、専門知識や実務経験が豊富なスタッフが対応しています。また、スタッフの入れ替わりに影響もないため、人材派遣へ依頼する場合に比べて、「高い専門性のあるサービス」を継続的に受けることが可能です。

サービスの料金には幅があるため、専門家が担当しているかどうかなど、自社にとって必要なサービスの範囲に着目して選ぶようにしましょう。専門的な知識を持つプロ集団に経理代行サービスを依頼することにより、安定した経理業務の構築が可能となり会社全体の安定に繋がります。

まとめ

経理業務は、バックオフィス業務のなかでも多くの労力と専門的な知識を必要とする業務です。経理業務を派遣社員に任せることは、自社のニーズに合わせた期間で派遣社員を雇用できるメリットがある一方、入れ替わりが激しく安定した人材確保ができない、勤務時間や業務内容に柔軟性が無いなどのデメリットもあります。

経理代行サービスを利用すれば、比較的低コストで専門的なサポートを受けることが可能です。経理業務を外部へ依頼する際には、人材派遣だけではなく、プロにまるごとアウトソーシングできる、経理代行サービスも視野に入れて検討してみてください。

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