経営者の皆様はご自身の会社をどのような視点から評価していますか?今回はハーバード・ビジネス・スクールの教授が1990年に考案した、バランス・スコアカードという考え方をご紹介します。
バランス・スコアカードとは何か
従来の企業評価はどちらかというと、財務面から短期的に評価することに偏りがちでした。その点に着目したハーバード・ビジネス・スクール教授のキャプランと、コンサルティング会社社長のノートンが考案したのがバランス・スコアカードです。
従来から評価に使われていた「財務の視点」に加えて、非財務的でかつ、中長期的な視点として「顧客の視点」、「業務プロセスの視点」、「学習と成長の視点」の3つを加え、この4つの視点から企業を評価することにより、より総合的な評価ができるようになりました。
二項対立のバランスをとる
バランス・スコアカードという名称には、二項対立している(対照的である)評価のバランスをとり、総合的に評価できるという意味が込められています。具体的には
●短期的な目標と長期的な目標
●財務的評価と非財務的評価
●外部からの評価と内部からの評価
●過去実績の評価と将来予測値の評価
という対照的な基準のどちらから評価してもバランスよく、いいスコアが取れるように経営していくことが重要であるという考え方です。
4つの視点の関連性
企業が存続・成長するためには果たさなければならない要素がいくつかありますが、前述した4つの視点はそれを評価するためのものです。対応関係は以下のようになっています。
財務の視点 | 利益を最大化すること |
顧客の視点 | 顧客満足度を高めること |
業務プロセスの視点 | 商品やサービスの品質を高めること |
学習と成長の視点 | 従業員満足度を向上させて、従業員を成長させること |
上から順に「○○のためには、△△が必要」というようにつなげて読んでいくことができます。
●利益を最大化するためには、顧客満足度の向上が必要
●顧客満足度を向上させるためには、商品やサービスの品質を高める必要がある
●商品やサービスの品質を高めるためには、従業員が成長する必要がある
●利益が最大化すれば、従業員に分配できるので、従業員満足度を高められる
財務の視点にばかり注目してしまいがちですが、実際には4つの要素が好循環していることが重要です。
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北青山コンサルティンググループではバランス・スコアカードの考え方をもとに、経営計画書を作成しています。内容や運用方法に興味・関心のある方は各担当者まで、お気軽にお問い合わせください。
<良い会社チェックリスト>
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