「アウトソーシングしたい業務があるが、注意すべきポイントは何だろう」
とお思いの方はいらっしゃいませんか?。
この記事では、そのようなアウトソーシング導入に疑問を持っている方に成功のポイントとは何かについて解説していきます。これを読めば迷わず、納得できる形で、アウトソーシングを導入することができるでしょう。
アウトソーシングが失敗するパターンとは
アウトソーシングとは、業務の一部分を外部に委託することですが、これまで手間暇かけて行っていた業務を丸ごと外部にお願いするイメージがあるせいか、「丸投げ」になってしまうことがあります。ここではこれに起因した「勘違い」によって失敗するパターンをご紹介します。
勘違い1:業務の外注はその仕事を無くすことではない
アウトソーシングする業務に携わっていた自社の従業員のなかには、「自分の仕事が楽になる」というイメージでしかとらえていない人もいるかもしれません。
しかし、単純に業務がなくなるということはありません。アウトソーシングにより単純な業務が減った分、社員にはもっと高度な仕事をしてもらうこともあります。
この点がきちんと理解されていないと、新たな業務に対する不満ばかりが残り、社員のモチベーションが下がってかえって逆効果になることもあり得ます。
その業務をアウトソーシングする本当の目的を社員ときちんと共有しておくことが重要です。そうでないと、アウトソーシングによる業務委託費が増えただけ、という結果になる可能性もあります。
勘違い2:アウトソーシングはお任せだから自分たちは何もしなくてよい
会社の業務は、全て会社の業績を伸ばすためにあります。常に変化し続ける社会環境に対応するためには、臨機応変に業務の見直しをしなければなりません。アウトソーシングはその手段の一つです。
会社の経営に携わる経営者・管理者は社内業務の一部をアウトソーシングするに至った経緯を知っていて、期待している結果があるはずです。
あまり十分な検討をしないままアウトソーシングすれば、無責任な業務の丸投げとなり、期待していた結果が得られないどころか、ミスや勘違いによる間違いが発生して逆に会社の足を引っ張る結果になってしまうかもしれません。
アウトソーシングを成功させるポイント
アウトソーシングする業務も大事な会社の業務の一つです。何のために外部に委託するのか、目的を共有しましょう。経営者も管理者も従業員も同じ方向を向いて進めていくことが重要です。
トップが明確な方針を示す
アウトソーシングの狙いは会社をより良くするためにあります。この業務をアウトソーシングすることになった経緯を、トップ自ら明確に示し、管理者や従業員、アウトソーサーに知ってもらう必要があります。方針無くしては進めません。
関係者全員の目的の共有
もし、メンバーの中にその目的を知らない人たちがいて、自分勝手な解釈で仕事をしていたとしたら、必ずどこかで勘違いをして間違った結果が出ます。間違った結果を修正するための業務が発生すると、時間がかかり、不満が出てそこからだんだんと崩れていくのです。
目的の共有は一番大事であり、一番大変な仕事でしょう。繰り返し伝えることが必要になります。
業務プロセスの変更
アウトソーシングを進める際には、トップの方針に沿って業務プロセスの見直しを行うことが重要です。対象となる業務の現状分析から始めましょう。
まず“業務の棚卸”を行います。その中から、コア業務(利益に直結した業務)とノンコア業務(コア業務を補佐する定型業務)が見えてきますので、ノンコア業務のうちアウトソーシングしたほうがいいものを選び出します。
仕事の一部が外部に出ていくとなると業務プロセスは全体的に見直されることになります。このとき、より会社の業績を上げる方向に業務プロセスを変化させることが重要です
何をアウトソーシングするのか
前段でノンコア業務のうちアウトソーシングしたほうがいいものを選び出しましたが、この中で本当に外部に出してもよいものを選び出す必要があります。アウトソーシングに出してしまうと自社内でその業務に携わる人がいなくなります。そうするとその業務に関するノウハウが社内に残らなくなるという一面もあるのです。
個人情報の提供やその他機密情報をやりとりする局面も出てきます。そうしたことを勘案して適切にアウトソーシングに出す業務を決める必要があります。
アウトソーシングした結果として何を求めるのか
アウトソーシングする業務が決まれば、今度はその結果としてのゴールを定めます。ただ、当たり前に「請求業務ができれば大丈夫」とか「給与計算をきちんとできてさえいればいい」というのではダメです。
それによって、自社社員がその業務を行っていた時と比較してどこがどのようによくなるのかはっきりさせておきましょう。できれば、「請求業務を何日短縮」とか「給与計算のミスを何件に減少」とか「空いた時間で自社の人材育成プログラムを作成する」などの明確な目標を立てましょう。
アウトソーシングの実行の仕方
アウトソーシングがスタートしたら、ただ漫然と任せておくだけではなく、定期的にチェックをします。アウトソーサーの方から定期的な報告事項はあると思いますが、大事なのは「自社の目標が達成されるかどうか」です。
数カ月同じことを繰り返していると、いつのまにか違う方向に進みかけることはよくあることです。適宜修正をかけながら進めることが大事です。
途中結果の検証
アウトソーシングによる目標の達成については、その時期を定めることが重要です
決められた目標の期限が来たらその目標が達成できているかどうかをチェックします。チェックの結果、目標が達成できていなければ、その原因はどこにあったのか調査して次はどうすればよいか改善策を決めておきます。
改善を実行
目標達成できていなければ、次はいつまでに達成するのか、何が悪かったのかを検証して改善を実行します。内容によっては小手先の改善では修正できない内容かもしれません。
いずれにしろ「最短で目標を達成するには」という視点で取り組みましょう。
上手にアウトソーシングを活用して他社より飛躍するチャンスを
今、アウトソーシングを検討しているということは、業績を上げ次の時代に向けてさらなる飛躍を目指しているということに他なりません。
「ヒト・モノ・カネ」は調達できますが、時間は調達できません。
アウトソーシングを上手に活用して、次の一手を考える時間を確保し、未來に向けてさらなる飛躍を目指しましょう。