マイナンバーカードを健康保険証として利用できる一体化が2021年10月20日より本格的にスタートします。政府が推進するデジタル化の中核として、マイナンバーカードの普及・促進が挙げられ、今後ますます色々な場面でマイナンバーカードが使えるようになりそうです。一体化によって、何が変わり、どの様に便利になるのかについて説明していきたいと思います。
マイナンバーとは?
住民票を有する全ての人に割り振られている12桁の番号です。番号が漏えいした場合等を除いて、マイナンバーは一生変更されることはありません。マイナンバー制度の役割として大きく以下3つがあげられます。
①国民の利便性の向上
社会保障や税関係の申請時に添付書類が削減されるなど
②行政の効率化
国と地方公共団体との間での連携がスムーズになり、情報の照合や転記などに要する時間・労力が大幅に削減されます
③公平・公正な社会の実現
国民の所得状況などが把握しやすくなり、税や社会保障の負担を不当に免れることや不正受給の防止、本当に困っている方へのきめ細やかな支援が可能になります
健康保険証との一体化について
マイナンバーカードが保険証の代わりになるというだけでなく、データの連携や受付の簡素化など様々なことが可能になります。現時点で運用が決まっているものについていくつかご紹介していきます。
受付が自動化
顔認証付きカードリーダーで受付が自動化され、本人確認と保険資格の確認が一度に実施可能となります。自動受付となることで人との接触も最小限で済ませられます。
データの連携が可能に
患者の同意を得たうえで、過去に処方された薬や特定健診などの情報を医師や薬剤師に自ら説明することなく、マイナンバーから情報を共有することができます。データを見た上で診察、薬の処方をしてもらえることでより良い医療を受けることが可能になります。また、緊急で病院を受診した際もマイナンバーカードがあれば情報を連携することが可能です。
窓口での限度額以上の支払いが免除
これまでは高額療養制度を利用する際、事前に書類を準備する必要があり、急な入院などの場合は申請が間に合わず一時的に高額な支払を負担する必要がありました。
マイナンバーカードと一体化することで、事前の申請がなくても限度額を超える支払が免除されることとなります。
確定申告が楽に
今まで医療費控除を申請する場合は、過去1年分の医療費の領収書を保管しておく必要がありました。しかし、一体化によってマイナポータルで医療費通知情報を管理することができ、マイナポータルからe-Taxに情報連携でき、オンラインにて完結することができるようになります。
保険証の切替が不要に
結婚や転職などのライフイベント毎に保険証の切り替えが必要でしたが、一体化することにより医療保険者へ手続き済であればそのまま医療機関でマイナンバーカードを保険証として利用できるようになります。
今後のスケジュールについて
一部の医療機関・薬局でプレ運用として利用が始まっていますが、本格運用の開始は2021年10月20日となっています。マイナポータルでの特定健診等情報の閲覧は2021年10月までに、薬剤情報の閲覧は2021年10月から、医療費通知情報の閲覧は2021年11月から開始予定となっています。一方、カードを読み込むための専用機械をすでに導入している医療機関は2021年9月時点で5.6%にとどまっているため、利用する際は事前の確認が必要な状況です。
また、マイナンバーカードを健康保険証として利用するには、事前申し込みが必要です。是非、この機会にお申し込みをしてみてはいかがでしょうか。
まとめ
政府がマイナンバーカードの運用を推奨している一方で、まだまだ国民には浸透していないのが実態かと思います。健康保険証との一体化は、国民にとってマイナンバーカードが身近になる可能性が高く、今後ますます機能も拡大される予定です。
私達にとって便利な機能もたくさんあるので、是非活用していきたいところです。
参考:
内閣府リーフレット『マイナンバーカードが 健康保険証として 利用できます!』
厚生労働省『マイナンバーカードの健康保険証利用について』