夏が終わり収穫の秋となりました。今回は、会社の収穫を増やすための「会議」について改めて見直してみたいと思います。
多くの社長から、「会議を開いても意見がでない」とか「自分の考えをもっている社員がいない」という声を聞きます。しかし、弊社でお客様の会社の社員インタビューをすると、自分なりの考えを持っている方は意外に多いものです。
社長が社員の方々から表に出ていない力を引き出すことができれば、会議の活性化は十分に可能と思います。
【活性化していない会議の例】
よく見られる会議の仕方は、以下の二つが多いと思います。
・社長独演会形式
社長が全員に対して現状の解釈と今後の指示を出す形式
・報告会形式
各担当部門から先月の結果報告をして、社長の指示を待つ形式
どちらも、活発な議論が行われていれば問題はないのですが、会議が形骸化しているのがむしろ一般的ではないでしょうか。
【お勧めする会議の方法】
会議をする目的とは、本来、参加者ひとりひとりの「気持ちが切り替わって、行動が変わる」ことです。前向きに自分が果たすべきコミットメントを自覚し自分の部署に戻ってそのエネルギーを周りに伝播させることです。
上記の二つの会議形式では、社長や上司に遠慮して意見が言えない、あるいは、考えることは社長に任せて思考停止に陥っているケースが多いと思われます。
これを変えていくには二つのステップを踏むことをお勧めします。
【第一段階】
自由に意見を出し合える雰囲気づくりと参加者全員が自分自身が主体・当事者であるという意識付けを行い、各人の意見を建設的に組み合わせて答えに到達する議論の進め方を定着させます。次の方法をお試しください。
・会議の司会者を社長以外に指名する。
・会議の目的・ゴールを明確にする。
・司会者が中心となって、ディスカッションの時には、ホワイトボードなどを使って、意見の見える化し、議論を集約する。
・意見の重要度を肩書ではなく、ディスカッションの内容によって決定する。
・意見を出しにくい場合には、紙に書いて一人ずつ発表してもらう形式を採用する。
これらの方法に慣れることで現状の問題点の把握と原因の特定までは、今まで以上に有効で活発な議論ができると思います。
【第二段階】
第二段階は、各参加者が主体的に課題の解決を行えるようになるステージです。
対処すべき問題を課題として捉え直し、「こうしたい!こうなりたい!」という目指したいゴール設定ができるかどうかがカギとなります。例えば、「商品が売れない」という問題を「今期中に○○のお客様に対して、これまでにない○○を提供し○○の分野で地域トップの売上を目指す」のような目標です。
真に到達したいと感じられるゴールを設定できれば、より高い目標に向かって会議参加者のコミットメントを引き出すことができます。
会議の司会がやはり、ホワイトボードなどを活用して意見の「見える化」を行い、集約していきます。最初は実現可能性が低く見える意見でも、まず出させることに気を付けてください。
そして、進みたい方向が定まったら、それを実現する方法、各人(各部門)の役割・責任、スケジュールを具体的に決めていきます。
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毎回の会議が会社の進化の原動力となるような会議を行っていただきたいと思います。もし、このような会議にご興味がございましたら、ABSまでご連絡いただきたいと思います。